| ようこそゲストさん |
| 動物病院と一口に言っても、最近はいろんなタイプの病院が出てきました。ベテランの院長先生が豊富な経験をもとにもっとも適切な治療をしてくれる病院から、最新の機器を揃えて高度医療へのニーズに対応する病院、自分だけのスペシャリティを追求し専門医としての地位を築きつつある先生のいる病院、予防医学や健康管理のためのセミナーを開き地域への貢献をめざす病院など、じつにさまざま。このコーナーでは、獣医療の現場からそうした最新の動きをレポートします。 |
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院長 佐藤元也 南子安動物病院 http://www.minamikoyasu.co.jp/ 佐藤元也先生、得意分野はの問いに「う〜ん、すべてかな?」 動画で病院をご紹介コチラ |
| JR君津駅からクルマで走ること約10分。広い街道沿いに南子安動物病院はあります。新築の白亜の建物は、一見するとまるで人間の病院のよう。救急車が間違って乗りつけてしまいそうな印象です。 佐藤元也先生はこの病院の二代目の若先生ですが、今のところ「生活すべてが獣医師」という熱血漢。文字どおり24時間年中無休の獣医師を実践しています。 | 一見、人間の病院かと見まちがう南子安動物病院の外観 |
| 「大学を出てからすぐに父の病院を手伝いはじめたのですが、やはり広く社会を見た方がいいということで、ここに籍を置きながら関東〜中部近県の病院をあちこち渡り歩きました。そこで感じたのは、動物病院というのはやり方も技術力もさまざまだということ。中には『こんなやり方はちょっと…』と思うところもあって、半日で辞めたこともありました」(佐藤先生) |
| いろんな動物病院を見たことで、自分の病院を客観的に見つめ直すこともでき、「こんな医療機関が飼い主には求められている」というイメージも固まったとか。それを形にしたのが、今の南子安動物病院だそうです。 |
すべてがガラス張りの院内、手術の様子も見える |
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| 「いろんな病院を回ってわかったことのひとつに、医療を密室でやってはいけないということがありました。飼い主さんが知らないところで、なんだかわからない治療が行われているというのは信頼関係を壊すもとになる。だから新築を思い立ったとき、すべてが見えるオープンな空間にしました。ここではご希望があれば手術もお見せすることにしています」(佐藤先生) |
| ペットの医療トラブルの最大のポイントは、「きちんとした説明をしてもらえなかった」「納得しないうちに手術が行われた」というような、コミュニケーションの欠如の問題。佐藤先生はそうしたことのないよう、できるだけ素人にもわかりやすい言葉でインフォームドコンセント(説明と同意)を行い、飼い主が診療・治療の経過をすべて自分の目で確かめられるような病院の設計を心がけたそうです。 |
| さらに特筆すべきは、トリミング室に続く建物左奥にCT検査室があること!なんとここは近隣の動物病院が共同で使うことのできる動物高度診断ラボ(動物高度医療CTセンター)を兼ねているのだとか。 「CTはまだ入れたばかりでそれほど使われていませんが、たとえば猫の頭蓋骨の骨折などでもじつに鮮明に骨折箇所や形状がわかる。どことどこにヒビがあって、どの程度の損傷であるかとかが瞬時にわかる。通常のレントゲンではここまでの精度は期待できません。この正確さは、これからの期待される動物の高度医療の大きな助けになると思います」(佐藤先生) |
近隣の動物病院が使用できる動物高度診断ラボとCT |
| ここまではわかるけどここから先はわからない、わからないから手の施しようがないというのは嫌なんです、と佐藤先生。このあたりではまだ脳や頭頚部に腫瘍が見つかっても、じゃあ大学病院で放射線治療をとなると「そこまではちょっと…」と言われてしまうケースが多いとのことでしたが、今はそれほどでなくても「できるだけのことをしてやりたい」と高度医療を望む飼い主は確実に増えてくるはず。そうした時に「できません」ではなく、一歩先に踏み出せるような体制をつくっておきたいということです。 南子安動物病院にはCTの他にも、カラードップラー超音波診断装置、高出力半導体レーザー手術装置、電子内視鏡、超音波乳化吸引装置などの最新医療機器が備えられていました。 |
| 「かなり思いきって高性能の眼科検査機や歯科治療機も導入しました。眼の方は地元の人間の大学病院の眼科の臨床研究会などに加えてもらって勉強し、豚や牛の目をと殺場からもらってきて手術の練習台にしました。今では白内障のワンちゃんの手術なども恒常的に請け負ってます。都心とかでは片目30万円と言われますが、うちでは15万ぐらいでやっているので東京方面からアクアラインを使って来られる方も増えています。歯の方は、医療機器メーカーの講習会などに出て、専門書と首っ引きで勉強しました。こちらは需要はまだまだですが、私自身はいつでも臨戦態勢のつもりです」(佐藤先生) |
![]() セミナー室、中学生を集めて動物の勉強会が開かれていた |
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| そんな時間の合間を縫って、南子安動物病院には交通事故に遭った野生のシカやサルなどがかつぎこまれてきます。もちろん、そうした野生動物には飼い主がいませんから、かれらの治療費は病院持ち。ですがこのあたりでシカの交通事故となると、警察がパトカーで運んでくるのはここなのだそうです。 |
| 「先日なんか目に釣り針が刺さった白鳥がいるとの通報があって助けに行ってきました。だけど池の真ん中にいるのでつかまえられない。岸に寄ってくるまでじっと待ってつつかれながらようやく捕獲し治療しました。また女嫌いのメスのサルを治療した時などは、彼女が逃げだしてうちの女性獣看護士たちを追いまわし大騒ぎになりました。それでも、野生動物を診るのはじつに楽しい。ふだんは絶対見られない行動や表情が観察できるじゃないですか。そうした経験は、どんなペットを連れてこられても驚かないという自信となって、ふだんの診療に生かされていきますから」(佐藤先生) | 治療中のペットと一緒に寝泊まりすることができる部屋 |
| 高度医療とハートフルな医療、その両面を併せ持った南子安動物病院の医療姿勢は、これからの動物病院のあるべき方向性をズバリ示しているといえそうです。 |
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