だいじょうぶ?マイペット

獣医師評論【コラム】

北森 隆士先生

北森ペット病院

北森 隆士先生

収入の5〜10%を、動物を大切にするための啓蒙活動、獣医学の進歩のための研究、最新医療機器の購入、野生動物保護活動にそれぞれ割り当てるような経営を目標にしています。研究は、数年ごとにテーマを決めて行っていますが、現在は、イヌの混合ワクチンの有効性(効果)についてデータを集めています。

正確な医療情報の検索方法

先回、世間にはびこる赤ワインと抗酸化剤のデマ? について書きました。
その後、「どうやって先生はそのような情報を得るのか?」と言った質問を、色々な方からた〜くさん頂いたので、せっかくだからこの場を借りて説明します。

別に、たいしたことをやったわけではなく、今や、世界の医学・生物学の論文(つまり医療情報ですね)は、ネットで簡単に調べることが可能で、それを利用しただけなのです。

医学・生物学系の論文雑誌は世の中には、何十万冊もあります。毎月発行されるその雑誌には、毎回何十報と論文が掲載されるわけで、おそらく世界中で年間発表される論文数は、何千万報にものぼるではないでしょうか。しかし、そのうちのまともな論文雑誌数万冊に関しては、実は掲載されている論文を、過去数十年にわたって全て簡単に検索できるのです。そのサイトはPubMedと言います。ノーベリストの文献から、市中の臨床(獣)医師の論文まで、医学・生物学のありとあらゆる論文がここで検索可能なのです。


Entrez PubMed(英文ページです。yahoo!翻訳にてURLを貼り付けると日本語に訳せます。)

例えば、私は臨床獣医師として、奇妙な症例に出会ったりしたときや、最新の薬物療法に関しては、必ずここでチェックします。実際、最近当院で、非常に不思議な症例に出会い、このシステムで検索したところ、2006年にイギリスで1報!報告があったという、そんなこともあるのです(本当に驚きました)。また獣医師としての仕事以外でも、例えば、自身や家族が病気で高度な治療を受ける必要がでた場合は、事前にここで、その治療法の成績・副作用を必ず調べます。可能であれば、担当の先生の文献を読みます。

もうひとつ面白いサイトを紹介します。

だいじょうぶ? マイペットでもよく代替療法に関する質問がありますが、数年前から米国では、ハーブ、針、漢方、骨、きのこ、催眠療法、音楽療法…・・ありとあらゆる代替療法の科学的妥当性について国を挙げて調査しており、その結果も、常にアップデートされているの、ご存知ですか? 無論、このサイトの研究は全てヒトにおけるものですが、その成績が、動物にとっても重要であることは、言うまでもありません。


All Clinical Trials [NCCAM](英文ページです。yahoo!翻訳にてURLを貼り付けると日本語に訳せます。)

今や、医学・生物学の情報は、このように共有されているわけです。皆のものなのです。

皆さん、情報収集を怠ってはいけません。しっかりとした情報は、あるところにはちゃ〜んとあるのです。確かに、一般の方が、このシステムを使いこなすことは容易ではないでしょう。しかし、このようなシステムがあるということを知っておくのは重要です。

最近は、ねじまがった健康志向が一般人どころか、我々プロの世界にもはびこっています。ほとんど検証なしに、わが国よりも断然平均寿命が短い某国の薬を使ってみたり、最先端の医療技術もまったく勉強することなく、西洋医療の限界などとほざいたり………、獣医師のなかにも知的怠慢な人達が増え始めています。

あなたのかかりつけの先生が、日々刷新される膨大な医療情報の前で、いかに格闘しているかをしっかりと見極めて下さい。そのためのツールとしては、これらは、非常に優れたシステムですよ。

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