| ようこそゲストさん |
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二本松 昭宏
にほんまつ動物病院 目指しているのは、「治して欲しいという気持ちに、治してあげたいという気持ちで応える獣医師」です。 患者さんとの良い信頼関係を築くためには、しっかりした説明をしたうえで、飼い主さんがよく理解し、飼い主さんがご自分にとっての最良の選択をできるようお手伝いすることが大切だと思います。 疑問に思ったことは率直に尋ね、よく理解・納得したうえで、治療をしてあげて下さい。 |
インターネットが普及し、病院にいらっしゃる飼い主さんがネットで病気の情報などを
調べてきていることも珍しくなくなりました。
インターネットが獣医療において、また獣医師と飼い主さんの関係において持つ、良
い部分と心配な部分を考えてみたいと思います。
インターネットが無い時代、病気に関しての情報は、ほとんどが獣医師からもたらさ
れるものでした。
飼い主さんに情報がない場合には、病気に対しての治療の選択は、獣医師に任さ
れることになります。
治療法を選んでくださいと言われたとしても、知識がなければはたしてどの選択が良
い結果に結びつくのかは分かりません。
選択しようにも、どちらの選択が自分にとって良いのかが分からなければ、選びよう
がないからです。
それが、「インフォームドコンセント」の概念の普及とともに、ペットに受けさせる治療
は飼い主さんに選択してもらう、という傾向になってきました。
自分で治療を選ぼうと思ったら、今の状態をしっかり把握し、考えられる選択肢と、そ
れぞれのメリット・デメリットを知る必要があります。
そして、納得できるまで理解した上で、自分にとって最善と思われる選択をすること
になります。
インターネットが飼い主さんにもたらしてくれる最も大きな利点は、「より多くの情報を
知ることができる」という点です。
きちんと病気を知ってもらえると言うことは、獣医師側にとっても利点となります。
病気についてしっかりと知識を持ってもらえるということは、飼い主さんが病気をしっ
かりと理解した上で選択できるということであり、きちんとした治療がなされた場合、そ
の治療をしっかり納得してもらえる可能性が高まるからです。
病気の中には、予後が良くない病気もあります。
きちんと治療したとしても、反応が悪い病気もあります。
そんな時、飼い主さんが、「この病気は治療が難しいこともある」と、そのことを認識
してくれていたとしたら、例え治療に反応が悪かったとしても、怒りが獣医師側に向かう
のではなく、「そういう病気なんだ」という理解へと向かっていってくれる可能性が高くな
ります。
例えば、脊髄損傷など、予後が思わしくない可能性のある場合、「獣医師なんだか
ら、治せないなんて許さない」と病気に対しての理解がなされなかったとしたら、飼い主
さんも不幸ですし、獣医師側も不幸となります。
正しい情報を広く集め、きちんと病気を理解してくれたなら、飼い主さんにとっても獣
医師側にとっても、それは望ましいことだと思います。
ただ、そのためには、インターネットの世界の中に、「より正しくて、公平な情報」が多
くあることが必須です。
もし間違った、もしくは何らかの意図を持った情報を見てしまい、その誤った情報を元
に、獣医師への不信感を持ってしまったとしたら、それこそ元も子もありません。
獣医師がHPで医療情報を載せることにはいろいろな意見があるようです。
僕も、以前「飼い主によけいな情報を持たせるなんてしない方が良いんじゃない
か?」と言われたことがあります。
でも、僕は、飼い主さんが正しい情報を持ち、正しい現状認識をすることこそが、「納
得できる医療」のための最低条件であると思っています。
もし、正しい情報を知らせようとしている人が情報を知らせることを止めてしまうなら、
インターネットの中には「すべての病気の原因はこれだ!」だとか、「うちの製品を食べ
ていればすべての病気が治る!」などといった、いかがわしいような情報が大きな勢
力を占めるようになってしまいかねません。
そちらの方が、より良い医療のためには悪影響となると思われます。
それなら、獣医師としては、「より正しい情報」を、「公平な視点から」、広く啓蒙してい
くことの方が、より良いことであるのではないかと思います。
一方で、インターネットで情報を取り入れる側の人も、気をつける必要があります。
インターネットの情報は玉石混合であり、有益なものもあれば、眉唾なもの、明らか
に間違っているものまで様々です。
そういったことをしっかりとふまえた上で、自分のより良い選択に結びつけられるよ
う、役に立つ情報を集めていく必要があります。
獣医師に対して、「私は分かりませんので、すべてお任せします」では良くないと思い
ます。
自分が納得できる医療を受けるためには、飼い主さんの側も「賢く」なる必要があり
ます。
そのために、飼い主さんの側も、努力し、広く知識を得ながら、獣医師とより良い信
頼関係を築いていって欲しいと願います。
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