中津 賞 先生からの回答
結石の成分が何からで来ているかで治療法が全く異なります。
犬の腎結石の99.5%はストラバイトといわれています。腎盂腎炎の結果起こります。当院が行っている犬の腎結石の治療法は次ぎの通りです。
基本方針:尿の酸性化を持続して結石の溶解を図る。腎盂腎炎の利用も平行して実施
1 最低7日入院
乳酸加リンゲル+常用量の抗生物質(ABPC,バイトリル)
+アミュー(腎不全用アミノ酸製剤) 10ml/kg
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輸液スピード 5ml/kg/hour に設定
7日間連続で10kgの犬で300ml/day iv
尿量が確保できない時はラシックス1mg/kg/dayを添加。
この時点で、多くの症例で半分位の大きさになっていることが期待できる。
2 第2週 食餌に顆粒のアミューを1包(2.5g)/day与える。+ABPC
3 第3週 レントゲン検査で結石の溶解状況を把握する。この時点で結石 がすっかり溶解している症例もある。
結石があれば、
食餌に顆粒のアミューを1包(2.5g)/day与える。+ABPC
4 第4週 レントゲン検査で結石の有無確認。
食餌に顆粒のアミューを1包(2.5g)/day与える。+ABPC
結石が溶解した時点でアミューの量を半減する。
ストロバイトでは以上の方法を実施します。
麻布大学に渡辺俊文先生という腎臓病の専門医がいます。一度診察を受けると良いと思います。
2010/05/25 12:49 参考になった! 0
腎臓石と血尿について
ロシアンブルー・去勢雄・2歳について質問させていただきます。
昨年7月頃に元気・食欲低下のため掛かり付け医で診てもらったところ、左尿管(腎臓からすぐのところ)に石が詰まっていました。そのせいで腎臓から尿が排出されず水腎症にもなっていたことから、結石除去の手術を受けました。その数ヶ月後、今度は右尿管も同様になったため、同じ手術を受けています。
左右とも石を取り除くことはできませんでしたが、腎臓内に落とすことは出来たため、尿の排出はできるようになりました。(左腎は腎臓が萎縮していますが、わずかながら尿を作ることは出来ています。)
2回目の手術後、血検の結果も悪く、「今年いっぱいもつか…年は越せないだろう」と言われましたが、現在までそこそこ元気に過ごしていました。
それから暫くは見た目元気に過ごしていたのですが、ここ最近になり血尿が出始めました。掛かり付け医で尿検査を行ったところ、以下の結果が出ました。
【尿定性】尿比重1.03、タンパク質3+、ph6.0、潜血3+、白血球数500
【尿沈渣】赤血球100U/HPF
先生からは「タンパク質・潜血の値が高いのは、腎臓に石がいるから。これ以上しょうもない」と言われ、腎臓が今どういう状態であるのかを診てほしくエコー・血検を希望しましたが、「見ても結果は同じ」と言われてしまいました。
今後、このまま血尿を放置し、衰弱していくしかないのでしょうか。
痛みがあるせいか、音に敏感になり、小さな音でもビクついて隠れます。腎臓の石に対する治療はなくとも、その痛みをとってあげることはできないものでしょうか。