あなたの街の動物病院
Vol.6 埼玉県 みずほ台動物病院
院長 兼島 孝
みずほ台動物病院 埼玉県富士見市西みずほ台1-21-5 tel:049-255-1122
病院のホームページを開く ※外部サイト
みずほ台動物病院を訪ねて
みずほ台動物病院外観
東武東上線「みずほ台」駅を下車して、徒歩3分。住宅街に向かう大きな道路に面して「みずほ台動物病院」は立地しています。平成3年に開業されたこちらでは、兼島院長先生の下、ドクター4名、看護師8名、掃除専任1名のスタッフが年中無休の体制で診療に取り組んでいます。今回は、院長の兼島先生にその取り組み内容について、取材をさせていただきました。
兼島院長先生
一時期、音楽大学を目指し声楽を学んだことも。
昔から動物病院の先生になりたいなぁ、とおぼろげに思っていた。」という兼島先生。幼少を沖縄で家畜動物に囲まれて育った環境もあり、ペットが好き、という思いから獣医師を目指されたそうです。中学校からは東京に移り、高校卒業後、北里大学に入学した先生は「将来、獣医師として“臨床家”になりたい。」との思いで、その前に基礎学問として「微生物の研究」を4年間みっちりと学ばれたそうです。勉強熱心な兼島先生は、北里大学を卒業後、さらに東京大学に進学され、「外科学」を学んで卒業されています。その後、経験を積まれて「みずほ台動物病院」を開業されました。
開業されてからも勉強熱心な兼島先生は、「学生時代に勉強した教科書の情報は時代と共に古くなる。しかし医学や学問はどんどん進化するもので、たくさんの学会に出席して、新しい情報を得る必要がある。」と常に勉強する姿勢を崩しません。「日本獣医循環器学会」「日本比較臨床医学会」「ヒトと動物の共通感染症研究会」など多数の学会で活動をされています。日本獣医循環器学会では、理事という責任ある役職を担われておられます。また、医師との交流に積極的に取り組まれたり、学会での企画や運営を行ったり、専門誌への論文の投稿など、非常に忙しい日々を過ごしておられます。
動物病院のクオリティ
歯科処置の様子
「動物病院にとって、病院スタッフのクオリティ、ホスピタリティの更なる向上が必要である。」という兼島先生は、病院の運営においても素晴らしい取り組みをされています。
1)チーム医療
「業務が忙しい中でも、しっかりとスタッフとはコミュニケーションをとることが大事です。朝は全員で入院から外来までの予定を“申し送り”、夜はドクターと外来カルテの見直しと入院治療計画の“検討会”を行っています。常にスタッフが何を考え業務を行っているのかをお互いに把握しています。」
このような手間のかかるコミュニケーションは最善の医療を目指す上で欠かせないと言い切られます。さらに、「やはり病院経営は一人ではできません。様々な事象において私一人の頭で考えるよりも、全員の考えで取り組むようにしています。スタッフ全員にもチーム医療を常に意識させています。また、私はドクター1名に対し、看護師は2名が理想という考えがあります。ドクターにはドクターの仕事。看護師には看護師の仕事。掃除の仕事は掃除担当。役割分担をしっかりするべきだと思います。例えば「手術室の準備」ひとつをとっても、手術室の準備とは看護師の仕事なのでドクターはするべきではなく、手術室の準備をする時間があるなら参考書を読んでドクターとしての勉強をしてほしいと考えています。」
チーム医療の目的と役割分担が明確に示されています。
2)スタッフ教育
こちらの病院では、ドクターと看護師が自主的に勉強会を開き、プレゼンテーションの場を作るように心掛けているとの事。「他人にどうやって言葉で伝えるかということを考えることが、患者さんにどのように説明をするかということにも繋がります。」さらに、「看護師には定期的にテストを実施してその習熟度を数値化しています。このテストは、ドクターが問題を作成しています。テストの結果は、給与面の査定に反映しています。最も公平で相乗効果を生む環境作りを目指しています。また、各種団体が認可している資格を取ることを推奨しています、資格を取ると給与面でプラスになるようにしています。」と大手企業に負けない教育体制は、私達にとっても歓迎すべき体制であるといえます。
地域への貢献
体験学習中の中学生
兼島先生は、「地域貢献」についても積極的に取り組まれています。地域の約10校の中学校から子供達を受け入れて、体験学習をボランティアで実施されています。子供達は3日間「動物病院のお仕事」「動物との触れ合い」「生命の大切さ」を学んでいきます。「最近のバーチャルな感覚が強い子供達には、動物を通して命の温かみを知ってもらいたいと思っています。近頃は学校側からの依頼がすごく多いですよ。」と兼島先生は話されます。私が伺った際にも5名ほどの女の子達が、ガーゼ切りなどの業務を手伝っていました。
ボランティアで保護されたワラビー
また、「野生動物の保護」にも積極的に取り組んでおられます。埼玉県から委託され、年間100匹以上の動物の保護を受け入れています。この「野生動物の保護」に関してはスタッフ全員で取り組んでいます。ちょうど私が取材に行った日は、ワラビーが1頭いました。受け入れた原因は、このワラビーを衝動買いした飼い主さんの家庭で、お子さんがこのワラビーを虐待してしまい、飼い主さんには飼い続けることができず病院で引き取ることになったようです。
取材の最後に
兼島院長先生
そんな先生がここまでやって来られたのも、一番の要因は本当に患者さんに恵まれているとのこと。「信じられない話ですが、開業してから今まで患者さんとのトラブルがほとんど無いんですよ。そんな患者さん達とこの地域に恩返しをし続けたい。今後は、私から若いスタッフにみずほ台動物病院の運営を引継ぎ、より質の高い病院運営を実現したい。」と話されていました。 さらに兼島先生の夢は続きます。
「生まれ故郷である沖縄に、大きな総合動物病院を建てるのが夢です。離島の不便を解消できるようなプランで運営したいと考えています。故郷に錦を飾るためには、自分の器を整える必要があると考えています。他人から認められるような更なる資格です。2006年2月には小動物歯科研究会の認定を受けました、また6月には日本獣医循環器学会の獣医循環器認定医も取得しました。これらはどれも全国でも30名弱の狭き門です、次は最難関の獣医学博士でしょうか。獣医学博士が取得できたら沖縄に行っているかも知れませんね(笑)」兼島先生の新たなチャレンジを大いなる期待と共に見守らせて頂きたいと思います。近い将来、沖縄に取材に行く事をお約束して取材を終えました。
獣医師への質問はこちらから
獣医師に質問する(無料)質問を探す
質問者からの声
関心の高い質問ランキング
- お知らせ
-
- 2024.11.20