井上 平太 先生からの回答
心中お察し申し上げます。私はここ数年立て続けに父を亡くし父の忘れ形見の飼い犬を亡くし開院以来ずっと一緒だった黒猫を亡くし(私の写真に写ってます)・・・そんな獣医師の言葉として受け止めてください。
当たり前の事ですが、すべての動物は死に向かって生きていきます。人間でも動物でも長いか短いかの差はあってもそれは同じです。時計の針を逆に戻すことはできないわけですので、これを前向きと言うのであれば前向きの治療はございません。ある意味、全ての治療が延命治療であると思います。そして全ての治療が前向きだと思います。
そういった中で、この子と飼い主の方にとって何が一番前向きな治療なのかを一緒に考えていきましょう。
今までの経験から動物は人間と異なりどんなに辛くても死期が近付いても一生懸命生きようと努力していると思えます。よく、死ぬときは飼い主から去るというのは嘘です。辛いから静かな場所で安静にしようとして、そのまま動けなくなっただけだと思います。
ドンちゃんも飼い主のそばで1時間でも長く一緒に過ごしたいと思っているのではないでしょうか。ですのでこれを目標に考えた場合、おのずと答えは見つかる事と思います。入院は論外であることは間違いないでしょう。これで延命しても意味はないと思います。
病院にいる時間を少しでも短くして効果を上げるためには、皮下点滴を近所の病院で受けるのが一番です。もしできるのであれば毎日か一日おきが良いと思います。2日以上にわたり必要な水分や電解質や糖分を1回の皮下点滴で入れるのは困難です。ですので週に3回以上が理想です。ただし、点滴を非常に嫌がり、力を振り絞って抵抗する場合には勧められません。
おそらく口の中に物を入れたり食べ物の匂いを嗅ぐだけで気持ちが悪くなる状態だと思われますので、本人が欲しがらない限りは食事を与える必要はないと思います。
あとは必要があれば鎮痛剤やステロイドなどを注射で投与して頂ければ良いのではないかと思います。
最終的に何が一番良いのかは、今まで一緒に連れ添った飼い主の方にしかわかりません。後で後悔しないように、ドンちゃんが飼い主の方と良いお別れができるように頑張ってください。
好きなテレビを見ながらウトウトするように・・・日向ぼっこしながらつい寝てしまうように・・・大好きな飼い主と遊んでいる夢を見ながらお迎えが来る事をお祈り申し上げます。
その日が来るまで、どうぞお大事にしてください。そしてビクビクしないで穏やかに見守ってあげてください。人間の赤ちゃんと同じで母親の不安な表情は見破られてしまいますよ。飼い主の方もお体を壊さないようにしてください。ドンちゃんが悲しみますよ。
2009/09/21 01:19 参考になった! 0
投稿者 どんぱお さん からの返答
今日の23時頃、ドンは旅立ってしまいました。
ただ、旅立つ1時間ほど前から
調子がすこぶる悪そうなのに気付いたので
腕枕をしてずっと頭と背中を撫でていました。
最後は少し苦しそうな息をふっと吐いて
全身から力が抜けたので、旅立ったことがわかりました。
最後の最後に、ありがとうとお礼を言えましたし
私の腕の中で静かに眠るように旅立ちました。
最期の瞬間は私にとって贅沢すぎる状況で
井上先生のお言葉がなければ、こんなにすっきりした気持ちになれなかったかもしれません。
本当にありがとうございました。
2009/09/28 01:19
乳腺腫瘍のその後
はじめまして。MIXの猫(9歳)と暮らしております。
昨年の12月に乳腺腫瘍が発覚し、手術で片側の乳腺を取りました。
2月に反対側にも少し転移が見られたので、そちらも手術で取りました。
脾臓にも脂肪細胞腫だと思われる腫瘍があるとのことでしたが
脾臓は急いで処置しなくても良いとのことで
術後は1ヶ月に1度の血液検査→抗ガン剤服用をしておりました。
8月半ばぐらいから脾臓の腫れが大きくなってきて
同時に極端に体力が落ちたようで、高いところに登れなくなりました。
9月に入ってからは、高いところに登るのはおろか
4畳半の部屋を横切るだけでも、途中で休憩するような状態です。
食事は9月に入ってからは、ほとんど取らなくなり
水もあまり飲んでくれなくなりました。
そもそもかかりつけの獣医さんがいて、そちらでは乳腺腫瘍がわかったときも
自壊するのを覚悟で、手術をしないことを勧められました。
納得がいかず腫瘍専門医の先生に手術をしていただいたのですが
今の状況になって、専門医の先生のところは遠いので
ストレスになるかと思い、通院はしておりません。
かかりつけのお医者さんのことも信頼はしていて
両方のお医者さんが顔見知りということもあって
どちらとも上手くおつき合いさせていただいてきたと思います。
先日、かかりつけの獣医さんで皮下点滴をしていただいたのですが
状況はあまり変わらず、黄疸も出ています。
今の状況で私がウチの子にしてあげられることは何でしょうか。
かかりつけの獣医さんでは、もう少ししかもたないので
一緒に過ごしてあげることが大事だと言われました。
言い方は悪いかもしれませんが、彼女に無理はさせたくありません。
遠い病院へ通って、入院などして 1ヶ月寿命が延びるぐらいなら
家でゆっくりさせてあげる2週間のほうが良いと思っています。
ただ、このまま徐々に衰弱していく彼女を見るだけではなく
こういう風にご飯をあげてみたら、や
皮下点滴はこまめに行くといいよ、など
何かアドバイスがいただけないかと思い書き込んでいます。
レトルトのムース状のキャットフードも
最初はお皿から、次はスプーンに移して口元に
最後は指に塗って舐めさせる、という方法で食べていたのですが
最近はニオイをかぐだけでもイヤなようで、口元に近づけると
重い体をひきずりながら、遠くへ去ろうとします。
お水は水入れの前でしばらく箱座りして眺めているときもあるのですが
ほとんど自分から飲もうとはしません。
おしっこは濃く黄色いおしっこで、トイレまではもちません。
今は寝床の近くに専用のバスタオルを置いてあげていて
そこでならおしっこをしてくれます。
ウンチはたぶん、もうずいぶん出ていないと思います。
どうも体が熱いのか、フローリングや濡れていないお風呂場の床に
体を横たえていることも多いです。
2度の手術をするまでは7キロ近かった彼女は
手術後、いったん回復したときは6.5キロに
今は(先週の土曜日 9/12に点滴をしたときに計測しました)
5.4キロになりました。
お腹が膨らんでいる(多分腹水がたまっているだろうとのことでした)ので
背中やお尻はガリガリになってきて
骨のラインが毛のうえからでも見えるようになってきました。
いつ彼女の命の火が消えるのか、毎日びくびくしながら暮らしていますが
仕事も自由になる身ですので、自宅での勤務に切り替え
いつもそばにいられるようにしています。
重い体をひきずって、1日のうちに1度か2度
撫でて欲しそうにすりよってくるので、撫でてあげると
日によっては喉をごろごろ言わせて気持ちよさそうにしてくれます。
諦める、というわけではありませんが
前向きな治療も、今では彼女にとってストレスを与えるだけのような気がするので
無理をしすぎないよう、でも彼女の苦痛を少しでも楽にしてあげられるよう
何かアドバイスがいただけると幸いです。