井上 平太 先生からの回答
今晩は。
すべての薬に副作用はございます。そういった中で確かにフロントラインは副作用の非常に少ない安全な薬と言えます。
しかし、副作用は無いかと言えばそういう訳ではございません。局所の発赤・痒み・などの炎症反応が起きたり、沈鬱・流涎・嘔吐などの有機リン系統の薬で起こる副作用が出ることも経験しております。
ですので、心臓病や腎臓病などの慢性疾患の治療薬なら別ですが、一時的に用いる治療薬とあえて同時に使わない事をお勧めいたします。たとえば抗生物質による治療中にフロントラインを使用すると発現した症状が抗生物質の副作用かフロントラインの副作用かわからなくなり、飼い主にとっても動物にとっても不利益な事になるでしょう。
この薬は構造上一部は血中に吸収され全身に移行するはずです。ただしその量が非常に少ないという事です。ほとんどが皮脂腺に貯留すると認識頂いて差支え御座いません。
当院では慢性疾患の子には食欲や元気に問題がなければ薬の内服中でも使って頂いております。しかし、感染症や手術直後などで投薬中の子には延期して頂いております。フィラリア予防薬やワクチン接種とは1日ずらして投与する事を指示しております。
お大事にしてください。
2010/04/28 00:58 参考になった! 0
フロントラインについて。
初めまして、フロントラインについて疑問に思ったので、書き込みさせて頂きます。
フロントラインは皮脂腺に蓄えられる為、血中に入らないという意味で安全性が高いというお話を拝見した事があります。
また、主成分のフィプロニルは節足動物に特異的に作用するので、哺乳類には毒性がとても低いのだという事も聞いた事があります。
それでは毛根に炎症を起こしたりする危険性は、いかほどなのでしょうか。また、そうなった場合はやはり『個体差』という事になるのでしょうか。
あと、例えば何かの内服を頂いた際、犬の体調が良いのであればフロントラインの投与と同じ時(日)に服用させても大丈夫という答えが返って来ますが、大丈夫だという理由が知りたいです。
フロントラインは他のお薬と違って肝臓で分解される訳ではない為、まったく別物であり負担が少ないという意味なのでしょうか?
詳しく教えて頂ければ嬉しく思います。お願い致します。