是松 壮一郎 先生からの回答
こんにちは、h-muraさん
腎不全の診断を受けたmoppun君、心配な事と思います
早速ですが、ご質問にお答えします
まず、輸液の必要性について。
慢性腎不全という病気は、進行性の病気です。
徐々に腎臓の機能が損なわれていく事により尿として代謝されるべき有害物質が体の中に溜まっていきます。
そして溜まった有害物質はさらに腎不全を進行させてしまいます。
輸液は生き残っている腎臓組織を助け、尿を生成しやすくし、老廃物をなるべく外に出すための方法ですので、出来るだけこまめに続ける事がmoppun君を助けてくれます。
輸液を始めた当初、目に見えて元気が戻ってきたのに、最近はどうも反応が悪いような気がするというのは、腎不全が進んできている可能性もありますが、逆に習慣的になった輸液に体が慣れてきてくれたのかもしれません。(薬が効かなくなってきたというわけではなく、体の反応がゆるやかになってきたという意味です)
心配であれば、一ヶ月を待たずに治療開始から2週間位のところで血液検査を希望してもいいと思います。
次に食事ですがたんぱく質の制限は必要ですが、さらにそのたんぱく質の質の問題がありますので市販品は避けた方が無難です。
(質がいいたんぱく質というのは、利用効率のいいたんぱく質という意味です)
また、リンやナトリウムの制限等を考えると処方食を食べてもらうのが一番いいとなります。
方法の一つとして、日本全薬からビオという、腎疾患があっても使える食欲増進剤が最近出ていますので、こういったものを利用するのもお奨めしています。
ここからは私個人としての考え方ではありますが、「おいしいもの、食べたがるものを食べさせてあげたい」とおっしゃる飼主さんの気持ちもわかります。
「闘病」という概念の無い動物にとって、食欲の進まないものを食べさせ続ける事に疑問を持たれる方もいらっしゃいます。
最終的な手段として、食事制限を解くこともあります。
ただ、その最終判断をするのに急ぐことはありません。
いまからmoppun君と過ごす日を考えながら一番いい方法をとってあげてください。
参考になれば幸いです。どうぞお大事に。
2010/07/28 18:12 参考になった! 0
投稿者 h-mura さん からの返答
お忙しい中、素早い回答に感激、何よりも感謝しております。
輸液についての丁寧な説明、ありがとうございました。
ほんの10分のことでも苦痛になっていないか?心配ばかりでしたが、
出来るだけこまめに続けることがモップンの助けになっていると教えて頂き、
私自身、落ち着くことが出来ました。
モップンと一緒に頑張っていこうと思います。
食事についても悩みはつきませんが、
カリカリだけは療法食でも少し口にしてくれます。
大好きな缶詰をどう諦めさせるか・・・まだ結論は出ない状況です。
是松先生の「最終判断をするのに急ぐことはありません」の言葉。
ありがたかったです。
辛い闘病でも、すこしでも長く時間を共にしたいと願っています。
今回は本当にありがとうございました。
2010/08/04 06:12
岩田 賢一 先生からの回答
はじめまして
1.慢性の腎不全は常に脱水症状にあります。ゆえに常に
体の水分量が不足ぎみになりますので点滴は有効です。
(脱水症状かどうかは皮膚をつまんですぐ元に戻るようなら
大丈夫です。)
しかし自宅での点滴内容がソルラクトのみと腎臓の
薬(活性炭)を飲んでいるだけでは足らないです。
血液検査で肝臓の数値が高いので肝臓の薬も飲まなく
てはなりません。飲めなければ点滴の内容に肝臓の
薬をソルラクトとともに入れてもらう方法です。
詳しくは獣医師に相談ください。
2.食べなくては何もなりませんので現状の食べるフードを
食べさせてください。そのフードが進行を早めてしまう成分か わかりませんが何も食べないよりはましです。食べなければ
自己抵抗力も落ちて内臓機能不全になります。
現在腎不全を発症している場合も市販品のフードが必ず
その症状の進行を早めてしまうわけではありません。
市販品でも腎臓のケア用のあるいは予防用のドライフードが
でております。それらは大丈夫だと思います。
最後にあなたは十分このこにたいしてやれることはしてあげている
のでこのこもきっとあなたに対して感謝していると思います。
悲観する必要はありませんよ。
2010/07/28 18:19 参考になった! 0
投稿者 h-mura さん からの返答
岩田先生
お忙しい中、早々の回答に感激、何よりも感謝しております。
現在自宅輸液の処方のみで、腎臓の薬(活性炭)は飲んでいません。。
主治医から説明は受けましたが処方されておらず、次回通院の際に聞いてみようと思っていました。
その時に併せて肝臓の薬もお願いしようと思います。
やはり肝臓も問題なんですね。
食事については、今は体重の減少が恐ろしくて療法食カリカリ少量と市販の缶詰を食べさせていますが
私の選択が進行を早めているんじゃないかと思えて、なんとも苦しいです。
もう少し体重が安定し食欲も回復してから、ちゃんと調べて方向を決めなくては、と思っています。
最後の優しい言葉、ありがとうございました。
そうであってくれたら嬉しいです。
moppunと一緒に、明るい顔でまだまだ頑張ります。
大変お世話になりました。
2010/08/04 06:19
腎不全の猫と暮らすこと
はじめまして。
今年14歳になる雄猫についてアドバイス頂きたいと思います。
今年1月に主治医のもとで血液検査、レントゲン、エコー。
3月に吐き気が続いたことに不安を覚え、再度病院でエコー。
その2回とも身体の異変は無いと診断されました。
血液検査の数値も1月までは問題なかったのですが、
7月上旬にワクチン接種を兼ねて健康診断して頂いた時、触診にてすぐ異常が発覚。
すでに腎臓のひとつは小さく萎縮、そのためなのか残った片方が肥大していると言う状況でした。
7月の血液検査の結果はBUN 56.3、CRE 3.2、ALT 214、AST 110。
体重も1月は4.8キロだったのが、3.75キロに激減していました。
腎不全の治療は食事療法、活性炭、点滴(輸液)が中心と分かってはいますが、療養食は何度も試しても、ほとんど食べてくれません。
今はとにかく体重を増やして欲しくて、市販の缶詰やパウチの成分表を片っ端から調べながら少しでもタンパク質の%が少ないものを・・・と購入しています。
それでも一度にたくさんは食べられず、1.2時間置きに少しずつ食べさせています。
現在の治療方法は毎晩自宅での皮下輸液(ソルラクト150ミリリットル)です。
温和しい子なので、輸液の間もじっと我慢してくれますが、毎晩背中に針を刺すのは、さぞ痛いだろうと涙が出ます。
輸液開始後最初の一週間で体重は200グラム増えましたが、まだ血液の状態は安定していないからと言われ、その時は血液検査はせず、まず一ヶ月毎日の輸液を続けてくださいと指示されました。
その他の処方薬はありません。
輸液の即効性は確かに始めた当初は感じました。
元気が出るというか、食欲も戻っていたように感じます。
しかし2週間を過ぎると、その変化もあまり感じられず終日同じ場所で寝続ける日が多くなりました。
以上の状況から、2点質問させて頂きたいのですが、
1.輸液の即効性を感じたからこそ、これを毎日続ける意味を教えてください。
素人考えですみませんが、本当に辛いときに輸液にすがって反応できる身体でいて欲しいと思います。毎日の輸液でその即効性が薄らぐことはないのでしょうか?
現在の血液検査数値で、毎日の必要性が第一なのでしょうか?
輸液を一ヶ月続けることで必要な水分量が体内に行き渡り、血液の数値の改善が見られるのならば嬉しいのですが。
2.療法食を食べない場合の病気の進行について、教えてください。
腎不全用の療法食、カリカリ3~4種類を用意してなるべく飽きないように工夫していますが、もともとカリカリがあまり好きではなく食べてもほんの少ししか口に入れません。療法食の缶詰は全滅です。
これからも食べられるものを少しずつあげることしか出来ないと思いますが、現在腎不全を発症している場合は、市販品はその進行を早めてしまうものなのか教えてください。
体重の変化など、もっと早く自分が気が付いてやれば良かったと、情けなくて泣けてきます。
同じように悩んでいる方々の質問も参考にさせて頂き、出来る限りのことはしてやりたいと思っています。
少しでも長く一緒にいて欲しいです。
長くなってしまいましたが、どうぞよろしくお願いします。