だいじょうぶ?マイペット

椎間板ヘルニア

質問カテゴリ:
その他

対象ペット:
/ ミニチュアダックスフンド / 性別不明 / 年齢不明

質問者:
福島県 / novayanさん

 
2006/02/02 12:12

先週の金曜の夜、ウンチをした後から徐々に下半身が麻痺していって翌朝には後ろ足が動かなくなり病院に連れて行きました。背中の痛みはないようで元気はあるし、排泄もでき、後ろ足の指の間をつねると痛みも感じるようでした。ただ、足の甲をつけても反射的にもどらず、地に足をつけようとはしませんでした。獣医にはヘルニアの疑いがあると言われました。外科的治療と内科的治療があり、どちらも確率的には50%と言われ、負担も少ないステロイド注射を打ちながら内科治療をすることになり10日間の入院となりました。毎日ファインの様子を電話で聞いていますが、元気はあるけどあまり変わりはないようです。内科治療の後で外科治療をおこなっても、もう遅いのですか?ヘルニアの場所が特定できないようなことを言っていたので、多分、田舎なので医療器具がそろっていなくて内科治療を進められたような気がします。

飯田 恒義 先生からの回答

 椎間板ヘルニアの治療法は、症状のグレードで決めるべきです。固有知覚反応は無いようですが、歩き方や反応はいかがなのでしょうか。神経学的な検査は行なわれたのでしょうか。
 グレードか軽ければ内科療法、重度であれば外科療法になり、内科療法を行なっても、効果が無ければ外科療法を行ないます。
最近はかなり重度の症例でも、内科療法で効果が上がるようになってきました、ステロイド剤でも、薬剤により効果が異なります。
 同じような症状であっても、病気が違うことがありますので、確定診断は造影レントゲン検査、CT、MRIなどが必要ですが、これらの検査には麻酔が必要になりますので、通常は内科療法を実施する場合には、行なわれないことが多いと思います。
 

投稿者 novayan さん からの返答

ご回答ありがとうございます。内科治療でも効果が上がるようになってきたと聞き、少し気持ちも落ち着きました。今後の様子をみながら検討していきたいと思います。ありがとうございました。

ダックスでは避けて通れない病気ですね。
久しぶりに回答します。今本です。
さて、ダックスのヘルニアの際には、以下のようなグレードわけをおこないます。参考にしてください。


胸腰椎の椎間板ヘルニア症例のグレード
Grade 1 ------- 痛みのみ(歩き方に若干違和感?程度)
Grade 2 ------- 運動失調、固有知覚の欠損、不全対麻痺、負重可能な運動機能あり
Grade 3 ------- 対麻痺、負重可能な運動機能なし、随意運動の消失(2・3は、内科治療でも反応がいいです。)
Grade 4 ------- 対麻痺、蓄尿と尿漏れ、表在痛覚の消失
Grade 5 ------- 対麻痺、蓄尿と尿漏れ、深部痛覚無し

このような基準があります。
ファインがどのような状況であるかは、私は診療していないのでわかりかねますが、担当の先生にお聞きされてみればいいと思います。さて、回復の度合いについてです。

回復率 (%)(回復とは歩行可能という意味)
grade     内科療法   片側椎弓切除手術(手術)
Grade 1      85         95
Grade 2      84         95
Grade 3      80         90
Grade 4      50         85
Grade 5 (<48Hr)  7         50
Grade 5 (>48Hr)   6

で、グレードの5の<48とかいうのは、48時間以内の手術についてです。深部の痛みを感じなくなったら、ひじょうに危険です。実際何件か経験しています。内科では回復の見込みはほとんどありません。ただ、注意してもらいたいのは、内科療法で、85%という回復率でも、15%は、歩けるようにならないということです。その際には、何か神経に原因があるかもしれません。

さて、回復までの時間です。
回復まで何週間かかるかというものです。


回復までの時間 (週間)
grade       内科療法   片側椎弓切除術
Grade 1       3       データなし
Grade 2       6       データなし
Grade 3       9        1
Grade 4       12       2.5
Grade 5 (<48Hr)  N/A        3
Grade 5 (>48Hr)

以上から、一般的に絶対的な手術適応はGrade 4とGrade 5の48時間以内の場合で、Grade 3 は場合により手術適応となります。

これらを見比べながら、主治医の先生は、判断されたのだと思います。

ただ、CTやMRIなどの検査を行わないと、症状がヘルニアと同じである病気もあります。神経がやられてくるような病気ではそうです。その際には、麻酔をかけて造影剤を流したり、脊髄液を採取した細胞検査などを行うこともあります。

また、手術をおこなっても神経自体が壊死していたり、神経が細くなっていて、回復の見込みがないということだってあります。
手術したからといって必ず回復するともいえませんし、ひじょうに説明の難しい病気です。

ヘルニアの場所の特定には、麻酔を必要とした検査が必要となります。麻酔のリスクや検査のリスクを考えると、グレードによっては内科治療を優先させます。内科治療で反応が悪ければ、すぐに手術をするという方法も悪くはないです。しかし、グレードが5になると、48時間以内に手術をします。この辺まで来ると手術をするかしないかでひじょうに回復度合いに差が出ています。

私の病院も田舎です。田舎だから医療機材がそろっていないと思われるのは少し悲しいです。

おだいじに。

投稿者 novayan さん からの返答

ご回答ありがとうございます。とても参考になりました。今後、様子を見ながら検討していきたいと思います。田舎だからと決め付けてはいけませんよね。すみませんでした。

外科的治療方法は、時間の経過と共に治癒率は低下します。また、進行がここで止まるという保障もありません。ここに書いてある症例は、外科的処置を選択すべき症例だと思います。ここから外科でここから内科という、はっきりしたラインがあるわけではないのですが、進行が急性で、しかも疼痛よりも麻痺が主体であることと、ステロイドに反応が悪いことからです。
医療器械よりも、造窓術の経験があることが重要だと思います。
本来は麻酔下で脊髄造影を行い、そのまま手術してしまいます。
もう1週間経過していますので、なんともいえませんが、今後膀胱や腸管の麻痺が起こってゆく可能性が高く、そうなると致命的になります。

投稿者 novayan さん からの返答

ご回答ありがとうございます。選択ミスだったのかもしれませんが、今は内科治療中なので見守るしかないですよね。今後、様子をみながら外科治療も考えてみます。ありがとうございました。

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