飯島 治 先生からの回答
微妙な問題ですね.
現在私が使用しているワクチンの能書(薬物の使い方の基準が書いてある文書.製薬会社が作成するが,御上の検閲済み)には,初回のワクチン接種に関してはハッキリと「2回」と書いてあります.従って,私は特別な理由がない限り,3回目の接種を希望される方には,理由を説明してお帰り頂きます.無駄にお金を使わせてしまうことになりますからね.
ただし,「3回接種」の元になっている考え方もある程度想像できますし,必要だなと思った場合は,説明をした上で接種することもなくはありません.
ワクチンは生ものです.同じように製造しても,ロットごとに微妙に違いますし,場合によっては期待したような性能を発揮できずに(試験的接種で抗体価が上がらずに),製造後破棄しなくてはならないような場合もあります.難しいんです.なにしろ,発症はしないように工夫してありますが,もとはウイルスや細菌(の一部)なんですから.
で,7種,9種などという混合ワクチンになってくると,すべての種類の坑体が均一に上昇する,などということも,まあ,あり得ないんです.ある種の病原体に対する坑体は産生されやすいのだけれども,違う種の病原体に対しては抗体価がなかなか上がらない,というようなことは,むしろ自然なことだと私などは思います.
このあたりが,場合によっては3回接種説の論拠になっているんだと思います.ワクチンは様々な会社が毎年のように改良を重ねていますが,すべての会社が同じウイルス株を使って全く同じ方法で製造しているわけではありませんから,当然製品によって目的となる抗体価の上昇に差が出てきますよね.それと,実際に過去に生じた病気の流行時の経験等から様々なことが言われるようになったのではないでしょうか.
もしあなたが,ブリーダーでなく,近所に放置されたかわいそうな捨て犬を沢山保護しているわけでもなく,家の周辺に野良犬や野良猫(キャリアになる)やオオカミやコヨーテがウロウロしているわけでもなく,更にはご主人かご子息か同居人が勤め先で犬の病原性微生物を大量に扱っているのでもなく,極一般の家庭で衛生的な環境を仔犬に提供できるのであれば,大抵はワクチンの初回接種回数は2回で充分のはずです.
ただし,プロ(ブリーダー,ケネル)の方や近所で最近犬の感染症が集中発生した,などという場合は,条件によって考慮すべきかもしれません.
生ワクチンを含む混合ワクチンの接種が終わったら,1ヶ月以上間隔を開ければ狂犬病ワクチンの接種が可能です.
顔をかいたり目が腫れたというのでしたら,たぶんそれはムーンフェイスでしょう.ワクチンの副作用の一種です.初回から発症することもあれば,10年間無事で11年目に発症することもあります.前もって予想することはできませんが,一度発症した仔は次も発症する可能性が非常に高いので,獣医さんと相談して見ることをお勧めします.薬でコントロールすることが十分可能です.
2006/08/07 13:47 参考になった! 0
投稿者 るーくmama さん からの返答
ご返答ありがとうございました。
>坑体が均一に上昇する,…~…あり得ないんです.
>当然製品によって目的となる抗体価の上昇に差が出てきます…
そうなんですね…。納得です。
>大抵はワクチンの初回接種回数は2回で充分のはずです.
ワクチンの回数については 正直迷う所です。
飯島先生だけにご返答頂けていたら迷わず このまま 時を待ち狂犬病ワクチンを接種する所なのですが。
考え方 というよりは 犬の条件により、と考えた方が良いのでしょうか。
>たぶんそれはムーンフェイスでしょう…
目が腫れたのは 副作用だったのですね。
元々 食物アレルギーがある子なので やはり最初から考慮すべきだったと 後悔しました。
何も知らないで 獣医さん任せにしすぎてもいけないですね。
本当に勉強になりました。
ありがとうございました。
2006/08/14 01:47
北森 隆士 先生からの回答
最近、2回打ちで良いなどというワクチンもあります。
ワクチンによっては、パルボの部分は、ままそれで良
い場合もありますが(移行抗体の影響を無視できると
言う意味です)、ジステンパーの部分は、3回打っても
上昇していない事もあります。副作用のことを除けば、
かならず3回打ちが必要です。
<1回目の摂取で何も無くても、2回目に副作用が
<出るといった事はありますか?
あります。その日の体調によっても出るときと
出ないときがあります。
もしワクチンアレルギーが出たならば、
抗体価を計って、上がっていれば、ワクチンを回避
する。副作用の発現が少ないと言われているワクチン
を選ぶ。抗アレルギー薬を接種してからワクチンを
接種するという方法で対処します。
2006/08/07 16:06 参考になった! 0
投稿者 るーくmama さん からの返答
ご返答ありがとうございます。
>ジステンパーの部分は、3回打っても 上昇していない事もあります。副作用のことを除けば、かならず3回打ちが必要です。
そうなんですね…。勉強になりました。
もし、ジステンパーだけを重要としたら ジステンパーだけのワクチンというのは存在するのでしょうか?
また、今の段階で抗体価を計り、足りない所のみを補うといった事は可能なのでしょうか。
それとも 普通に考えて 抗アレルギー薬を接種してから同じものを3回目に打つべきなのでしょうか。
これまで2回打ったワクチンは ユーリカン7というものですが、二回目のワクチンを打った後、10分後に吐いて その晩に目が腫れたので このワクチンに対してとてもマイナス思考です。(Mダックスの死亡例も1例ありましたし…)
質問で返してしまい 申し訳ございません。
いずれにしても 一度 抗体価を調べてみようと思っております。
2006/08/14 04:06
伊東 彰仁 先生からの回答
ワクチンの回数は、特に決まりはありません。自分の免疫を作る能力が成立する生後7週齢あたりから開始して、親の移行抗体の切れるとされる最長値の生後17週目まで最低2回以上行います。6週以前にワクチンをしても、まだ自分で免疫を作る能力に乏しいため免疫は出来にくいし、それだけではなく、あとから接種したワクチンの免疫も出来にくくなる可能性もあります。
通常うちでは、感染リスクの高いケンネルや流通過程においては、3週毎の追加をしていますが、個人のオーナーに渡ってからは、5週ごとの追加をしています。
またワクチンアレルギーは、2回目以降のほうが起きやすいですし、写真から見てみると、どうやらそのようです。
ワクチンをうたなければ、予防できませんので、アレルギーに悩まされずワクチン接種の出来る方法を獣医師と相談してみてください。
2006/08/07 18:02 参考になった! 0
投稿者 るーくmama さん からの返答
ご返答ありがとうございました。
二回目以降に副作用がおきやすいとは…
知らなかったので 犬に申し訳ない気持ちです。
>ワクチンをうたなければ、予防できませんので…
そうですね! 飼い主がしっかりしなければ!
ただ、ワクチンの回数ですが(返答が遅くなってしまった原因でもあるのですが)今回 3人の獣医さんにご返答いただきましたが、三者三様です。一概には言えない ということでしょうか。
正直、迷いは少しあります。 が、抗体価を計って頂こうかと思っています。
子供の頃に飼っていた犬をジステノパーで亡くしており、私自身、少し神経質になってはいると思いますが…。
>最低2回以上行います。
決まりがないとは 思っても見ませんでした!
相談しつつ 考えてみます。
とても参考になりました。
ありがとうございました。
2006/08/14 06:02
ワクチンの回数
現在混合ワクチンを二回接種しましたが 本により、回数がマチマチだったので質問させてください。
ネット等で調べると 抗体が出来ていれば問題ないというのはわかりましたが 念のため三回目を摂取した方がいいのか迷っています。
それとも 狂犬病の注射を優先させるべきなのでしょうか。
また、二回目の注射をした日にひげも一緒に切ってもらいました。その夜 顔を掻いていましたが『ひげが無いのが気になるのだろう』くらいにしか思いませんでしたが 目が腫れたのが気になりました。朝には引いて 現在もなんとも無いのですが 副作用なのか 引っかいたものなのか はっきりしないままです。1回目の摂取で何も無くても、2回目に副作用が出るといった事はありますか?