伊東 彰仁 先生からの回答
おそらく病原性のカビという言い方をされていないので、マラセチアだと思います。健康な皮膚でも多少は存在する酵母の一種です。問題なのは大量というところで、おそらく皮膚の抵抗性が低下して皮膚バリアが消失したことに起因しているものだと考えられます。
今のままの治療ではいたちごっこで、同じようなことを繰り返して、次第に悪化してゆくのではないかと思われます。
まずはベースにある皮膚バリアを消失させている原因の皮膚病を調べるべきです。
皮膚病の検査は、病院により異なっていると思いますが、うちでは次のようなスケジュールで行っています。
1:皮膚セロテープ染色
2:抜毛検査
3:皮膚掻爬検査
4:真菌培養(真菌、酵母の同定まで)
5:特異的IgE抗体検出による、アレルギー検査(各項目)
6:血液性化学検査(項目ごと)
7:血液塗抹染色(血球像、百分比)
8:ホルモン検査(各項目)
9:パンチバイオプシー
現在のところ、1~4まではルーチンで行っている検査で、必要に応じて5以降の検査をしています。
しかし、以降の治療や誤診を防ぐためにも、5~7はルーチン化しようと考えています。
この仔の場合も、シーズーはアトピー好発犬種ということを考えれば、7までは必要かと思われます。
皮膚病は、獣医師でも見た目診断は避けるべきです。
むしろ経験上分かったという場合は、改めて検査をして裏づけを取るべきです。
2006/12/11 20:15 参考になった! 0
投稿者 さん からの返答
有難うございます。とても参考になりました。回答を頂いて今のままではいけないと実感。もう一度違う病院へ行って検査をお願いしたいと思います。本当に有難うございます。
2006/12/18 08:15
今道 昭一 先生からの回答
痒みを示す皮膚疾患はいくつかあります。
多くの場合、外部寄生虫感染症、微生物感染症あるいはアレルギー性疾患や脂漏症というカテゴリに入ります。
もちろん、それ以外の皮膚疾患もありますが、まずは上記の疾患について評価してあげましょう。
体のベタツキがあり、カビが発生しているというのはマラセチア感染のことかもしれません。
この場合はシャンプーと飲み薬でマラセチア感染を抑えることから治療がはじまります。
しかし、膿皮症を併発していることも多いので、こちらの評価も欠かせません。
そして、シーズーならアレルギー性疾患と脂漏症についてできるかぎり早めに調べるべきです。
また、最近の知見として、過剰なマラセチア増殖はマラセチア自体がアレルゲンとして皮膚症状を悪化させている可能性も指摘されています。
ステロイド剤と抗真菌剤の治療によってマラセチア感染のコントロールがうまくいくことがあることからも、私は上記の考え方に注意しながら治療を進めています。
いずれにしても、マラセチア感染や膿皮症をコントロールし、その後の再発をいかに抑えるかが治療のポイントになります。
また、外耳炎は通院してできる限り耳垢を除去してもらいましょう。
耳垢がたくさんあるところに点耳薬をいくら使ってもほとんど効果は期待できません。
2006/12/11 23:12 参考になった! 0
投稿者 さん からの返答
有難うございます。北海道との事なので、今度お伺いしたいと思います。本当に有難うございます。
2006/12/18 11:12
異常にかゆがる
こんばんは。初めて異常に気がついたのは去年の秋、異常にかゆがり胸の毛が大きい範囲で円形に抜けた時に、動物病院を3件ほどまわり診察していただいたのですが、元々みんな体に持っているカビの大量発生ですとの事。薬とシャンプーで治療との事、その後1年が経ち治療は変わらず、内容もストレスですね。との事。
最近では、体を洗って1週間すると、体がしっとりして、触っていると(なでていると)手がぎとっとした感じで、ところどころが赤い湿疹みたいなものができ、脇の下に赤く3センチくらいの内出血が出来ました。
耳の中も異常にかぶれがっさがさで皮がむけたと思えば、耳垂れの固まりが異常に出ていて臭かったり、、、、。
かゆみ止めの薬と抗生物質のくすり。シャンプー緑色のだったり白い色だったり、、、。変わらない治療。
日に日にひどくなっているのは確かで、今では毎日体をかきむしり、なめまわし、体がべちゃべちゃになりなめた部分(お尻周り)の毛がなくなり2ヶ月くらいすると毛が再生して生えてはくるのですが、、、。
このままの治療でいいのでしょうか?
何か他に原因は無いのでしょうか?
教えて下さい。