北森 隆士 先生からの回答
(私は、自身のことを、一般的な、普通の町医者だと思っていますが)、質問の内容にとても驚きました。
>これは明らかな医療ミスではないですか?
私は法律のことは無知なので、あくまで参考程度にお聞き下さいね。
人間の医療は、半分以上が税金で行う保健医療なので、医者の個人的なやり方はある程度制限されています。これに対して、獣医医療は、飼い主と獣医師の契約による自由診療です。さて、そのような状況下で、『明らかなミス』の定義が非常に難しいと思います。
避妊手術は、
その名の通り『避妊』を目的とする手術ですから、子宮が
摘出されていれば、その目的を達成したことになります。
つまり、今回の手術は、避妊自体で言えば、子宮が摘出
されていれば、『明らかなミス』ではないのかもしれません。
しかし避妊手術は、おそらく大半の獣医は、卵巣子宮全摘出術で行います(稀に、卵巣のみ摘出する獣医もいるようですが)。
もしその先生が、自身の経験や、最新の考え方(私はそうは思いませんが)で、まだ汎用されていない術式を採用されるのであれば、その事を十分飼い主に伝えるべきで、そういう意味では、『医療ミス』かどうかの法律論は分かりませんが、手術前の説明不足だった可能性は否定できないと思います。
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しかし、とても不思議なのは、どうして片方の卵巣だけ
摘出したかです。両方残す事と、片方だけ残す事と、
本当に、何が違うのでしょうか?
片方の卵巣を残こしても乳腺腫の発生を予防でき、
かつ、片方の卵巣を残す事によって、更年期障害?
の発生も予防できるという・・・・・という観点
からの手術だったのでしょうか?
ちなみに
ヒトでは、精神的な問題、倦怠感、カルシウム代謝障害などが更年期障害の疾患として注目されていると思いますが、これらのヒトの代表的な疾患が、獣医医療現場で、避妊後に注意すべき疾患として、獣医師に認識されている事実はまだ無いと思います。確かに、術後、ホルモン低下による、尿失禁の可能性を大型犬で指摘している論文はありますが・・・(更年期障害って、そのことなのでしょうか?)。
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今回のことは、飼い主さんも本当に驚かれたことでしょうが、
幸いにもチロちゃんは命に関わるようなシビアな状況下
にあるわけではないのですから、もう一度、冷静にその先生の話を聞くべきだと思いますよ。常識的に考えて、片方の卵巣を
摘出できる技術があるのですから、当然、両方摘出しようと
思えば簡単に可能だったわけで、わざと残したのですから、そこには、先生なりの考え方をサポートする何かご自身の研究結果などがあったのやもしれません。
ところで、子宮は摘出されているのですよね?
2007/09/02 19:28 参考になった! 0
投稿者 さん からの返答
丁寧で判りやすく解説していただきありがとう御座いました。
この事を踏まえてもう一度担当医に詳しく聞いてみます。術前の話では全摘出といわれました。ヒートが来た事を告げると片方を残した、と言われました。
2007/09/09 07:28
避妊はしたけど
1歳10ヶ月のヨーキの事で質問させてください。
1歳6ヶ月で避妊手術を受けました。ところが今月20日ごろからヒートが
来てしまいました。獣医に確認した所卵巣を片方残したためといわれました。
せっかく手術するのにそんな事をされても何にもならないです。
両方の卵巣を取ると、人間で言う更年期障害になるので片方を残した
といわれました。これは明らかな医療ミスではないですか?
見解をお願いいたします。