井上 平太 先生からの回答
今晩は。
飼い主の方が認識されておられるとおり、とても重篤な病気です。しかし、乳び胸は病名というよりも結果でございます。原疾患が無いかどうか詳しく調べることが重要です。対症療法としての胸腔内の乳びを抜くことはとても大事ですが、原因がある場合にはそれを治していかなければいけません。
原因としては稀に外傷が原因である事がございますが、腫瘍・心臓病・肺捻転などが原因となる場合がございます。しかし残念ながらかなりの患者さんが原因不明です。
Ⅰ 治療法
①低脂肪食により乳びの発生を抑える。
②原疾患があればそれを改善する。(心臓の治療など)
③肺側の胸膜と肋骨側の胸膜を癒着させて貯留出来なくする。
④開胸して胸管を結ぶ。
⑤その他諸々の手術法。
Ⅱ 家での注意
①安静が第一です。
②必要があれば酸素テントのリースを受ける。
③食欲がない場合には胃チューブを装着して流動食を与える。
④一定以上食欲がなければ入院して輸液療法を受ける。
⑤④に関しては時期を誤ると肝リピドーシスを起こします。
黄疸に注意してください。
Ⅲ 食事について
時間はかかりますがその間何とか栄養状態のコントロールができれば、内科的療法だけで完治することもございますが、栄養不良で衰弱してしまう事も多いようです。
外科的療法も非常に死亡率が高く簡単に進められるものではございません。何しろ慎重に病態を評価し、低脂肪食による食事療法と各種内科的方法と場合によって手術を組み合わせて治療をしていきます。
※乳びの発生部位の特定と手術は、一般的な動物病院では困難な場合も多い事をご理解ください。
お大事にしてください。
2009/07/21 00:42 参考になった! 2
投稿者 ユリア マハリナ さん からの返答
早速のご回答ありがとうございます。
食欲はだいぶ戻り少しほっとしております。
明日第二次医療の病院で診てもらえる事になりました。原因が解ると良いのですが・・・でも解ったからと言って高リスクの手術を受けさせる勇気もないまま途方に暮れる事になるかもしれません。
とりあえず明日の病院とかかりつけの先生と
話しをして治療に向かいます。
ありがとうございました。頑張ります。
2009/07/28 12:42
乳び胸と診断されました
質問させていただきます。6歳オス猫(9キロ)の事です。
数日まえから呼吸が早いように感じていましたが暑さのせいかと思ってました。二日前の夜あまりに胸の動きが大きいので救急病院へ・・
レントゲンの結果「乳び胸」との結果でした。白い乳びを250ccほど
抜きました。しばらく酸素室で安静にさせまだ残っている乳びを抜こうとしましたが暴れてしまい出来ませんでした。
抜いた乳びからは腫瘍はみつかりませんでした。血液検査の結果は少し脂肪肝とか言われました。点滴を入れて治療終わり朝5時帰宅。
朝10時ごろ主治医へ。昨夜より呼吸も落ち着いていたので
レントゲンを撮り薬(利尿剤)を頂きました。食事はいつもの4分の1くらいしか食べませんでした。
翌日(今日)は朝から呼吸も穏やかに感じましたが元気はありません。しかし夕方6時すぎても餌が残ったまま・・(ドライフードを
10~15粒くらいは食べた)(水は少し飲みました)
だったので主治医へ行きました。乳びを100cc程抜き、栄養の点滴をして帰宅。食欲増進剤を頂きました。
食欲増進剤を飲ませても食欲が回復せず普段の療法食を10粒程度食べただけ・・。(ストルトバイトケア)
何でも良いから食べてもらいたくてシーバを買ってきたら1袋食べました。尿結晶出やすいのでこの5年は療法食のみでしたが・・。
この病気は大変だと認識してます。治って欲しいです。
そのために出来る飼い主としての最大限の事がしたいのです。主治医の先生を信頼してますがそのほかのアドバイスも聞き逃したくありません。
1・治療方法について
2・家での注意、観察する点、
3・食事について
など何か専門家としてありましたら。お願いいたします。
とにかく今食欲が無いんです・・。立て続けに病院に連れて行ったストレスからだと思いたいところですが。