だいじょうぶ?マイペット

肥満細胞腫について

質問カテゴリ:
その他

対象ペット:
/ マルチーズ / 性別不明 / 年齢不明

質問者:
神奈川県 / russheさん

 
2012/03/12 18:17

はじめまして。
肥満細胞腫についてアドバイスいただきたいと思い質問しました。

里親になろうとしていた猫に肥満細胞腫が見つかりました。
そのような状況にある中、さらにイギリスに4年間転勤になることが決まりました。
ペット可の物件も見つかり、猫をつれていくことは可能なのですが、
肥満細胞腫という大変な病気の子を、無理やり海外に連れて行くこと
はかわいそうではないか、私は里親を辞退すべきか、と悩んでいます。

そこで肥満細胞腫について、教えていただきたいと思っています。

◆猫ちゃんの状況
・猫ちゃんの肥満細胞腫はまぶたの少し上にある
・1mm程度の小さな白いもの
・猫ちゃんは5歳、雄猫
・1ヶ月前に、赤く腫れ、病院にいったところ「肥満細胞腫」
と診断された。
・目の近くなので、手術できないと言われ、抗ヒスタミン剤を飲んで
 経過を見ることになった
・抗ヒスタミン剤を飲んで1週間ほどしたら、腫れと赤みが消えた
・今は特に抗ヒスタミン剤を飲む必要もないと言われ、何もしておらず
 食欲もあり、非常に元気である。

 

◆質問

・肥満細胞腫が悪化する要因
・イギリスへの長時間フライトや環境の大きな変化によるストレスで、 肥満 
 細胞腫が悪化することはないのか?
・まぶたの上だと、手術で取ることはできないのか?
・赤く腫れるということは悪性なのか?
・抗ヒスタミン剤を飲み続けることで、長く、元気に生きることができるの 
 か?それとも、ある所で抗ヒスタミン剤が効かなくなり、症状が悪化したり、転移したりするのか?
・肥満細胞腫は治らないのか?
・今の状況を踏まえて、里親になるべきかどうか(他の里親を探した方が良いか)

長文申し訳ありません。
お手数おかけしますが、よろしくおねがいします。

はじめまして。京都のかく動物病院、山下かくです。
猫ちゃんの肥満細胞腫ですが、肥満細胞腫というとすごく悪い腫瘍といった印象がありますが、それは犬の場合で、猫ちゃんの場合は犬と比較すると、あまり大きな問題にならないことが多いです。つまり比較的良性の挙動をとるということです。
もちろん悪性の挙動を示す場合がないわけではありませんが。
単一の腫瘍であれば外科的に切除して、その後まったく問題にならないことがほとんどです。また赤く腫れているから悪性とかそういったことはありません。
今回は目の上にできたということですが、まぶたにできている場合、手術をすることによって、まぶたのひきつれや見た目上形がかわってしまいますが、手術ができないことはありません。
ただどうしても目立つ場所なので、手術をせずにステロイドや抗ヒスタミン剤での治療が選択されることも多いですね。
イギリスであれば獣医さんもしっかりしていますし、仮に再発した場合は外科的な切除を検討すればよいのではないでしょうか。
ただ長時間のフライトや検疫がストレスにならないかという問題は肥満細胞腫とは別の問題であると思います。
参考になれば幸いです。

投稿者 russhe さん からの返答

お礼が遅くなり申し訳ありません。
丁寧に回答してくださり、ありがとうございました。
肥満細胞腫、そこまで神経質にならなくても良いのかもしれないですね。
でも、長時間のフライトは確実に猫ちゃんのストレスですね。
猫ちゃんが最も幸せになれる方法をもう一度考えてみたいと思います。
ありがとうございました。

russheさん、にゃんたろうくん、こんにちは。

5歳のネコさんの里親さんになっていただけることをとても嬉しく思います。
また、項目立てていただいたので、ご質問が非常にわかりやすくて助かります。


・肥満細胞腫が悪化する要因
→腫瘍なので、徐々に成長し全身臓器に転移することがあります。
その成長を促進する因子としては、腫瘍一般と同様に栄養素の影響は考えられます。
1mm程度の大きさの腫瘍なので、栄養素の影響がどこまで出るのかはわかりません。
また、肥満細胞腫の特徴として、細胞内にヒスタミンなどの顆粒を持ちます。これは腫瘍細胞を刺激することで放出され諸症状をもたらします。
つまり、しこりのあった部位を引っ搔くことは避けたいところです。

・イギリスへの長時間フライトや環境の大きな変化によるストレスで、肥満細胞腫が悪化することはないのか?
→問題ないと思います。

・まぶたの上だと、手術で取ることはできないのか?
→美容整形のような手技を併用すれば若干の表情の変化はあるかもしれませんが、摘出できることが多いとは思います。
しかし、実際に見てみないと判断できません。
摘出以前に、内臓に肥満細胞腫が転移していないかどうかのチェックが重要です。
もし内臓に転移している場合には、にゃんたろうくんがまぶたの上のしこりの摘出手術を頑張るメリットはないように思います。
逆に、皮膚だけに限られた肥満細胞腫であれば、摘出によって解決します。

・赤く腫れるということは悪性なのか?
→肥満細胞腫自体が悪性腫瘍です。
肥満細胞内にあるヒスタミンなどの物質が放出されることで、炎症が起こり赤く腫れることがあります。
この物質は胃潰瘍やショック状態の原因にもなるため、抗ヒスタミン剤でそれらの症状を予防します。

・抗ヒスタミン剤を飲み続けることで、長く、元気に生きることができるのか?それとも、ある所で抗ヒスタミン剤が効かなくなり、症状が悪化したり、転移したりするのか?
→抗ヒスタミン剤は、肥満細胞腫のもつヒスタミンなどの物質が起こす全身症状を予防する目的で内服します。
したがって、腫瘍の成長を遅らせたり、転移を抑制する効果はありません。
また、腫瘍が増大し放出されるヒスタミンが増えた場合は、抗ヒスタミン剤でカバーしきれなくなることもあります。

・肥満細胞腫は治らないのか?
→ネコさんの皮膚だけの肥満細胞腫の場合、摘出により解決します。
また、外用薬で治ったという報告があり、実際に治ることがあります。
しかし、肥満細胞腫は「いったん消えたり」「大きくなったり小さくなったり」する特徴があるため要注意です。

・今の状況を踏まえて、里親になるべきかどうか(他の里親を探した方が良いか)
→海外転勤までの間に、「完治を目標に積極的に治療する」のか「病気と付き合っていく覚悟で連れて行く」のか「里親さんを辞退する」のか…判断は難しいと思います。

簡単ではありますが、上記の肥満細胞腫に関する基本知識をもとに判断してください。
russheさん、にゃんたろうくんの助けになれば幸いです。

アイビーペットクリニック 宮澤 裕

投稿者 russhe さん からの返答

お礼が遅くなり、申し訳ありません。
質問一つ一つに大変丁寧に回答してくださり、非常に助かりました。ありがとうございました。この先どうするのかを考える上で、大変参考になります。海外に行くまでに完治させるのは、時間的に厳しいと思うので、それ意外の2つの方法のうち、猫ちゃんが一番幸せになる選択をしたいと思います。
もう少し良く考えてみます。
ありがとうございました。

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