井上 平太 先生からの回答
甲状腺機能低下症とは甲状腺から分泌されるT3・T4等のホルモンが減少し、代謝が下がってしまう病気です。
一般的にはT4やFT4等の数値を測定して判断します。同時にTSHを測定することもございます。
お尋ねのT4は概ね1.1から3.6が正常値になりますので、薬により正常値に近づける場合にはこの範囲の中に入るように投与量を決めます。
ただし、これは机上の論理です。
一般的に基礎代謝が良すぎると、活動的になり体温は高めになり細胞分裂も早いサイクルになり見た目は若々しくなります。一見良いように思えますが、老化や寿命は早まるリスクがございます。
ですので、若いうちから低い場合にはクオリティーオブライフを改善するために正常値の中の高めに設定すると楽しく元気に愛犬と生活が楽しめます。
しかし老犬になると高めですと年甲斐も無く基礎代謝が高めになり、寿命の観点から言うと負担になるリスクがございます。もちろん低すぎれば心臓病などのリスクが上がることもございます。
ですので17才という年齢を考えるとT4は正常値の下限でも良いのではないでしょうか。
細胞にはテロメアという回数券が有り、細胞分裂は有限です。代謝は高いほど良いわけではございません。
中庸が大事ですし高齢では中庸以下が良いというのが、かかりつけの先生のお考えと拝察いたします。
お大事にして下さい。
2022/03/10 00:41 参考になった! 1
投稿者 たと さん からの返答
井上先生
今までが基準値の低めでも安定していたのが急に今回の検査で基準値からも下がってしまってたので驚いたのと心配になってしまってました。以前もそんなに高い数値ではなかったので、せめて以前と同じくらい…数値が基準値の下限ギリギリくらいまででも入ってくれると安心なのかなと考えたりしていました。
お忙しい中、とても丁寧でわかりやすい説明をして下さって本当に有難うございました。
2022/03/10 11:17
栗尾雄三 先生からの回答
獣医師の栗尾と申します。
犬の場合、基本的に年齢とともに甲状腺機能は衰えていくことが多いです。なので、薬を飲んでいたとしても数値が下がってくる可能性はあります。あとは検査当日の体調などでも変化は出てくると思います。
用量についてですが、ざっくりと体重の20倍量を1回の量として与えることが基本となっています。なので、体重が6.2kgであれば120の量を1回に与えるのが通常です。なので朝晩100μgずつ与えるのは許容範囲であり、問題ありません。
てんかんの薬を飲んでいること自体は関係がほとんどないかと思いますが、てんかんになったことは関係が大きいかもしれません。前述のとおりで、体調が悪い場合には一般的に甲状腺は低下します。それは生理的な現象です。
甲状腺の治療については意見の分かれるところだとは思いますが、それほど積極的にしないといけないわけではありません。主症状である尾の脱毛、軽度の貧血、定期的な嘔吐が改善されれば、治療としては十分かもしれません。数値も大切ですが、本人の体調をみることも非常に重要です。
あとは、やはり他の病気があるときには甲状腺の薬は控える方が無難だと思います。病気があるときに代謝をあげることは、あまり良くありません。
どうぞよろしくお願いします。
2022/03/15 20:45 参考になった! 1
投稿者 たと さん からの返答
栗尾先生
お礼がかなり遅くなってしまい申し訳ありません。
投稿をした後くらいから愛犬が体調を崩してしまい、かかりつけの動物病院や夜間の救急病院にお世話になったりが続き、思いもしない胸腔内腫瘍疑いと伝えられました。いまはステロイドの飲み薬と週に1度、胸水を抜いてもらいに通院しています。
とても丁寧にわかりやすく説明してくださっていたのに、お礼がこんなにも遅れてしまったこと、本当に申し訳ありません。そして有難うございます。チラージンは朝晩100μgずつを継続して飲ませています。
2022/04/03 22:07
再び 栗尾雄三 先生 からの回答
ご連絡ありがとうございました。
少しでも参考になりましたでしょうか。
お手数ですが、以下より評価をいただけますとうれしく思います。
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https://search.google.com/local/writereview?placeid=ChIJA1BzT_-fWjUR3MNwV2hR9S0
https://www.homemate-research-pet-clinic.com/dtl/10000000000000125018/
https://pet.caloo.jp/hospitals/detail/340232
https://loco.yahoo.co.jp/place/g-zda9kPeBFwA/review/
2022/04/03 22:15
投稿者 たと さん からの返答
栗尾先生
お世話になっております。
先程、投稿をさせて頂きました。
この度は本当に有難うございました。
2022/04/04 08:11
甲状腺機能低下症のお薬・数値について
ミニチュアダックス 17歳 オス 体重 6.2kg
数年前にシッポの毛がハゲたのをきっかけに当時のかかりつけの病院で甲状腺機能低下症と言われチラーヂンを飲ませ始めました。その当時の用量は覚えていませんが、2020年6月かかりつけの病院を変わった時に用量を減らされてチラーヂン100μgを半分に割って朝晩50μgずつ飲ませていました。甲状腺の数値の血液検査を今までに何度かお願いして結果が、2020年6月 T4→1.14、2020年8月 T4→1.85、2021年9月 T4→1.63、2022年3月 T4→0.51でした。
今回かなり数値が低かったのですが獣医さんからは「あまり代謝が上がってもですね…このままでいいと思います」と言われその日は帰ったのですが、家に帰って過去の血液検査の結果を確認したところ上記の数値の流れでした。前回から約半年で数値の下がり方が大きく心配だったので後日もう一度、獣医さんに相談に行くとこの子の体重だと薬は朝晩200μgずつになるけどあまり数値を上げすぎるのも…なので朝晩100μgずつやってみてはどうでしょうと言われたので今までの倍の用量(朝晩100μgずつ一日合計200μg)を飲ませ始めました。私が気になるのは今の用量が多すぎたりしないか?という点と、なぜ急に数値が下がったのかです。
この半年での大きな出来事では、てんかん発作を2回起こして、てんかん発作の薬を2022年1月下旬頃から飲み始めました。それも何か関係があるのでしょうか?
あと獣医さんがチラッと言われたのがハッキリ聞き取れなかったのですが甲状腺はあまり賛成じゃない?みたいなニュアンスの事を仰ったのですが薬を飲ませる・数値を前くらいまで上げると犬に良くない事があるのでしょうか?
それも心配で今回用量を増やした事も不安に思っています。
まとまりのない文章で申し訳ありませんが回答いただけると助かります。宜しくお願い致します。