山本 剛和 先生からの回答
文面からは、原因は全く判りません。フィラリア症などの心臓病や、糖尿病などの代謝性疾患、その他の基礎疾患はないでしょうか?これらの病気に関連して、血栓症が起きることがあり、皮膚などが壊死することも考えられます。また、よくあるケースとしてはホットカーペットや長時間ストーブの近くであたっている事により、低温熱傷を起こすことがあります。心当たりはありませんか?
治療法は、進行性にどんどん皮膚が壊死して来る、などの特殊な状況で無い限り、通常の傷の治療法で構わないと思います。もちろん基礎疾患があるのなら、その治療を行います。最新の治療法では、実は傷を消毒してはいけないのですが(恐らく抗生物質も必要ない可能性が高いです)、この治療法は、傷の治療法方に関する正しい理解が無いと却って混乱する可能性が高いため、主治医の先生があまりこの分野に詳しくないようなら、とりあえずその先生の慣れている方法で治療してもらうのが確実かと思います。
皮膚の欠損があまりにも広範囲に渡る場合には、体のほかの場所から皮膚を移動してくる手術(植皮、皮弁など幾つかの方法があります)をしないといけない場合もありますが、これは皮膚の形成外科の得意な病院で手術してもらうことをお勧めします。
<追加>
もちろん「そのまま放置しておく」と言う訳ではありません。正しい傷の治療原理を一から説明すると非常に長くなるのですが、ポイントを要約すると、「消毒しないこと」「乾燥させないこと」です。乾燥を防ぐためには、創傷被覆材という特殊な医療材を使用します。しかし、創傷被覆材を使用した湿潤環境での創傷治療は、まだそれ程広く一般的に浸透していないため、「知らない」という獣医師もまだたくさんいるのが現状です。人間の病院でも、まだまだ傷を消毒しているところがたくさんあるくらいですから、現段階では仕方の無いことかも知れません。
したがって、この治療法(私たちは俗に「創傷の湿潤療法」などと呼んでいます)を全く知らない、あるいは聞いたことはあるが実際にやったことが無い、と言う場合には、適切な方法で治療が出来ない可能性があります。「消毒をして乾いたガーゼをあてて傷を乾燥させる」のが常識と思い込んでいた頭にとっては、「湿潤療法」は180度発想の異なる治療法です。「主治医の先生がこの分野にあまり詳しくない場合は、却って混乱を招く」と言うのはそういう意味です。
もしもお近くで、「創傷被覆材に詳しい」「傷の湿潤療法」を実践している、という病院が見つかれば、そこで治療をお願いすることが出来ると思いますが、その様な病院が簡単に見つかるかどうかは、残念ながらちょっと判りません。
2005/12/22 22:18 参考になった! 1
投稿者 さん からの返答
有難うございます。早速獣医さんに相談にいってまいります。父がメラノーマでお世話になっているDrに相談してみようかと家族で話していたところです。現在消毒もしていないのですが吠え方等力強くなり少しホッとしています。
2005/12/29 10:18
皮膚の壊死
今月5日から、嘔吐し翌日掛かりつけの病院に連れて行きました。
その後、左後ろ足が腫れ、何日かして左足の皮膚がタダレ落ち壊死して切除した処、筋肉が露出してしまいました。
原因は不明との事。
現在、その状態のまま消毒と抗生物質のみで治療しています。食欲はあります。
原因と治療方法、今後どの様にすればいいのか教えてください。