縄田 龍生 先生からの回答
遺伝が関与しているのは確実であると言われています。しかし遺伝の正確なメカニズムは不明であり、多数の遺伝子による複雑なメカニズムの可能性があるとされています。最も単純な仮説が常染色体劣性遺伝です。
一方、遺伝だけでは説明できない症例もあります。(片側性潜在精巣の犬が何年も繁殖に使われたが、その子孫に全く異常が見られなかったなど)
結論としては、女の子も停留精巣の遺伝子をキャリーしている可能性はあるかもしれないし、無いかもしれないということになるでしょうか。
停留精巣の雄犬は繁殖に使わず、出来れば1年以内に去勢手術を行うという対処しかないと思います。
2006/02/10 14:27 参考になった! 0
投稿者 K さん からの返答
ご回答ありがとうございました。
正確な遺伝メカニズムが解明されていないのに、停溜精巣が遺伝的疾患であると言われているのは、疫学的根拠によるものなののですね。
仮に常染色体劣性遺伝であれば、母犬にも種雄にも遺伝的素因があったということになるので、交配料を支払った身としては納得できない処でしたが、それも仮説なのですね。少しホッとしました。
停溜精巣の子を繁殖に使うことはありませんが、まだ二ヶ月なのでもう少し成長を見たいと思います。
ありがとうございました。
2006/02/17 02:27
井上 平太 先生からの回答
睾丸の発生から陰嚢内下降までは複数のホルモンが関与しており、その中には男性ホルモンのみならず女性ホルモンも含まれております。そのほかソケイ輪の直径や睾丸の直径や睾丸を陰嚢内に引き込む靭帯の長さなど複数の因子によって導かれていきます。ただ、遺伝性が強いことは間違いありません。
関与する遺伝子も多種考えられておりますので単純にメンデルの法則に当てはめる事が出来ないのが実情です。
その上腹腔内の睾丸を摘出して、陰嚢内にシリコンの偽睾丸を挿入する手術を受けている血統書つきの犬もおりますので、事態はよりいっそう混迷して研究は進んでおりません。
ただ、まだ2ヶ月ですのでもう少し様子を見ても良いとおもいます。
陰嚢に降りていない睾丸は正常な場合の数倍腫瘍化する確率が高いので、その場合には虚勢手術を受けた方が良いと思います。
2006/02/11 01:26 参考になった! 0
投稿者 K さん からの返答
複数の因子が関与していて、且つ研究も進んでいないとなると、実際の交配の結果でしか判断できないということですね。
ありがとうございました。
2006/02/18 01:26
停留精巣の遺伝性について
停留精巣は遺伝的疾患と言われていますが、どのような遺伝形式をとるのでしょうか?常染色体劣性遺伝なのでしょうか?
母犬がペットタイプ、父親が繁殖用のショードックの間に生まれた仔犬なのですが、雄三匹中、一匹に片側の停留精巣があります。停留している精巣は腹腔内から鼡径輪を出て皮下に触れます。精嚢の位置まであと一横指弱のところで留まっています。
かかり付けの獣医師の先生には、まだ生後二ヶ月であるので成長の一過程の可能性もあるが、このまま停溜すればそれは遺伝的要因であると言われています。
父親が繁殖用のショードックであるので、母親のほうに遺伝的問題がある可能性があると思うのですが、他の男の子は正常位まで精巣が降りてきているので、母親が停溜精巣の原因遺伝子をヘテロでキャリーしていたということでしょうか。
同胎犬に姉妹がいるのですが、その女の子も停留精巣の遺伝子をキャリーしている可能性があるということでしょうか。