今本 成樹 先生からの回答
今本です。
てんかん発作という症状が、どのような状況から導かれているかによって麻酔のリスクが変わります。
たとえば、水頭症などの生まれながらの奇形、その他にも、脳みその異常(奇形)の場合、それを検査するために、MRIの検査をして、麻酔をかけたら麻酔が醒めなかったこともあります。(うちの病院MRI・CTはありません)
「てんかん」というのも、ひじょうに原因が多くあるので、てんかんがある場合の麻酔のリスクは、高いとしか言えません。
手術するかに関しましては、確かに腫瘍化するリスクもあります。正常な位置の10倍以上のリスクがあると言われています。
それと反対に、、、、
若齢犬から停留睾丸を摘出するかどうかを判断するための判断分析図
Peters MA, van Sluijs FJ.
Vet Rec 2002 Mar 30;150(13):408-11
Decision analysis tree for deciding whether to remove an undescended testis from a young dog.
1歳齢で潜在睾丸のイヌにおいて、予防的睾丸摘出を受けた、もしくは受けなかったイヌの寿命を考察した文献です。その他の文献からの潜在睾丸に関する危険因子、手術後の合併症の発生率に対するデータを用いて作成しています。睾丸摘出をせずに予想される寿命は、睾丸摘出後の予想される寿命と有意差(大きな差)はなかった。という文献もあります。様々なリスクを考えると、さほどの差がないとする考えもあります。
主治医の先生とよく話し合ってはいかがでしょうか?
その結果が、コロンにとって一番いい選択であるとしか言えません。
2006/02/23 23:25 参考になった! 0
投稿者 さん からの返答
今本先生、ご丁寧な回答ありがとうございました。「なるべく長く生きてほしい」という思いと「リスクを負わせ無理に寿命を延ばすことが犬にとって幸せだろうか」という思いで悩んでいたので回答にいただいた文献とても参考になりました。先生、家族ともよく話し合い決めたいと思います。「若齢犬から停留睾丸を摘出するかどうかを判断するための判断分析図」の図が見れなくて残念です。ネットでも探したのですが文章しか見ることができませんでした。
どこかで拝見できるのでしたら教えていただけないでしょうか?
2006/03/02 11:25
全身麻酔のリスクについて教えてください
3歳から月に2.3回痙攣を起こすようになり、最初は低血糖だと診断されていましたが、病院を変えたところてんかんと診断されました。
薬はなるべく飲ませない方針で発作が起きた時に3日ほど飲ませています。
現在7歳ですが発作は月1.2回で、主にストレスがかかったときに発作が起きます。痙攣は1.2分で治まりますが、その後ほどんどの割合で嘔吐します。
陰嚢ですが、かかりつけの先生に今まではてんかんがあるので全身麻酔の手術は進められないと言われてましたが、担当医が変わりやはり去勢はしたほうがいいと言われました。
去勢しなければ将来がんになる可能性があるし、去勢すれば全身麻酔で目が覚めない可能性があると言われ、とても迷っています。てんかんがある犬の全身麻酔のリスクはどうなのでしょうか?よろしくお願いいたします。