井上 平太 先生からの回答
今晩は。
我々の用いる言葉の中に「様子を見ましょう」というフレーズがあります。非常に誤解を招きやすい言い回しなことは重々存じております。また、このような対面ではないネット上で使うのは誤診のそしりを受ける可能性があることを承知の上で、あえてこの場合「様子を見る」のが、得策のような気がいたします。
ネット上では我々にはこの子がどの程度のリスクがある肝臓病かは、うかがい知ることはできません。しかし、実際に診た獣医師が手術の延期(中止?)を最善と考えたのであれば、それ相応に肝機能が悪化しているものと思われます。
手術の必要性の有無をを天秤にかけてどちらを選択するかを考えるのであれば、肝臓の薬を投与しながら様子を見てはいかがでしょうか。その間の腫瘍の成長スピードを観察して、その情報も加味して判断するのが良いでしょう。
病理検査を行いますとより判断を客観的に行う事ができますので、主治医の先生に相談されてはどうでしょう。
こういった問題は何度か飼い主の方と診察を重ねることにより獣医師側もどのような方法をお勧めするべきなのかを考えていくものです。たとえば長い間のおつきあいで、この飼い主の方は腫瘍があったら良性悪性にかかわらず手術で摘出するまでは夜も眠れないことが明らかな場合には、最初から全摘出手術と病理検査をセットで行う事をお勧めいたします。慎重に分析するタイプの飼い主の場合には最初からバイオプシー検査で細胞診を行い、転移の有無を精密に評価し血液検査や心臓の検査を行った上で手術の必要性を検討いたします。どちらが良いかではなく、どちらであれば飼い主の方が後悔しないかどうかです。
よく説明を聞き、ご自身で判断しなくてはいけません。獣医師は飼い主の質問に対し、納得いくまで説明を行い、判断材料を提供する義務がございます。飼い主の方は何を希望しているのか・何がわからないのかをしっかりと聞いた上で最終的に判断する義務がある・・・と、いうのが、インフォームドコンセントでございます。
我々も対価をいただいて診察をする以上、かえって飼い主の方の悩みを増やさないよう日々努力しておりますが、診察を受けることによって一時的に飼い主の悩みが増えてしまうのも事実でしょう。当院でも日々の診療の中ではインフォームドコンセントの話は省いてしまっております。日々の反省を含めこの場を借りて説明させていただきました。
腫瘍が良性で手術の必要が無く、肝臓も投薬で健やかになることをお祈り申し上げます。お大事にしてください。
2009/07/23 01:03 参考になった! 0
投稿者 ナナタツ さん からの返答
お忙しい中、ご回答、アドバイス、ありがとうございました。何となく、胸のもやもやが取れた様に感じます。腫瘍と聞いただけでオタオタし、なにを聞いて良いのか判らず、情けない飼主と反省しております。以後、獣医師とのコミニケ-ションに努力し、指示に従いね推移を見守って行きたいと思います。ご親切なご返事ありがとうございました。....飼主
2009/07/30 01:03
乳腺腫瘍の主術について
はじめまして。アドバイスを頂きたいと思い、質問させていただきました。ビ-グル12.5歳(12月で13歳)です。7月12日に腹部を舐める動作を見て、腹部を撫でると、下から2番目の乳部に、2×3cm位のたまご型でコロコロ動く、しこりが有り、痛がる様子も無く、日常行動に変化が見られません。
18日、シコリが気になり、受診し、診断結果、乳腺腫瘍と診断されました。内容と手術の事について説明がありましたが、血液検査の結果、肝機狽フ数値が高く、現時点では、手術は出来ないとの事で、virbacのNOvifit Mを肝機狽フ薬との事で処方され、帰宅しました。(他の検査は有りませんでした)。又、我家のワンちゃんは関節炎を患っており、2月に入院、治療を受け、痛み止めのリマイイダルの服用をしたおります。現在、痛がるごとも無く元気で、痛み止め等、関節炎の治療はしていません。(何時再発するか判りませんとの診断を受けています)
質問ですが、今後のシコリの変化(状態)、手術と肝機狽ニの関係
関節炎との関係、シコリをこのまま放置して良いのか悩んでいます。
お忙しい中、アドバイスよろしくお願いいたします。