是松 壮一郎 先生からの回答
こんにちは、xmahomahoxさん
ガアラ君の皮膚の様子、気になることと思います。
若干、情報が混乱しているようですので、少し説明させていただきます。
まず今回測定されたというTGFという値の話ですが、正確にはaTGF-β1といい、免疫に関係する細胞が産生するタンパク質量の測定になります。
これらは、アトピー性皮膚炎以外にも様々な組織の活性化や癌などでも上昇します。
そのため、TGFを腫瘍マーカーとして測定する場合もあります。
今回の検査では、まず第一段階としてaTGF-β1を測定しアトピー性皮膚炎の可能性を探りましたが、その後Th2cell/CRTh2定量とCyTh3定量をしてそのアトピー性皮膚炎の重症度等を判定、さらに治療をしながらのTh2cell/CRTh2定量またはCyTh3定量で、治療効果の判定という手順になると思います。
ただ、最初の段階でこの検査から始めることは先生の方針もあるのでしょうが、わたしならまず行ないません。よほどひどいアトピー性皮膚炎の傾向があったのかな?とも思いますが、ガアラ君の様子を見ていない立場ではこれ以上のコメントは差し控えます。
正常値2以下のTGFが14.7という事で、非常に高い値で心配だとは思いますが、最初に述べたように様々な組織の活性化で上昇する数値ですので、成長期の動物では高く出ることがよくあります。(そのためこの測定について懐疑的な立場をとる獣医師もいます)アトピーかどうかは、その後に続くTh2cell/CRTh2定量とCyTh3定量をもって確定するまでは断定出来ないのです。
逆にTGFが2以下であれば、アトピー性皮膚炎ではないという判断が出来るので、TGFの測定も意味が無いことではないのです。
一方、エーラスダンロス症候群は主に皮膚の弾力がなくなる病気で、遺伝的な原因のタイプや原因不明のタイプなどがある一連の皮膚異常の総称になります。
これらの病気の判定のためにaTGF-β1を測定することは無いと思います。
今回エーラスダンロス症候群の話が出たのも、ガアラ君の表情が少ないとか耳の形状の異常、被毛が少ないことなどから可能性の一つとして出た話なのではないかと思いますので、直接獣医師にたずねてみられるといいと思います。
参考になれば幸いです。
お大事になさってください
2010/10/07 18:16 参考になった! 0
投稿者 xmahomahox さん からの返答
是松先生、丁寧なご回答ありがとうございました。
TGF値がなにを示すものなのか私なりに理解できたと思います。
また、エーラスダンロスであるかどうかの判定のためにはTGF値は通常測定しないというのもとても重要なご意見でした。
近々かかりつけの獣医師を訪れ、もう一度話を聞いてから、現在勧められている体質改善の治療について検討をしてみたいと思います。
2010/10/14 06:16
血液検査結果について
はじめまして。
先日、獣医師を尋ねた際に、この夏あたりから気になることがありましたので相談したところ、ある病気を疑われ、血液検査を行いました。
‘気になること’とは胸からお腹にかけての薄毛についてでした。
生え換わりの時期を境に、毛が全くと言ってよいほど生えてこない部分があるためです。
そしてそれと同じぐらいの時期から、首元、また耳付近を普段より痒がっているように思われ、相談いたしました。
ただし、皮膚自体の異常(例えばカサカサしているや、赤くなっている等)は認められません。
先生の所見では、薄毛の他に、前足の開き具合がその年齢で比較すると若干開き気味だということ、また、愛犬の左耳が縦におれ目が付いてしまっていること、あとは愛犬は表情が乏しいとのことでした。
先生の口走った断片的な病名の音を考えると‘エーラス・ダンロス’を疑われているようです。
はっきりそうだと告げられてはいないのですが、説明を解釈すると先生自身は確信しているようです。
検査結果を昨日聴いたのですが、TGF値が14.7とのことでした。
正常値は2.0と教えられましたので、かなり異常な数値であるということは理解できたのですが・・・
ただ、このTGFという値がどのような値なのか、どのように解釈したらよいのかが解らずにおります。
先生からの説明では遺伝的な疾患における免疫に関する数値だとか、アレルギーを引き起こす可能性のある数値だとか(そのためアトピーをとても意識した、アトピー中心の説明を受けました)、というような説明だったのですが、私の理解度が低いせいか未だによくわかりません。
TGFという数値はなにを示すものなのでしょうか?
教えていただけたら嬉しいです。
ちなみに、かかりつけの獣医師からは投薬治療による体質改善を勧められています。