井上 平太 先生からの回答
今晩は。
アジソン病に関しては同じ副腎皮質の病気でまったく正反対のクッシングに比べて資料や同病者が少なく、ネットで調べてもご苦労されている事と思います。
アジソンは基本的に副腎皮質で作られるホルモンの量が10%以下になってからやっと診断されることがほとんどです。副腎皮質では糖質コルチコイドと鋼質(ミネラル)コルチコイドの2種類のホルモンが作られております。それが足りなくなると体中で免疫が暴走したり自分で自分の細胞を破壊したり電解質バランスが波乗して突然死を起こしたりするとても怖い病気です。
プレドニゾロンやコートりルは糖質コルチコイドで、フロリネフはミネラルコルチコイドと分類されます。通常はフロリネフのみか、二つを組み合わせて維持をしていきます。
一番まずいのは糖質であるプレドニゾロンのみで維持しようとした場合で、あまり予後は良くございません。緊急の場合にはもちろんこれも必要である場合がございます。
この度の場合ですが、今の処方で血中ホルモンの量や電解質の量や症状が緩和出来ているのであれば今の処方が適正ですので変更の理由はないでしょう。
副腎皮質ホルモンは副作用ばかりが強調されがちですが、もともと正常な動物の中にある物を立ちない分を補充してあげて正常に戻す分には副作用は考えるべきではありません。副作用以上に足りない事が危険なのですから。
副腎皮質ホルモンは過剰になった場合に副作用が生じます。大事な事は今その患者の維持に必要な副腎皮質ホルモンの強度と量を補充する事です。
今せっかくコントロールできているのであれば、変更によってまたアジソンが発症したり、不安定になって、処方量が決定するまでに時間がかかったり、その間にショックを起こす事も無いとは限りません。
また、長年今の先生が使っている銘柄の方がむしろ使い慣れており安全と言えるでしょう。
コートりルも良い薬ですし、プレドニゾロンも良い薬です。当院ではフロリネフ・プレドニゾロン・コートりルを組み合わせて、体重・症状・検査データーで量を決めていきます。薬に副作用が強い弱いが有るわけではなく適量が安全なのです。
どうぞお大事にしてください。
2012/01/07 23:12 参考になった! 0
投稿者 kumiko さん からの返答
お忙しい中、ご返答有難うございました。 とても詳しいご説明をいただき、このまま主治医の治療方針に従い、フロリネフ、プレドニゾロンで様子をみて行きたいと思います。同じ体重でもワンコによっては、プレドニゾロン1/8錠を4日置き…という子も居て、?の思いがあったり、食欲が増し、水分摂取量が増えたりしているので、気になっていました。
このたびは、早急のご親切なご回答、本当にありがとうございました!!
2012/01/14 11:12
アジソン病の処方薬について
はじめまして。アジソン病と診断されて、1年経過。現在フロリネフ1/2錠を朝晩2回、プレドニゾロン1/4錠を晩に1回飲んでいます。気になるのは、プレドニゾロンの副作用です。アジソンのワンコは、ほとんどがその組み合わせでの処方のようです。ただ飲み続けていると、肝臓・腎臓への負担があるらしい…ということで、代わりの薬はないのか?…とネットで調べてみると、同様にステロイドでは、ありますが、コートリルという薬を推奨します。との記述を見つけました。
プレドニゾロンと同様の効能があり、プレドニゾロンより副作用が少ないのなら、コートリルに代えて飲ませたいと思うのですが、コートリルで、代用できるのでしょうか?
今、診てくださっている先生は、『コートリルの処方は可能ですが、もし飲ませてみて体調不良になったら、プレドに切り替えてください』とおっしゃってくださいました。コートリルの方が、効き目が弱いということでしょうか?飲ませてみてアジソンの初期のような体調になってしまうことは避けたいのです。
つたない文章で恐縮です。宜しくお願いいたします。