井上 平太 先生からの回答
今日は。老犬とおっしゃっておられますが、そんな事は無いですよ。12歳は小中型犬では人間で言う60歳代です。もっと積極的に手術を考えてよい年齢ですし、当院でもほとんどの腫瘍手術はこの年齢の近辺です。
乳腺腫瘍に関しては大まかに言って50%が悪性で50%が良性です。良性の場足には手術をすれば先ず心配はありません。悪性の場合でも小さいうちに全摘出を行なえばほとんどの場合寿命をまっとうできると思います。一部炎症性乳癌と言われているものはかなり厳しい転帰をとりますが、これはかなり稀な病態ですし、腫瘍を熟知された獣医師では診察時に時にある程度の予想が付きます。しかし、病理検査は受けるべきでしょう。
乳腺腫瘍はメス犬では一番多い腫瘍で治療法も確立しております。是非動物病院に伺ってみてください。
無処置だった場合、良性であっても徐々に大きくなり皮膚が耐え切れなくなると潰瘍・感染・疼痛を起こし場合によっては皮膚損傷部からの出血がコントロールできない事がございます。悪性の場合には肺転移などによる呼吸困難・局所の浸潤による壊死や脱落を起こし家庭での看護が極めて困難になる場合があります。
もちろんそのような病態に陥らずに余生を送れる可能性もございますが、もっと年をとってからの手術になった場合には危険性も治癒率も悪くなる一方ですよ。
案ずるより生むがやすしです。どうぞ行ってらっしゃい。
2006/01/11 12:55 参考になった! 0
投稿者 さん からの返答
こんばんは。答えていただきありがとうございました。12歳ってもう老犬かと思って、手術をして寿命を縮るのではないかと心配していました。犬の生命力を信じ、まずは病院に行ってみようと思います。
2006/01/18 12:55
縄田 龍生 先生からの回答
癌かも?と心配されていることと思います。質問から察するに乳腺腫瘍であると思います。犬の乳腺腫瘍の場合約50%が良性。残りの50%が悪性(多くは乳腺癌)といわれています。乳腺癌の場合、浸潤性(周囲に広がっているもの)の場合の手術後の生存期間中央値は約12ヶ月。非浸潤性では約29ヶ月という研究結果があります。
しこりをほおっておいたらどうなるのかは腫瘍のタイプにより、様々です。皮膚が破けて、潰瘍を起こし、だらだらと出血することもあります。
12歳であれば、まだまだ若いですので、是非手術前の検査(血液検査など)をしっかり行い、手術のメリットデメリットを考慮したうえで、結論を出すことを行います。
たとえ悪性でも転移しておらず、きっちり切除できれば、『完治』です。
2006/01/11 17:30 参考になった! 0
投稿者 さん からの返答
変形の腫瘍であちこちに腫瘍ができはじめ、悪性を想定していましたが、12歳ってもうおばあちゃんだと思っていましたので、手術をすることによって寿命を縮めるだけでは?と思っていましたが、まだわかいのなら手術を受けさせようと思います。可能性を信じてみたいと思います。相談にのっていただき本当にありがとうございました!!
2006/01/18 05:30
これは癌なんでしょうか?
昨年から乳房にしこりができて、最近は大きくなるばかりかさらにちがう場所にもしこりができ始めました。きっと癌かも?と思っていますが、もう老犬なのでなるべくは手術はしたくないのですが、もしそのしこりをほおっておくとどうなるんでしょうか?破裂するのではないか、また癌だとしたらどのくらい生きられるのか教えて下さい。