北森 隆士 先生からの回答
初回の検査と、経過を追っての検査、
また、症状にあわせての検査(咳が出始めたとか)
は違いますので、その辺は誤解してはいけません。
①聴診は、心臓の雑音を聞いて、その音で悪化
程度を予測します。これは、常に行う検査です。
心臓病に限らず、この検査なくして、どんなも
診察はありえません。
②レントゲンは、心臓の肥大状況、心臓病から
くる肺の状態などを確認します。これも、進行状況、
状態(咳が増えたとか)によって、毎回ではないに
しても、必要な検査です。
③エコーは、実際の心臓の動きが動画で見れます。血
液の逆流の程度、心臓の筋肉の状態、心臓の収縮力の
悪化状況などが画像で確認できたり、数値化されて把握
できます。猫のエコーは、かなり高度な機種でないと測定
できません。また、ヒトと違い、被毛があり小さく動くの
で、熟練が必要です。猫の心疾患をエコーで確実に検査で
きるというのは、かなりの経験がある先生だと思います。
④心電図は、不整脈の発生がわかります。しかし、
測定時に出ていなければ意味が無いので、正確な
検査は、24時間ホルター心電計をつけないとダメでしょう。
もっとも、イヌはともかく、猫のホルターは一般的では
ないかもしれません。②で述べた心臓の肥大も心電図
から読み取ることもありますが、レントゲンの方が
正確です。また、大体、エコーには心電計が付いているので、
独立型の心電計よりは少々不正確ですが、慣れた先生で
あれば、わざわざ心電計をつけなくても、エコー上で
ある程度の判断をされるかもしれません。
>また、心臓病の場合、どちらの検査法が主流なのですか?
まず、毎回の聴診と、初回のレントゲンは基本です。
エコーに関しては、上記したように、エコーの機械的な
グレード(精度)、獣医師の腕にかなり左右されます。
猫の心疾患をエコーで診察できると自信がある先生を、
私は、大変うややましく思いますし、尊敬します。
心電計に関しては、考え方だと思います。
>病院によってなぜこんなに検査法がちがうのでしょう?
それは、検査と治療があまり結びつかないからでしょう。
誤解をおそれず単純化して言うと、レントゲンである程度
病態を把握した場合と、エコーで正確に状態を把握した場合と
使用するお薬に差があるかといえば、時として無い場合が
あるからです。極端なことを言えば、最高級の3DのCTを
使えば、もっと正確に心臓の機能がわかるようですが、
そこまでするか~でしょ?治療における先生の考え方、好きな
検査法が異なると思ってください。
もっとも、エコーで経過をおっていても、レントゲンは
とることもあるでしょう。聴診をしないなんて考えられませんし、どちらの先生も一般論をおっしゃったのであって、あまりその検査だけと、ガチガチに考えることもないのでは?
2007/05/25 11:02 参考になった! 0
投稿者 さん からの返答
ご回答どうもありがとうございます!
大変わかりやすくて、参考になりました。
今通ってる病院Bの先生は、エコー検査しても良く分からなかったみたいなんです。
エコーの専門医が訪問した時に再検査を受けました。
次も、自分でわからなければ、またその専門医が来るのを待って、再検査するそうです。。。
満足にエコー検査ができないのなら、しないでもらいたいですね・・・。
北森先生の説明で、猫の心エコーの難しさがわかったので、
今後の病院選びの参考にさせていただきます。
ありがとうございました
2007/06/01 11:02
猫の心臓の検査法について
僧帽弁閉鎖不全の猫です。
現在の主治医が頼りないので、
病院をかわろうと思っています。
候補となっている病院Aでは、
心臓の検査はレントゲン+心電図でするそうです。
現在通っている病院Bでは、
エコー+聴診器です。
病院によってなぜこんなに検査法がちがうのでしょう?
また、心臓病の場合、どちらの検査法が主流なのですか?
よろしくお願いします。