是松 壮一郎 先生からの回答
こんにちは、寅さん。
成犬になった後の、ワクチンの2回接種に、意味があるのかどうかという話ですが、これは、ワクチンのブースター効果という点でワクチンの抗体価をより上げるためには必要といえます。ですので、まったく意味の無いことではないのです。
ブースター効果を期待してのワクチンの追加接種であれば、初回接種から一ヶ月ほど過ぎたところでの追加接種はセオリー通りとなります。
しかしながら、現在のワクチンはアジュバントというワクチン効果を上げるための助剤も優秀になってきており、以前ほどは二度接種によるブースターを必要としなくなってきているのも事実です。
このあたりの説明をはぶき、さかのぼって2回注射しましょうと言われてしまうと、飼主さんとしては少々不信感も持ってしまいますし、獣医師の立場としても、少し説明不足だと感じます。
また、手術当日になっての血液検査や点滴、麻酔をやわらげる麻酔(おそらくは麻酔拮抗剤か、前投薬のことでしょうか)の料金まで請求されたとなると、寅さんのお気持ちもわかります。
(そもそも、去勢手術で点滴が必要かどうかも疑問ではあります)
ワクチンに関しては、二回連続することに意味が無いわけではないが、よほど高濃度感染の危険のない通常の飼育状態であれば、必要は無いかなというのが、わたしの見解ですので、そう理解していただけるといいと思います。
転院も含めて、いい獣医師との出会いがある事をお祈りいたしております。
どうぞお大事になさってください
2007/12/20 18:34 参考になった! 0
投稿者 さん からの返答
先生本当にご丁寧なご回答心よりお礼申し上げます。私は決してこの病院や獣医の方を批判したいわけではありません。家族の一人として一日でも元気で長く生活を送りたい、そのために必要な治療費は惜しむ気持ちは全くありません。それだけに本当の意味で飼い主のきもち、立場を理解してアドバイスを頂きたいと思っているだけです。そう言う意味ではこの度の先生のアドバイス改めてお礼申し上げます。
2007/12/27 06:34
橋本 祥男 先生からの回答
7種混合より多いタイプには、
レプトスピラ症という病気のワクチンが含まれております。
これは不活化ワクチンと言われる物で、
病原体の死骸が入っていると思ってください。
他には生ワクチンと言われる物があり、
これは、生きたままの病原体が入っています。
もちろん、発病しないように弱らせてあったりと、
色々な処理が施されている訳です。
さて、不活化ワクチンというのは、1回の接種では、
十分な抗体が形成されにくく、
一般的には1ヶ月程あいだをあけて、追加接種が必要になります。
毎年接種していると、病原体に対する記憶が、
体内に存在するので、改めて接種したワクチンに反応し、
十分な抗体が形成されると思ってください。
しかし、今回のマーブルちゃんのように、
1年以上の間隔があいてしまった場合、
体内の病原体に対する記憶が
無くなってしまっている可能性が有ります。
そうすると、一回の接種では十分な抗体が
形成されないかもしれないという心配が生まれるわけです。
免疫の記憶が有るかどうかの、
抗体価の検査をすることも出来ますが、
その検査費用と、ワクチンを接種する費用を比較したとき、
接種のほうが安いという場合(もしくは病院)が有ります。
それに検査をして結局、抗体価が低いとわかった場合、
そこでワクチン接種を行うわけで、
検査費用プラスワクチン費用を払う事になり、
さらに費用がかさむ場合があるわけです。
このような理由から、
一年以上の間隔があいてしまっているマーブルちゃんは
ワクチン接種を受けた事の無い状態に
戻ってしまっているかもしれないという考えがうまれます。
そうすると、一回接種で済ますより、二回接種しておいた方が、
無難だろうという事に成ったのでしょう。
私が言っているのは
「打たなければ成らない」ではないですよ。
「その方が無難だろう」です。
くれぐれもお間違えの無いように!!
主治医の先生がどのような表現をしたかは判りませんが、
私の考えられる可能性は以上の様なことです。
疑問の解消の助けに成ったでしょうか?
ちなみに、生ワクチンのみで作られている6種ワクチンより、
少ないタイプは一回接種で、十分な抗体が出来上がると考えられています。(これは成犬の場合で、生後間もない子犬ではたとえ生ワクチンでも複数回の接種が必要です。)
余談ですが、今回の事のように、
飼い主さまが不審を抱かれますと、
その後の我々の提案が、いかに理にかなっていたとしても、
お金儲けのためじゃないかなどの、
無用の疑いを持たれてしまいます。
たとえ、その時に十分説明したとしても、
その説明そのものを疑われては、
全く意味を成しません。
不信感があるのでしたら、
病院を変えられるべきです。
ワクチン接種に限らず、治療法方などでも、
獣医師次第で選択肢が変わるものです。
信頼して、任せる事が出来ると感じる事の出来る獣医師に、
巡り合うまで、いくつかの病院を受診してみる事も、
良い獣医療を受ける為のステップだと思います。
あなたにとって、良くなかった獣医師も、
他の飼い主さまにとっては信頼のおける
良い獣医師である場合も有ります。
隣の奥さんが良い獣医師だと言っても、
あなたに合うとは限らないのです。
あなたの目であなたに合った獣医師を
見つける努力をしてみてください。
2007/12/20 18:42 参考になった! 0
投稿者 さん からの返答
先生お忙しい中こんなに長文のご回答本当にありがとう御座います。今回の不信感の発端は手術代を含むその他の治療費の説明がこちらから言わないと何も話をして頂けなかったし、お待ち下さいと言われ何度も待機させられたこと、さらには去勢手術に伴う検査やその他かかる薬の話などは一切無く、連れて行ったその日にあれもこれもと言われはじめ、その上ワクチンの話でしたのでとても不信感と不安を覚えました。治療費が全く気にならないと言えばそれは嘘になりますが、本当に必要な治療費や薬代であるならば決して惜しむことなくお支払いさせていただくつもりです。家族の一員になった日から一日でも長く一緒に元気で暮らしたい、ただただそれを願うばかりです。今回の先生のアドバイスをよく理解し今後の事を考えてゆきたいと思います。本当にありがとう御座いました。
2007/12/27 06:42
ワクチン接種について
初めて質問させていただきます。宜しくお願いいたします。11月末に2才8ヶ月になるミニチュアダックスの去勢手術を受けました。その際病院から7種混合ワクチンを昨年と今年2回受けていませんね。お受けになった方がいいですよ。といわれ、それではお願いします。ということになったのですが、話しを聞いていると昨年もやってないのでさかのぼって2回打ちましょう、その方が効果もあるし割り引きも利いていいですよといわれました。
割引はともかく、昨年何でもなかったのにさかのぼって2回接種しなければならないといわれたことに何となく不信感を抱きました。
(何故不信感を抱いたのかというとこちらの病院は診察室に入ってから先生にこれもあれもといわれることが度々あったので、前々からちょっとヘンかなと思っていたから尚更でした。)
しかも手術の時と更に1ヶ月後にもう一度注射をしに来院してください、といわれました。退院するときに渡された予約カードのようなものを見たら1ヶ月後日付と有効期間2008年1月末日、原則として返金できません。ということが書かれていました。
ワクチンとは前年受けていないからといい、さかのぼりしかも1ヶ月置いただけで接種なんてことがあるのでしょうか。
また今回の去勢手術に際し、事前に料金説明をして欲しいと電話で話をしたのですが、ちょっと待ってください先生に聞いてきます。といわれ何回も待たされ、各局去勢手術の費用しか話してもらえず、いざ当日連れて行ったら血液検査とか点滴とか麻酔を和らげる麻酔とか、何だかんだとといわれしかも何かあったときの承諾書を2枚書かされました。
当然手術ですから、場合によっては不慮の事故も予測しなければなりません。しかし、飼い主はペットではなく言葉の話させない家族と思い生活しています。そんな言葉も話せない家族が手術や病気になったとき病院からあれはやった方がいい、これもやった方がいいと言われればやらないわけには行かなくなるのが飼い主の心境です。
正に今回そんな心境と不信感に襲われました。
本当に混合ワクチンはこのように2回連続して打たなければならないのでしょうか。是非アドバイスいただきたいと思います。