縄田 龍生 先生からの回答
こんにちは。
最近アトピーの犬は増えており、当院でも何頭かがアトピーの治療をしています。
アトピーの治療は基本的には“治す“のではなく“うまく付き合う“です。
人のアトピーでもステロイド外用薬は必須の薬で、マスコミにより異常なほどに危険だと誤報されて以来避ける人が多くなっているのが現状です。
今のひなのお姉さんの希望からすると、減感作療法という治療法は主治医からお聞きになったでしょうか?
どこの病院でもできる治療ではありませんので、主治医で行っていなければ、出来る病院を紹介してもらってもいいかもしれません。
簡単にいえば、アレルゲンを注射し、それに過剰に反応しない体に変えるというものです。
人でも卵アレルギーの人に数グラムの卵から徐々に増やして食べていくという治療をしていますが同じものです。
ただ、それも嫌だということになるとお手上げです。
犬は人と違い、“将来の事”や“死”を考えていません。“今”が大事な生き物です。
長生きしたいなんて思っていません。もちろん長生きできるに越したことはありませんが。
ある宗教の信者は、輸血で命が助かると分かっても輸血を拒否して死んでいきます。
自らの自己判断できない幼児に対しても親は同じ判断をします。
このことについてどのように思いますか?
それはしょうがないと思うのであれば、あとは何も言う事はありません。
それはひどいと思うのであれば、自らも同じ事をしていることに気付いてください。
『イヌはもっとヘトヘトに違いありません。』と書かれていますが、どんなに痒がろうと薬は使わないというあなたの選択がそうさせています。
確かに副作用のない薬はありません。
しかし、副作用に気を使いながら少しでもストレスのない生活を過ごさせてあげよう。生活の質を高めてあげようと私たち獣医師や多くの飼い主様は治療しています。
信念的なものは私にはどうしようもありませんが、もしただ漠然と化学物質は使いたくないというお考えなら、少し勉強されて、何がひなちゃんの人生にとって大事なのかを再考してあげてください。
2009/12/19 18:47 参考になった! 1
投稿者 ひなのお姉さん さん からの返答
縄田先生。
早速お答えをいただきありがとうございました。
何度も何度も読ませていただきました。
以前老犬介護をしていた時、「犬は先のことを思い悩まないのよ。今が一番大切なの」と言われたことがあり、それを思い出しました。
私の盲信に近いような自然信奉の気持ちが
ひなを苦しませ続けていたのかと思うと
申し訳ないような気持ちです。
主治医の先生にももう一度ご相談して、ひなが穏やかに幸せに暮らせることを一番に考えます。
ありがとうございました。
2009/12/26 06:47
アトピーについて
6歳の柴犬の女の子です。子犬の頃から痒みがあり、動物病院でアトピーと言われました。「成犬になるにつれひどくなるよ・・・」という先生の言葉通り年々酷くなっていきました。
先生から「プラスチックのお皿やおもちゃを与えるのはよくない」と言われたので、ステンレスか陶器のもので与えています。
今は肩・胸・腕は掻き毟って脱毛し、傷だらけで皮膚も張りがなく
シワシワです。一日中掻き毟っており、飼い主も精神的にヘトヘトです。私どもは人も犬もなるべく化学物質を摂取しない生活を心がけておりますので、ステロイドなどはどうしても拒絶してしまいます。
先生からは「アトピカ」や「イヌインターフェロン」を勧められましたが、これも試してみる気になれません。
ハーブで出来たクリームを塗ったり、ホタテ貝からできたローションを
塗ったり、はたまた田七人参のサプリを飲ませたり、「パンフェノン」を飲ませたり。アトピーの名医と言われる先生の処方された「冬虫夏草」は血便が続いてダメでした。
先生曰く「毒素を出し切ったらよくなる。身体には差し障りのない下痢なので心配しないように」と言われましたが、さすがに酷い下痢、それも血便となると、続ける気になれませんでした。
ただひとつ疑問なことがあります。抱っこすると何時間でも掻かずにいられるのです。どんなに長時間でもです。抱くと体が温まり余計に痒いのではないかと思いますが全くそういう素振もありません。抱っこから下ろすとすぐに掻き始めます。体のどこかに触れてやると掻かないのです。
この子の痒みはもしかしたら精神的なものなのでしょうか?
いっぱい愛情をかけているつもりでも、寂しいのでしょうか?
ありとあらゆる手を尽くしたので私ももうヘトヘトです。イヌはもっとヘトヘトに違いありません。先生助けてください。
もう一度フサフサの毛で笑顔のひなが見たいのです。
よろしくお願いします。