山下 拡(かく) 先生からの回答
はじめまして。京都のかく動物病院、山下かくです。
確かに副腎皮質機能亢進症が疑わしい症状と検査結果ですね。まずはACTH刺激試験を行って確定してあげてください。
あとは超音波検査を行って、副腎自体の大きさをチェックしたほうがいいでしょう。副腎皮質機能亢進症は脳の下垂体の原因がある場合と副腎自体の腫瘍が原因の場合があります。副腎腫瘍の場合は手術により腫瘍を切除するという選択肢もあります。副腎は左右にあるんですが、特に左の場合は切除されることが多いです。右の副腎は手術の難易度が左と比較すると上がるため、状況によって切除する場合と飲み薬でコントロールする場合があります。
下垂体が原因の場合は今のところ飲み薬でコントロールすることがほとんどです。大学病院などでは手術しているところもありますが、あまり一般的ではありません。
飲み薬の治療ですが、現在はトリロスタンという薬でコントロールします。昔使用されていたミトタンという薬と比較すると副作用は少ないですが、もちろん100%安全な薬という訳ではありません。もっとも注意しなければいけない副作用としては、ホルモンを下げすぎることによる、副腎皮質機能低下症です。投薬中は副作用がでていないかしっかり病院でモニターしながら行う必要があるでしょう。トリロスタンは少し高価な薬になります。
しかし副腎皮質機能亢進症であれ、甲状腺機能低下症であれ、ほっておくと命に関わる病気ですので、しっかり治療してあげてください。
病気としてはまれな病気というわけではありませんので、必ずセカンドオピニオンをしたほうがいいというわけではありませんが、もし手術を行うのであれば、やはり設備の整った手術経験のある病院のほうがいいと思います。
参考になれば幸いです。お大事になさってください。
2012/07/06 10:21 参考になった! 1
投稿者 こたまんま さん からの返答
ありがとうございました。
今は検査結果待ちです。
今度の診察日に原因と副作用について聞いておきたいと思います。
やはり高価なお薬なんですね。
手術となったら年ですのでどうするか・・
麻酔に耐えられるか・・よく相談したいと思います。場合によっては大学病院を紹介してもらおうと思います。
2012/07/13 10:21
副腎皮質機能亢進症かも・・
よろしくお願いいたします。
柴犬 オス 13歳6ヶ月 去勢未 室内飼い 手術暦なし
ココ半年くらいよく水をのむようになり、おしっこの量も大目でした。
お腹だけぽっこり張ってきているような感じがあり、太ってきたのかと思っていました。
ハーネスをつけているところは脱毛して皮膚が黒ずんでいます。
年だからはげてきたのかなと思っていました。
散歩にいってもあまり歩かず、帰ってきてすぐお漏らしをすることもあったため検査に行ってきました。
GPT/ALT 146
ALP 9794
GGT 32
TCHO 1102
TG 1776
血糖 115
フリーT4 0.26ng/dl
尿検査 ブドウ糖 -
比重 1.016
たんぱく+++ 300mg/dl
後は正常値でした。
副腎皮質機能亢進症と甲状腺機能低下の疑いありと言われました。
後日副腎皮質機能亢進症の詳しい検査をする予定です。
ネットとかで調べると治療にはかなり金銭的に負担がかかるとか
また完治することはなく、薬の影響で亡くなることもあるとか・・
今日は話を聞いてきただけで、家でネットで病名を調べてびっくりしてしまいました。
今回の数値はかなり深刻な状態なのでしょうか。
次回 獣医の先生にどんなことを聞いたら良いでしょうか。
今の獣医さんは小さいときからお世話になっているところですが、
セカンドオピニオンを受けたほうが良いでしょうか。
よろしくお願いいたします。