井上 平太 先生からの回答
ニキビダニは、デモデックスまたはアカルスとも言われます。通常のダニと異なり顕微鏡でしか見えないとても小さなダニです。ほとんど全ての動物の皮膚に共生していまして、人間の皮膚にもヒトニキビダニがおります。このダニは健康な犬にも極少量寄生しておりますが、シーズーなどの一部の犬種と何らかの原因で免疫力が低下した犬では爆発的に増えてしまう事があり皮膚病が発症します。
皮膚の中に住んでおりますので通常の外用薬ではなかなか駆除できません。医薬品として認可されている薬剤や認可されている投与方法では治療は難しいのが実情です。ニキビダニを減らす事と二次感染による化膿を抑える事が主な治療になります。ステロイドが入っていると悪化する事がありますので、痒みや炎症が強くても副腎皮質ホルモンは使えない事が多いようです。
以下の治療は無認可の方法なので主治医の先生とよく相談しながらの治療になるでしょう。
ダニカットなどの有機リン剤による薬浴・イバメクチンの定期的な注射・ミルベマイシンの大量投与などです。もちろん抗生物質の投与も併用する事になるでしょう。
ただしこれらの方法を用いても完治させる事は難しく、再発の可能性はとても高いと思います。どうか根気良く治療をしていってください。
この病気の治療はどうしても獣医師の説明と飼主の選択、そして自己責任・承諾の上での治療開始という流れが出てきますが、どれも経験的にはよく使われ安全性の高い効果的な方法ですので、よく説明を受けて治療を選択してください。
2006/02/24 15:12 参考になった! 0
今道 昭一 先生からの回答
6歳でアカラス(ニキビダ二)を発症するということは、基礎疾患の評価が絶対に欠かせません。治療の成否はここにかかっています。
たとえば、アトピー性皮膚炎で長期間ステロイドを使用しているとアカラスが発症することがあります。
この点をまず評価して下さい。
また、栄養状態や内臓疾患も大きく関連します。
血液検査やレントゲンで内臓疾患を必ずチェックしておきましょう。
疑わしいならホルモン性の疾患も検討しましょう。
甲状腺機能低下症、クッシング症候群などです。
他にも様々な基礎疾患があります。
アカラスは健康なワンちゃんでは何ら問題を起こさず、体の抵抗力すなわち免疫力が低下したワンちゃんで発症するものです。
先にあげた疾患は全て免疫力を極端に低下させます。
特に成犬の場合は基礎疾患を見つけてこれを治療しなければいけません。それと同時にアカラスの駆虫をして下さい。
アカラスの駆虫薬は様々なものがあります。
しかし、駆虫薬で一旦改善しても基礎疾患が完治しなければ、アカラスは再発することが多いです。
くれぐれも全身の検査を怠らず、その後に治療を開始して下さい。
2006/02/24 19:03 参考になった! 0
ニキビダ二症と言われた
シーズーの雄,6歳,体重 7キロ。
昨年11月より、3箇所赤い斑点(直径2センチ位)が出来、皮膚炎と言われ治療していたが、よくならず、また、胴回りに、1箇所出来ました。少し掻ゆみがあるのか,舐めることがある。 先日,先生が顕微鏡検査をされ、ニキビダ二がいると言われ、見せられました。非常に小さいダニで、退治が困難と言われた。
飲み薬と塗る薬で、治療しています。
ニキビダ二症の詳しい説明、注意点を,教えて下さい。