井上 平太 先生からの回答
すい臓の腫瘍は極めて稀とは言われておりますが、今後診断技術が進歩してきますと発見される場合が増えてくるのではないかと思われます。
すい臓の腫瘍はほとんどの場合、悪性です。しかし初期のうちは症状が出ないために、存命中に発見することが難しい物です。
すい臓はとても重要な臓器で、なおかつ解剖学的に摘出の難しい構造であり外科的にも困難な場所に存在いたします。そのため、獣医領域ではまだまだ外科的治療は一般的ではございません。また、抗がん剤治療も今だに確立されているとは申せません。
ドナちゃんの場合には嘔吐などの症状が出ておりますので、これが膵臓癌に起因するものだとすると、周囲臓器への浸潤が始まっている可能性が疑われます。本当に辛いことですが、現状を受け止めなければいけません。
膵臓は内分泌と言ってインシュリンなどのホルモンを分泌する作用と外分泌と言って脂肪の消化を助ける働きがございます。それらの働きが癌により異常亢進するのか衰退するのかにより、出てくる症状が異なります。そのあたりをしっかりと検査しておいて、それにあわせた治療を行っていくことが不快感を与えずに保存療法を行う決め手になります。
特に血糖値がどうか、肝酵素や膵酵素の値はどうなのか、脂肪の吸収はどうか・・・、このあたりが予後の判定に重要になります。
まことに残念ながら治癒を目標にする治療法がお示しできないのが現状なのですが、一つ一つの症状を少しでもやわらげる治療は行えますのでがんばって続けてください。
どうかお大事にしてください。
2006/11/19 22:56 参考になった! 0
投稿者 さん からの返答
井上先生
お忙しい中、お返事頂きまことに有難うございます、やはり本当にまれな病気なんですね。主治医も今までにすい臓がんの犬は一匹しかみたことがないとおっしゃってました。
試験開腹したのですが、他の臓器にも転移していた為何のなす術はありませんでした。今後は少しでもこの子の痛みを和らげるように治療を続けて行きたいです。有難うございました。
2006/11/26 10:56
北森 隆士 先生からの回答
大きく分けて、内分泌系の腫瘍(インシュリノーマなど)と
外分泌系の腫瘍があります。内分泌系のほうは、まれに出会いますが、外分泌系のものは、極めて稀で、私は1回しか見たことがありません。このどちらかが分からないとなかなか正確な解答はできません。摘出術が基本だと思いますが、既に転移があれば、
それもなかなか困難なのかもしれません。
ただ、どのタイプのものでも、腫瘍の末期は、痛みを伴うことが一般的です。その際のケアーは、担当の先生と十分話し合っておくべきです。
2006/11/20 00:24 参考になった! 0
投稿者 さん からの返答
北森先生
お忙しい中、お返事頂きまことに有難うございます。末期はそうとうの痛みが伴うのですね、何とか安らかに天に召されるのを祈るばかりです。病気の事を知り、精一杯の事をしてやりたいと思っております。有難うございました。
2006/11/27 12:24
すい臓がんについて
お世話になります。前回10月30日に嘔吐を繰り返すということで質問させて頂いたドナちゃんのママです。
度々質問して申し訳ありませんが、検査の結果転移性の悪性の膵臓癌と診断されました。犬の膵臓の癌はめったに無いようで、web等で調べても該当するものが無くどのような病気なのか教えていただきたく質問させて頂きました。腹痛と嘔吐を繰り返しています。
可愛い我が子の最後の日まで精一杯みてやるのが飼い主の務つとめだと思っております。ただ、この子の身体を蝕む癌のことを知っておきたいと思い質問メールいたしました。
どうぞ宜しくお願いいたします。