だいじょうぶ?マイペット

瞳孔が開いた状態が長く続いています

質問カテゴリ:
目の異常

対象ペット:
/ マルチーズ / 性別不明 / 年齢不明

質問者:
神奈川県 / ぽちころりんさん

 
2007/01/26 13:55

お忙しい中を申し訳ありません。
早速ですが、9歳のオス猫の目の異常について、ご相談させてください。
なお、この猫は、家猫で、3歳のときに、尿路結石のために治療を受けた既往があり、以降、治療用の食事をとっていて、至って健康でした。ワクチンも毎年、更新して接種しております。

今回の病歴ですが、先週、1月16日夕方、家内が帰宅したところ、いつもは玄関まで出てくるのですが、リビングに小さく身を縮めていて、「うっ、うっ」と呼吸が荒い様子だったため、職場に連絡を受け、帰宅後いつもお世話になっている動物病院に連れて行きました。
耳は熱くないと思いましたが、肛門計にて体温が39.3℃あることがわかりました。既往の尿路結石を心配し、一晩入院して様子を見ていただくことに成りました。この間、点滴と抗菌薬の投与を注射にて行ってくださったそうです。

翌日17日午前、病院にうかがったところ、解熱して尿も出ており、心配ないでしょうということで(具体的な診断名はいただいておりません)、抗菌薬のBaytrillを50mg/回、1日2回5日間服用するようにとのことでいただいて帰宅しました。幸い、元気で、いつもと変わらない状況(少し、よく鳴くくらいでしたでしょうか)で、食欲もあり、一安心しておりました。
帰宅した日は、いただいた抗菌薬は与えてすぐに吐き出したので、無理せず、翌日から与え始めました。先生から5日間といわれたのですが、抗菌薬は3日間でもよいかと思い、20日土曜日に終了しました。

その翌日ごろから、少し、まるでシュレックの映画に出てきた猫ちゃんのように瞳がうるうるしているように感じていましたが、よほど気にしてはいませんでした。
しかし、23日火曜日には瞳孔が開いた散瞳状態が続き、心配になりました。ただ、視力はあるようで、周囲の確認はできているように見えました。
24日、水曜日、いつもの動物病院の先生に電話でご相談しましたところ、「理由はよくわからないけれど、様子を見ていってください」とご指示をいただきました。

念のため、インターネットで調べたところ、「散瞳」に関連して、エンロフロキサシンの非経口投与にて、網膜色素変性症、失明が記載されてあるのを見て、驚きました。
このまま見えなくなってしまうのではないか、不可逆的な変化ではないのか、と不安になり、都内の猫の目について詳しいという病院に25日、電話で問い合わせてみたのですが、当然、先生はお忙しく、コメディカルと思われる方が対応してくださり、このエンロフロキサシンによる場合は回復は難しい、と伺いました。

私は、病院勤務の小児科医をしているので、その話を聞いた後、眼科の先生に少し話を聞いてみました(おそらく、この抗菌薬の名前からキノロン系かな、と考えて)。見えているようであれば視力は維持できているだろうこと、抗菌薬で網膜色素変性はヒトではきいたことがないこと、瞳孔の調節がすこしでもできれば視力は大丈夫ではないか、ということをききました。

幸い、短い時間だけど少し瞳孔がいつものように閉じていたと、家内からの連絡も受けたので、少し安心はしたのですが・・。

今日も、やはり瞳孔は大きく開いているように見えます。日常の行動は普通です。
もともと調子を悪くした発熱性疾患が背景か、抗菌薬が背景か、いずれにしても、この猫の目に関して、何かしてやるべきことはないでしょうか。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

こんにちは、ぽちころりんさん。
くろじろうくんの目の異常、大変驚かれたことと思います。

バイトリルの投与による、瞳孔の散大や盲目症といった、視覚障害は、私も1999年の終わり頃にバイエルからのレポートをいただいたのが最初です。その後、獣医師会雑誌にもバイエルからのインフォメーションレターが掲載されました。(2000年)
それによりますと、きわめてまれではありますが、バイトリルの投与により(経口、非経口投与に関わらず)上記の副作用が引き起こされる可能性があります。
一時、バイトリルの薬剤用量の表記が猫の場合5mg/Kg/dayが5-20mg/Kg/dayの表記に変わってからの障害発生でしたので、バイトリルの投与量との関連も示唆されており、結果的にその通りのデータとなりました。(現在は犬5-10mg/Kg/day 猫5mg/Kg/day)猫に対して、5mg/Kg/dayの投与では副作用は見られないのですが、場合により投与量を増やした場合にこれらの副作用の起きる可能性があります。
その後の研究で、これらの猫には、タペタム反射の増加や網膜管の衰退を徴候とした、広汎な網膜変性が見られるとの報告が見られました。

今後の生活の注意なのですが、散瞳が少しずつ改善されれば、視力が戻ることもあると思いますので、普段の生活では、あまり明るいところでの生活は避けるようにして、網膜への刺激を抑えるようにしてはいかがでしょうか。
上記のデータ等については、質問をいただいたぽちころりんさんもご存知のこととは思いましたが、公共性を持たせるため追加させていただいております。
どうぞ、お大事に。

投稿者 ぽちころりん さん からの返答

是松先生。
このたびは、お忙しいなか長文の質問をお読みくださり、またお心のこもった回答を早速いただきましてありがとうございます。夫ともども先生のご回答を読みながら涙が出てきました。実際には今後どうなるかわからなくても、「視力が戻ることもあると思いますので」というお言葉、飼い主の私たちにとって大きななぐさめと励ましになりました。「明るいところでの生活は避けるようにして」との具体的なアドバイスもありがとうございます。このことに気をつけながら、これからもくろじろうと楽しく生活していこうと思っております。
本当にありがとうございました。

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