遠藤 薫 先生からの回答
こんにちは。
先天性の横隔膜ヘルニアだとすると、避妊手術やその後の再手術そのものにかなりのリスクがあったと考えられます。お腹を開いた瞬間、自発呼吸(自分で呼吸すること)ができなくなり、人工呼吸が必要となります。避妊手術中に横隔膜ヘルニアに気付いたならば、手術中に緊急でお電話差しあげ、その対処について私なら相談します。
また、術前のレントゲン検査をしているならば、当然気付きます。
横隔膜ヘルニアがあることで腹膜が薄い、とのことですが、閉腹(お腹を閉じる)する場合には、腹膜の縫合は今の手術法ではおこないません。お腹の筋肉の筋膜を縫合することで強度が保たれます。腹膜にはお腹の圧を抑えるだけの強度はありません。
おそらく腹膜ではなく筋膜ではないでしょうか?
いずれにしても、現在手術部も問題なく元気にしているのであれば、呼吸困難に気を付けて、定期的に診察を受けられることをお勧めします。外傷性の横隔膜ヘルニアと比べて先天性の横隔膜ヘルニアの手術治療よほどの事がない限りおこないません。症状がなければ手術治療は行わない方がよろしいと思います。
2010/12/16 09:35 参考になった! 1
投稿者 ちびこ さん からの返答
さっそくのご回答本当に感謝します。ありがとうございます。
手術中にお電話いただき横隔膜を整復しますと言われたのですが、数分後また電話があり欠損部分が大きすぎるため、今回はできないと言われました。
後、ご指摘のとおり筋膜かも知れません。胸部の部分は筋肉同士をくっつけていますのでもろいですと言われています。
いちごは肝臓の一部だけが肺側に移動しているだけで他は移動してなかったようです。
どちらにしても今後も危険が伴うこと、リスクが高いことは承知しました。
少しでも長生き出来る様飼い主として最大限のことをしてあげたいと思います。
本当にありがとうございました。
2010/12/23 09:35
先天性横隔膜ヘルニアについて。
こんにちは。今回はいちご(トイプードル♀1歳5カ月)について質問いたしました。長文になりますが宜しくお願いします。
すべて話すとあまりに長文になるため、要点だけをまとめて書きます。
・先日(12/4)いちごに避妊手術を受けさせることにしました。
・2,3日後縫合箇所が腫れているのかぽっこり出ているのを発見。
・1週間後抜糸の際見ていただくと「合併症なので、即入院、即手術、
術後もしばらく入院」と頭ごなしに言われた為、不信感を持ち
セカンドオピニオンを受ける
・次の病院では手術ミスの可能性が高いので話し合うように言われる
・施術して頂いた病院の院長先生とお話をして(避妊手術は別の先生が
しました)どういう可能性があるかなど納得できる回答が得られたの
で再手術をお願いする。
開腹した結果わかったことは、
・腹膜が他の犬より薄いこと(胸部の部分は腹膜が欠損している)
・先天性の横隔膜ヘルニアがある(欠損部分が大きい)
院長先生がおっしゃるには、横隔膜にヘルニアがあることで腹膜も薄くなり今回腹部が剥離したのではないかと言われました。
手術の際に横隔膜ヘルニアが見つかったのものの、欠損部分が大きく今回その予定ではなかったので用意がないと言われてそのまま閉じましたが、横隔膜にヘルニアがあるので、他の犬に比べ肺活量がないため、麻酔は普通の犬よりも危険が大きいし、腹膜の一部欠損や、パテラなど先天的異常が多いため、手術するなら心臓の検査をして奇形や異常がないかなど検査してから手術したほうがよいともいわれました。
現在は退院して自宅療養中ですが、またお腹がやぶれてしまったらどうしようと、少し動いただけでも気が気じゃなく、ケージにいれっぱなしで、腫れものに触るような状態です。
インターネットで調べてみると横隔膜ヘルニアの手術はかなりハイリスクとあります。このまま何か症状が出るまで経過を見ていてもいいのか、それとも体力がつき次第早期に手術するべきなのか深刻に悩んでいます。
また剥離してしまう可能性は高いのか、今後どのような方向でいくべきなのか専門家の方のご意見を聞きたく質問させていただきました。
ちなみに、今まで横隔膜ヘルニアで出るであろう症状は全く出ていませんでした。食が細い以外は元気もあり、散歩も大好きです。
どうかご意見お聞かせ下さい。
宜しくお願いします。