牧口 香絵 先生からの回答
こんにちは。
犬と猫の問題行動の治療を専門としております、獣医師牧口香絵と申します。
15歳という年齢を考慮すると去勢や歯を削るための手術を受けるリスクも考えなければいけません。
また、去勢をすることで攻撃行動は100%改善は見られず、攻撃をするワンちゃんが不安や葛藤によりご主人さまを攻撃している場合は去勢をすることで攻撃行動が悪化する可能性もあります。
通常去勢で攻撃行動が下がるのは他のオス犬に対する攻撃性です。
ご家族を攻撃していしまうワンちゃんの大半は飼育されている環境やしつけや接し方に葛藤や不安、苛立ちを感じて生じます。
また、25キロほど体重があるワンちゃんの歯を削っても、怪我の度合いが多少少なくなる程度に過ぎません。
よって、上記の2つの処置を受ける場合は動物福祉やワンちゃんの健康面、そしてなぜ攻撃をしてしまうのかといった感情をきちんと理解してあげることが大切です。
また、現在では人と犬の間には優性・劣性という関係が成立しないことが分かっています。
(犬どうしでは存在します)
よって、攻撃をするワンちゃんに威圧的な態度でしつけをいれたり、おどしたりと人間がエライ、強いといった態度で対処をすると攻撃性はどんどん悪化していきます。
攻撃行動はいつから始まったのか?またその行動が悪化しているのかどうか?など細かく見ていく必要がありますし、肉体的な疾患(ホルモンの異常、痛みやかゆみの存在、内臓疾患など)
の有無も確認する必要性があります。
この問題は厳しい訓練(過度にリードを使用ししつけをいれる、優位性を高めるようなしつけをいれる)を推奨される方ではなく、ワンちゃんの行動治療(人でいうと診療内科)ができる
獣医師またはドッグアドバイザーまたはトレーナーにアドバイスをいただく必要性があります。
ワンちゃんのサイズを考えるととても重大な問題ですのでお早めにアドバイスをいただいてください。
2011/08/20 17:06 参考になった! 0
犬の噛み癖
はじめまして。当方の両親が買っている15歳の柴犬について質問いたします。両親がろくにしつけもしなかったせいもあり、飼い始めのころから噛み癖がひどく、家具をはじめとした家財道具を壊したり、両親をはじめとして家族が実家に戻る際には必ず誰かが噛まれるといった状況でした。去勢だ歯を削るだといったことも検討するようにアドバイスしましたが父親が了承せず(「かわいそう」という理由で)結局対応しないままでした。最近になって父親の顔を噛んだというニュースが飛び込んできて驚いています。ようやく歯を削ることに父親も同意し、今月末に手術の予約をいれたらしいのですが当方の疑問は15歳の老犬ですが体格が大きく(体重は不明ですがおそらく25KGぐらいはあると思います)、噛み癖といいますか主従関係が逆になっているような状況が長年続いている状態で歯を削ったとしても効果があるのか、ということです。かといって今からしつけスクールにいって治るものなのかという疑問もあります。もっと早くに対応すべきであったと思うのですが、結局両親も老年ということもあるのか、対応もままならず、ずるずると今日まで来てしまいました。当方は海外在住のためうまいこと対応できないという状況もあり、何か妙案がございましたらと思い質問させていただきました。よろしくお願いいたします。