牧口 香絵 先生からの回答
こんにちは。
ワンちゃん、ネコちゃんの問題行動の治療を専門としております獣医師牧口香絵と申します。
太郎君も新しい環境での暮らしに不安があったことだと思います。
去勢をするタイミングはもっと新しい環境に慣れてからのほうがよかったように感じます。
またストレスが関わるマーキングの場合は去勢をしても再びマーキングするネコちゃんもいます。
施設からきたネコちゃんにはさまざまなトラウマや悲しい過去があるネコちゃんが多く、そのネコちゃんたちの心を開くには時間が必要です。
時間をかければ慣れるというよりも、時間をかけて新しい家族が安全な存在であることを太郎君に理解してもらうように働きかける必要があります。
以下のことを行ってみてください。
①しばらくの間(どの程度不安かにより行う期間は異なりますが1週間ほどで行動の変化がでてくるはずです)はアイコントやしゃべりかける、こちらから距離を縮めて近づくことをお控えください。信頼していない相手にアイコントをされたり、話かけられるのは不安を感じます。
② 私は治療の行動治療の一環でバッチフラワーレメディを使用します。特に香りや味のないレメディはネコちゃんの心の問題にたいへん使用しやすいです。トラウマの改善のためのスターオブベツレヘム、不安を緩和するミムラス、苛立を緩和するインパチェンス、そして新しい環境に順応することを助けるウォルナットがお勧めです。
③ ①を行っていくとだんだんと太郎君の気持ちが変わってくると思います。苛立ちや不安が減ってきたら少しずつアイコントや
話かけを行ってみてください。
④またそっとおやつなど好きなものを床に落とす(相手に投げたりあたえるために近づくと現時点ではおびえると思います)ことも効果的です。食べ物は双方の距離を近づけてくれます。
大きな音や大きな声、ジェスチャーは怖がりますのでできるだけ静かに過ごすことも大切です。
一度持った不信感や不安は短時間では無くなることはありませんので時間をかけて心を信頼関係を構築することが大切です。
また、今後一緒に暮らしていく上で、太郎君のためのケージ(大きく高さのあるものです)に慣れさせていくことも必要になってくると思います。何か問題があった場合はその中でクールダウンしてもらうとよいと思います。
ケージも自ら快く入るように時間をかけて慣らしていきます。
好きなおもちゃやおやつ、爪とぎなどをケージにいれてあげます。
文面ではなかなか詳しくアドバイスしずらいですが、上記のことを行ってみることが大切だと思います。
2012/04/25 15:05 参考になった! 0
警戒心が強くなってしまいました
以前、里親になるに当たって、という質問をした者です。
保護施設から仮譲渡という形で、1ヶ月のトライアルで連れてきました。
緊張のため、シャーシャーと猫パンチが続き、3日ほどすると、マーキング行動が始まりました。
施設に相談したところ、そちらで去勢手術を受けて下さいと言われましたが、まだ触ることもできない状況でした。
ですが、マーキングが止まらないので、2週間目に無理矢理つかまえて病院に連れて行きましたが、かなり苦戦したため、完全に私を怖がっていまい、帰宅してからは、来た当初より威嚇がひどくなってしまいました。
病院に連れて行く前は、だいぶ心を開いてくれて、食事の催促をしたり、私がいる前でお腹をだして昼寝をしたりしていました。
それが、病院に連れて行って以後、離れていても私を見てうなり声をあげます。
当たり前の反応とはわかっていますが、こちらはつらいです。
これから、猫の信頼を取り戻すことはできるんでしょうか?
施設の方は、時間をかければ慣れます、とおっしゃっていますが、不安で仕方ありません。
いままで、もともと人なつこい猫しか飼ったことがなく、威嚇されるのも噛まれるのも初めてで、どうしていいか分かりません。
良いアドバイスをよろしくお願いいたします。