歯周病全身麻酔について

質問カテゴリ：: 歯・舌・口の異常
対象ペット：: 犬 / ミニチュアダックスフンド(ロング) / 男の子 / 8歳 3ヵ月
質問者：: 神奈川県 / 光希さん
: 2016/09/23 23:47

初めて質問させて頂きます。お願い致します。

先週、赤ちゃんの頃からずっと通っている病院で愛犬が歯周病と診断されました。八年間同じ先生にやっていただいてるのですが、その先生に「歯石を取るなら全身麻酔になるね」と言われました。
調べていると、全身麻酔にはそれなりのリスクがあり、最悪亡くなってしまう場合もあるとのこと……。

全身麻酔で歯石を取らないと歯周病は治らないのでしょうか？このまま歯磨きだけしていたらどのくらいで重症化してしまうのでしょうか？
また、保険外で治療するとどの位の治療費になるのか教えていただけると幸いです。

拙い文章ですがお願い致します。

井上平太先生からの回答

井上動物病院動物取扱業登録第５６-１０４号（埼玉県）

今日は。
まず最初に申しあげますが、現在ほとんどの動物病院で歯石除去などの歯科治療は全身麻酔下で行われております。
理由は安全性と確実な治療と動物に対する精神的ストレスの軽減です。
全身麻酔をしない場合のデメリットとしては、
①歯間や歯根ポケットの歯石が完全には除去できない。
②深すぎるポケットやエプーリスなどを見つけてもその場での除去ができない。
③痛みや無理に保定する事によるチアノーゼや失神や最悪心停止の危険がある。
④意識のある中で看護師がおさえて無理に口をこじ開けて種々の機械で治療をするため、恐怖感からトラウマになり、以降の治療が困難になる。
⑤不意に暴れてしまい器具で動物や施術者がけがをする危険性。
等が考えられます。

当院でもまれに麻酔なしで歯石除去をしてきた動物が診察にいらっしゃいますが、治療が不十分であることがままございます。
麻酔をしない危険性の方が麻酔をする危険性をかなり上回ると推測できます。
かなりの高齢犬で当院でも一部の歯石を外来診察で無麻酔で除去することはございますが、これは不本意なもので治療とは言えません。

尚、歯磨きだけで抑えられる程度なのか・費用はどのくらいなのかは、口腔内の写真とレントゲン像を添付して頂けないと何とも申し上げられません。ただ、８歳になるまでに一度も歯石の除去をしていないと考えると歯石除去なしに歯周囲病をコントロールすることは難しいでしょう。
麻酔のリスクがどのくらいかは、心電図・血液検査・胸部レントゲン像などから判断するものなので実際に拝見しませんと判断しかねるところです。
お大事にしてください。