井上 平太 先生からの回答
高分化型の扁平上皮癌と言う事ですね。癌と言うものは未分化なほど悪性度が高く転移や浸潤・再発を起こしやすいといえますので、癌の中では比較的おとなしい部類に入ると思います。
ただし切除縁の境界が不明瞭とのことですがこの事は「マージン上に腫瘍細胞と考えられる細胞が存在する」つまり体に残された指の付け根側に腫瘍細胞がある可能性が疑われ、これが増殖して再発転移の火種になる可能性が否定できない事を示しています。
脈管浸潤が見出せないと言う事は、リンパ管や血管内には癌細胞が見つかっていないので現時点では遠隔転移の可能性が低い事を表しています。
更なる拡大手術を考えるのか、抗癌剤を考えるのか、このまま様子を見るのかは獣医師と飼主の間でよく議論して決めていく必要がございます。医学的な正論だけでは決められないことです。
お大事にしてください。
2006/05/10 00:48 参考になった! 0
投稿者 みほ☆ さん からの返答
回答いただきありがとうございました。
概要の内容が大変よく理解できました、参考になりました。
抗がん剤に関しては切除してもらった病院では効果のあるものはなしといわれたので今の病院ではないと思います。先生とさらに相談して今後を決めて行きたいと思います。
コメントありがとうございました。
2006/05/17 12:48
今後の治療方針について
今年に入ってから左前足をいたがりはじめ、病院では関節炎ではということで様子を見ていたのですが一向に良くならず今月に入って中指の爪を追い出してしまうほどの腫瘍を発見し早速腫瘍を切除してもらい病理検査に出したのですが、結果が扁平上皮癌でした。病理の概要としては
『悪性腫瘍性病変である扁平上皮癌の浸潤性増生が認められる。隆起部真皮で、核小体明瞭な円形異型核と好酸性で豊富な細胞質を有する癌細胞が層状の配列で密に増生し、核分裂像が散見されています。隆起する病変を形成して角化傾向が明瞭に見られる高分化型の扁平上皮癌で、表層部には錯角化の顕著です。切除縁に及び、腫瘤境界は不明瞭となっておりますので、局所再発が考えられます。検索した範囲内では、脈管侵襲は見出されません。』
という結果でした。この結果をもらいすぐに中指を一本切除いたしましたが、今後はどのような薬を服用していけばよいのか?どういった検査を受けていけばよいのか参考としてご回答お願いいたします。