佐々木 厚 先生からの回答
こんにちは。
避妊手術は、現在では4-6ヶ月の発情前に行うことが
最良となっています。
日本人は、2人に1人ががんになり、3人に一人が
がんで亡くなっています。
死亡原因のNO1です。
犬猫の世界も高齢化がすすみ、人間と同じように
なってきています。
乳腺腫瘍は犬ではもっとも発生の多い腫瘍です。
雌の犬さんの全腫瘍の52%を占めるといわれています。
避妊手術と乳腺腫瘍の発生には大きな関連があります。
避妊手術をしていない犬さんの乳腺腫瘍の発生率は
してある犬さんの7倍です。
また避妊手術の時期がきわめて重要です。
初回発情前に行った場合の発生率は、していない犬さんの
0・5%です!
1回目の発情後の手術では8%、2-3回の発情後では26%、
4回以上の発情後では手術をしても発生率を下げることが出来なくなります。
なるべく早く避妊手術を受けるようにしてください。
手術の値段は、様々です。
理由は、
①術前の血液検査・ウイルス検査(猫)等をする病院としない
病院があること。
②術中の静脈内点滴をするかしないか。
③麻酔の種類とテクニック=ガス麻酔か注射麻酔か。麻酔薬の種類。
④麻酔時のモニターをするかしないか=血圧・心電図・パルスオキシメーター・カプノメーター等。
⑤低体温を防ぐために、温水循環式の保温マット等を
使用するかしないか。
⑥一人で手術するか、術者・助手・麻酔医のチームでするか。
⑦術前・術中・術後の鎮痛剤を使用するかしないか。
⑧手術当日に退院か、2日か、3日か。
⑨使用する糸の種類と価格。
⑩手術する獣医師の技術。
⑪毎回、滅菌した手術専用ガウンを着て術者も助手も手術を行うのか。
これらは、人間の手術とまったく同じです。
値段が安いのにはすべて理由があります。
高いのにもきちんと理由があります。
人間では、日本は自由診療ではなく①-⑪のどれでおこなっても
値段は一緒ですが、これは税金でまかなっているためで
本来は大きな差があります。
自分が犬さんと同じ手術を受ける場合、
①-⑪のどういう方法で受けたいのかを良く考えて
ホームドクターはどれに該当するのか、
その理由はなぜかをきちんと聞いてから
一生に一度の手術を受けさせてください。
極端な場合を例外として、医学・獣医学の料金は
①-⑪をきちんと行い、高い技術の手術をするかどうかに
比例します。
人間の医者も言っているように、
安くて、安全で、レベルの高い医療は存在しません。
日本人の幻想です。
安全で、レベルの高い、痛みのコントロールと
術後のケアを十分に行うほど医療費は高くなります。
国民皆保険は悪い制度ではありませんが、
日本人に現実離れした錯覚をもたらしたといえます。
値段で病院を選ぶ飼い主がいますが、
どうしてそれが間違っているかは、
お分かりと想います。
選択するのは飼い主しかいません。
動物は選べないのです。
お金のことをきちんと質問して理由を聞けない関係ならば
それはホームドクターとはいえません。
自由に費用のことをざっくばらんに聞いて説明できる
医者と飼い主の関係が、
信頼しあえるホームドクターの第一条件だと想います。
以上、お役に立てれば幸いです。
2006/05/30 17:25 参考になった! 0
投稿者 さん からの返答
ご丁寧に解説して頂き、有難うございます。かなり理解させて頂きました。すぐに「かかりつけの病院」に①~⑪項目を質問し、早期手術に向けて、検討していきたいと考えています。本当ご丁寧に有難うございました!
2006/06/06 05:25
避妊手術について
初潮を迎え、飼い主としては・・・痛そうな表情が苦痛でしょうがありません。。。
『チワックス』の犬種なので、子供を将来産ませる予定もありません。
かかりつけの病院では、早期避妊手術を行う方が良いと聞きました。
「避妊手術」のお値段は、いくら位かかるのでしょうか???
病院それぞれでしょうが、平均でも結構です。
また、乳歯が抜けてイナイという事で、「避妊手術」と共に抜くような
お話も聞きました。
かかりつけでは、ありますが・・・
お金の話を伺うのが、失礼ではないかと思い、深く聞けませんでした。
お答え頂ければ、幸いです。