佐々木 厚 先生からの回答
こんにちは。
グレード2の陰嚢の肥満細胞腫ですね。
ここに出来る場合悪性度が高いといわれてきましたが、
現在では否定されています。
ただこの腫瘍は大きく最初に切除しないと、
(左右に最低でも2CM.深さは筋膜1枚切除)高率に再発します。
病理では、
①完全切除ができているか。
の情報がありませんので必ず確認してください。
脈管浸潤があるということは、転移の可能性を
示していますから、
腹部の超音波検査、
領域リンパ節のバイオプシーをおこなって
リンパ節転移、遠隔転移の有無をきちんと調べて
進行度をだしてください。
局所の再発を押さえる最善の方法は、完全切除でないなら
再手術あるいは放射線療法です。
完全切除なら必要ありません。
全身に転移している可能性が、
上記の検査で濃厚であれば、抗がん剤の治療も
考慮に入れます。
抗がん剤は、局所の再発を防ぐ目的で使用するものではありません。
局所の再発を防ぐ最善の方法は、手術か放射線療法あるいは
二つの組み合わせです。
肥満細胞腫に対する抗がん剤療法は効果が高くなく、
副作用もありますから、
あきらかに転移があるばあい、
グレード3のばあい、
全身性のばあい、
どうしても手術不可能な場合、
に使用します。
この子の場合は、転移の可能性が問題になりますが、
病理検査だけでなく、きちんとした全身の評価を行って
抗がん剤を使用すべきかホームドクターと相談する
必要があります。
局所の再発の問題と、転移の問題は別です。
2006/07/11 18:31 参考になった! 0
投稿者 とびきりげんき さん からの返答
お忙しい中ご丁寧な回答を頂きまして、
有難うございます。
転移と再発が別個の事認識不足でした。
検査報告書には、ペニス脇は良性腫瘍でその辺縁は良く切除されていますとあり
陰のうは辺縁が不明瞭でpatnaikの分類でグレートⅡに相当します。とあります。
ドクターも脈管浸潤があるので転移を抑える
意味でステロイド投与と云ったのかもしれません。
今までが元気のゲンちゃんできましたので
病気に付いて無知で、ドクターとも相談の上
私自身も勉強して、取組んでいきたいと思っています。 本当に有難うございました。
2006/07/18 06:31
肥満細胞腫 病理組織検査 GradeⅡの今後について
8歳10ヶ月のmix雄です。ペニス脇にしこりを発見し、
5日摘出手術とついでに去勢を致しました。手術時に陰のう
の皮膚に別の腫瘍が見つかり、それも除去して病理に出した
結果が、陰のうの方が肥満細胞腫 所見;表皮下~深部に、
やや顆粒の豊富な肥満細胞(大小不同 類円形ー不整形核、
核仁、時折り明瞭)が、時折りの分裂像を有し、塊状ー播種
性に増殖しています。 脈管浸潤有りの検査報告書のコピー
を頂いてきました。
先生からは再発するかも知れないので、抑える意味で化学療法 ステロイド投与を(6ヶ月間)薦められました。が、
op後も順調、食欲旺盛でとびきり元気です。
薬の副作用などで逆に、身体にダメージを与えたくなく、
選択肢は色々ある様なのですが、何をしたら一番ベストなのか、ご意見を伺いたく宜しくお願いいたします