是松 壮一郎 先生からの回答
こんにちは、SACHIKOさん。
詳しい話は、大学病院での診察、検査を行なった後、骨盤内の膀胱や、直腸、腸間膜、子宮などとの癒着の具合を見てみないと申し上げられないのです。
例えば、単純に膀胱の一部が骨盤内と癒着しているといっても、膀胱の「どの部分」が「どの臓器」と癒着を起こしているかによって術式もまったく異なりますし、予後も変わってきます。
獣医師によっても、そのアプローチ方法は異なってくるでしょう。
ただ、大学病院での診察を受けられる前に、簡単な心構えだけ、お伝え出来ればと思い回答させていただきます。
大学病院での検査を終えた際、飼主さんとして、きちんと獣医師に確認を取るべきなのは、今回見つけられた事故の後遺症が緊急に手術を要する異常なのか、それとも、頻尿や膀胱炎などに気をつければ様子を見ることも出来る後遺症なのかという点だと思います。
骨盤内で癒着を起こしている臓器を分離したり、正常な位置まで戻したりといった手技は、比較的高レベルの手術になり、場合によっては、尿管の再建等も必要になり、患者への負担も大きくなります。
無理に手術をするよりは、体の異常とうまく付き合っていくことが望ましい場合も多くあります。
今回の異常がどの程度のものかはっきりしていない現時点では多くはアドバイス出来ませんが、飼主さんとして、上記の点はよく確認してください。
現在、頻尿以外の点が問題ない様ですので、手術をせず、様子を見ても大丈夫な可能性も多くあると思います。
あまりご心配にならないよう、骨盤や膀胱の状態を詳しく知ることが出来るいい機会だと思って、診察、検査の日が来るのをお待ちくださいね。
また、骨盤内の状況がわかった時点で、不妊手術についての問い合わせもしてもらえればいいと思いますが、おそらくは、不妊手術は膀胱の異常とは関係なく可能だと思います。
参考になれば幸いです
どうぞお大事になさってください
2007/12/12 17:04 参考になった! 0
投稿者 SACHIKO さん からの返答
丁寧なお返事ありがとうございます。
普段はとても元気な猫なので、骨折の過去・手術の可能性などを聞いて少し動揺してしまっていたのですが、おかげさまで落ち着くことが出来ました。
指摘していただいた点をしっかり確認して、よくお話を聞いてきたいと思っています。ありがとうございました。
2007/12/19 05:04
骨盤骨折による膀胱の異常
はじめまして。二ヶ月前に拾った猫のことで相談させてください。
拾ってすぐ病院に連れて行き色々処置・検査してもらったところ尿に潜血があり、トイレの回数も多い(4~6回)ということで、膀胱炎と診断され、消炎剤と抗生物質を投与してもらい、療法食(ウォルサム・urinary2)を食べています。
なかなか治らないため通常のレントゲン・造影剤を入れてのレントゲンを撮ったところ、この子は以前に骨盤骨折しており、不自然に癒着していること、おそらくはその際の影響なのか、膀胱が骨盤の中に入った形になっていることが分かりました。その為膀胱が狭くおしっこを溜められず、炎症もおきやすいようです。事故の時期が分からないので手術して膀胱を引っ張り出せるのか、癒着してしまっているかは現状では分からないとのことです。
大学病院での受診を勧められ、予約をしたのですがそれがかなり先のことなので、心配ばかりが募ります。
もし手術となればそれはかなり大手術なのでしょうか。どんな手術が考えられるのでしょう。
また通常ならば避妊手術を考える時期なのですが、その兼ね合いはどう考えるべきなのでしょう。(どちらを優先させるべきなのか、同時に出来るものなのか、そもそも避妊手術は出来るのか)
現状は頻尿以外は食欲も旺盛で、排便も良好で元気です。よくなついて家族の一員です。すっかり健康になって欲しいという思いはもちろんなのですが、手術のリスクを思うとこのままの状態で現状維持ではダメなのだろうか?、と言う気持ちもあります。
大学病院での診断は無論まだですが、セカンドオピニオン的に(この場合ファーストになってしまいますが)専門家の意見をお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。