縄田 龍生 先生からの回答
震災、原発事故で私たちの想像を絶する御苦労をされているかと思います。
まず、去勢手術の目的の大部分は、将来の病気を防ぐというものです。
お困りの様な、性格を変えるために去勢手術をしても、チョコちゃんの場合改善する確証はありません。
今まで他の犬との接触が少なかった事が、今の他の犬に対する攻撃性を形成していますので雄性ホルモンの影響はほとんど無いかもしれません。
とは言っても多少の改善がみられる場合もあります。
被爆の影響は全く考えなくていいです。
手術のリスクが上がる事もありませんし、余命が短くなる事も無いと言ってもいいかと思います。
しつけにより改善していく事が最善の策ですが、簡単ではありませんので、専門家(行動学者)による長期間の根気のいるしつけになります。
御主人さまが何を持ってオスらしさを感じるのか分かりませんが、攻撃性をそう思っているのであれば、そもそもの攻撃性を無くすことに反対しているという事になりますので、御夫婦でよく話された方がよいとおもいます。
チョコちゃんにとって一番の幸せを考えるのであれば、
当然去勢手術をするべきです。
以下の効果が考えられます。
①前立腺炎、肛門周囲腺腫・腺癌、会陰ヘルニアなどの病気を防ぐ。
②雌犬の発情によるストレスの軽減。
③多少なりとも攻撃性が軽減される可能性。
④散歩をされるお父様のストレス軽減。
2011/08/15 18:36 参考になった! 0
投稿者 りんどう さん からの返答
この度はご多忙の中懇切お答えくださりどうもありがとうございました。福島に戻る日が一週間を切り、チョコをどうするか気になっていたのでとてもホッとしています。早速近くの動物病院を探して手術を受けさせたいと思います。
2011/08/22 06:36
福島県から連れてきた犬の去勢について
3年前に劣悪な環境から引き取り、初めて犬を飼い始めた者です。いろいろ検索して調べましたが決心がつかず、悩んでいたところ貴ページを見つけました。専門家の先生のご意見をおききしたく思います。
雑種推定5歳オスについてです。福島県から放射線と地震の恐怖に耐えられず、犬を連れて実家に身を寄せて2か月になろうとしています。遅くとも年末までに福島での生活に見切りをつけるため、転居の準備が完了するまで実家で預かってもらうために犬の去勢をすべきかどうか悩んでいます。
実家の環境が福島と全く異なり、朝晩の散歩の度に私も父もとても神経を使っています。
福島にいる時に他の犬に反応する時もありましたが、田舎なので散歩中に犬に出会うことは少なく、庭でつないでいるときに散歩中のよその犬に吠えるくらいでおっとりしたマイペースの犬だと感じていました。
去勢をした方がよいというのは犬の散歩を今後も進んで引き受けてくれるという父の意見です。実家も犬を飼うのは初めての経験です。家が密集しているので、散歩中毎回いろんな種類の犬に出会います。犬の姿も見えないのに突然ぴたっと足取りが止まり、鼻をクンクンし始めます。そして遠くに見えた小さな犬にでも反応します。尻尾を横に大きく振る時や、先をちょろちょろふったり、くるっと『し』のようにくるんとまるめたまま足をふんばり、引っ張っても抵抗して動きません。犬が近づいてきたり、筋向いにであった時にはうーと威嚇をしたり、後ろ足でたちあがりキーキー鳴いたり、ワンワン吠えたり大変な騒ぎです。実家での生活が始まって間もないころ、散歩中、向こうからやってきた犬と吠えあいになったときに私の犬に足をかまれてしまいました。チョコは私の足を相手の犬と間違えたような勢いで噛んだように思います。それ以来母は犬を怖い存在だと思っています。現在は他の犬とあわさないように車で広い公園があるところまで連れていって散歩させています。口輪とハーネスを嫌がりますが散歩中つけさせて40分ほど散歩しています。
私は犬の去勢にとても不安があります。
放射線の害が手術に影響しないかについてです。
避難区域ではありませんが、中通りにすんでいます。15日の風向きで汚染されてしまいました。本震の時は私に抱きかかえられる中、犬小屋が目の前でごろんとひっくり返ったり、庭の地割れ、家のガラスが割れ、飛び散る恐怖を犬も経験しました。当日の夜はくねくねと嫌がるのを無理やり家の中に入れ、初めて一緒に寝ました。余震の度にキイと声をだし震えていました。私の姿が見えなくなると悲しそうな高い声を出したり、キャンキャンと泣き叫ぶような声をあげたり、そばによるとぴたっと体を私に預けるようにじっとしていました。だんだん食欲がなくなり、ひっくりかえって抵抗してしまい、それ以来外で過ごさせました。数日後には犬小屋にも入らなくなり、わずかばかりの屋根の下で雨雪にさらされていました。隣の畑や田んぼの土ぼこりをかなり吸っていると思います。暖かくなってからは先の細くとがった雑草を散歩中によく食べていましたので人間同様、内部被ばくは避けられないと思っています。水は井戸水でした。こちらに来てからは草には見向きもせず、全く食べなくなりました。
被曝で余命が短いのならただでさえ大嫌いな動物病院で不安な思いをしたり、手術で痛い思いをさせたくない。1000キロ以上の初めての車移動に耐え、犬可の宿が見つからず、一晩車の中にとじ込め辛い思いをさせてきたので、しつけで他の犬に対する態度が治せるものならと考えています。夫はオスらしくなくなるからという理由で去勢はさせたくないという考えです。
大変長文になりすみません。犬にとって一番幸せな方法をとりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。