肝リピドーシス

肝リピドーシスは種々の原因で一定期間食事ができず、体脂肪を分解して栄養源にする異化が起こることにより生き延びた結果として発症します。
脂肪が分解してできるケトンなどの酸性物質により血管そのものが傷ついたり肝細胞も壊死をお越し重篤な状態に陥ります。
ある程度症状が落ち着くまでは点滴で必要な栄養分を補い体の異化促進状態を抑え、嘔吐が収まり症状が落ち着いたら早めに口からの食事を始めた方が良いとされております。
しかし、あまり焦って口から与えると、さらに嘔吐し電解質バランスを崩したり急性膵炎の一因になる事もあり、慎重な判断が必要になります。
先ずは水を与える・液状の食事を少量あたえる・消化の良いペースト状の食事を始める・・・と、ゆっくりと進めていきます。
肝臓は非常に再生能力の高い臓器です。気を付けて治療に取り組んでいけば、黄疸を起こしていても生還が十分期待できます。
ただし、そもそもなぜ肝リピドーシスになるほどに食欲が廃絶したのかが重要です。基礎疾患がないかどうかも診断していかなければ予後の事は推察できません。
どうかお大事にしてください。

 2016/08/18 22:49 参考になった！ 0