原 大樹 先生からの回答
はじめまして。
約2年前の検査で「薄く陽性」と言われたとのことですが、迅速検査の判定線は、薄くても判定時間内に現れたものであれば原則として陽性として扱います。ただし、1回の弱陽性だけで生涯にわたる持続感染が確定するわけではなく、偽陽性や一過性の抗原血症もあるため、追加検査や再検査で確認します。
猫白血病ウイルスに感染した後の経過は、主に次の3つに分けて考えます。
①感染排除
ウイルスを早期に排除し、通常の検査では検出されなくなる
②退行感染
ウイルスの遺伝子は体内に残るものの、増殖が抑えられる
③進行感染
ウイルスの増殖が持続する
現在、元気・食欲があり、体重も安定した状態で2年間経過していることは良い材料です。ただし、元気に生活していることだけで、感染が完全に排除されたのか、体内で抑え込まれているのかを区別することはできません。
現在の状態を客観的に確認するのであれば、ABCDガイドラインを参考に、次の検査を組み合わせるのがよいと思います。
ガイドラインは以下から確認できます。
https://www.abcdcatsvets.org/guideline-for-feline-leukaemia-virus-infection/
・FeLV 抗原検査
・FeLVプロウイルスDNA PCR検査
・血球計算を含む一般血液検査
結果は、おおむね次のように解釈します。
【FeLV 抗原検査・FeLVプロウイルスDNA PCR検査がどちらも陰性】
過去の弱陽性が偽陽性だった可能性と、感染しても早期にウイルスを排除した「感染排除」の可能性があります。
現在の検査ではFeLV感染を示す所見はありません。
【FeLV抗原検査が陰性、プロウイルスDNA PCRが陽性】
ウイルスの増殖は抑えられているものの、感染したウイルスの遺伝子が体内に残る「退行感染」が考えられます。
進行感染に比べると、他の猫への感染性やFeLV関連疾患のリスクは低いと考えられますが、完全に感染が消えた状態とは異なります。
健康上の問題とならないことが多いですが、免疫抑制剤投与等により再活性化することがあり得るとされています。
【FeLV 抗原検査・FeLVプロウイルスDNA PCR検査がどちらも陽性】
ウイルスが持続的に増殖する「進行感染」が強く疑われます。
こむぎちゃんからの感染以外の直近の感染(検査6週間以内)が否定できない場合は、その後感染排除や退行感染に至る可能性もあるため、6週間以上経過後に再検査を行うことがあります。
ウイルス検査と、一般血液検査結果を総合的に踏まえて結果に整合性がない場合は、再検査やFeLVウイルスRNA RT-PCR検査を行うこともあります。
必要な検査を行うことで、現在の感染状態を以前より客観的に整理できると思います。検査について、担当獣医師とよくご相談なさってください。
2026/06/10 19:41 参考になった! 1
投稿者 マッキー さん からの返答
詳しく教えてくださりありがとうございます。
今後、検査を検討したいと思います。
2026/06/14 09:24










猫白血病ウィルスについて
はじめまして。猫白血病ウイルス(FeLV)について相談したいです。
約2年前にFeLV検査で「薄く陽性反応」と言われました。
経緯としては、
FeLVキャリアの猫と約1年8ヶ月一緒に暮らしていました。
その子は発症して2年前の5月に亡くなりました。
発症するまで検査をしていなかったので、先住猫のこむぎちゃんも同日検査を行いました。この時2歳11ヶ月です。
キャリア猫と暮らし始めた時は1歳3ヶ月でした。
キャリア猫が亡くなって現在2年経ち
・食欲あり
・体重安定
・元気に遊ぶ
・甘えん坊で活動的
・大きな病気なし
という状態で過ごしています。
家猫で、ストレスは少ない環境だと思います。
このような経過の場合、
・陰転している可能性
・体内で抑え込めている可能性
・今後の発症リスク
は一般的にどのように考えられるでしょうか?
また、もし現在検査をする場合、
おすすめの検査(抗原検査・PCRなど)があれば教えていただきたいです。
できれば今の状態を客観的に知りたいと思っています。
よろしくお願いいたします。