井上 平太 先生からの回答
今晩は。
推定12歳の保護権を飼い始めて頂き、動物医療に携わる者として感謝いたします。
手術が出来るかどうかは年齢よりも検査による全身状態によります。
12歳は人間で60代ですので決して老犬ではございません。
ところで精巣の腫瘍ですが、精巣を構成するどの細胞が腫瘍化してしまったかにより、予後は異なります。
この腫瘍は一般的には、進行すると再生不良性の貧血が進み全身の脱毛も起こりかなり厳しい状況になる事が多いです。
ですので、当院では血液検査や循環器検査による麻酔のリスクの判定が良ければ、この年齢であれば手術をお勧めしております。
ただ、実際に拝見しておりませんとこの子なら大丈夫かどうかという経験上の感が働きませんので、何とも言えません。
主治医の先生とよくご相談いただき、検討してください。心配であればセカンドオピニオンを受けるのも良いかと思います。
お大事にしてください。
2018/02/09 00:58 参考になった! 2
投稿者 シロくん さん からの返答
井上平太先生
早速のご回答感謝申し上げます。
切除手術をするなら状態の良い今がリミットなのかもしれません。手術や麻酔のリスクはありますが、手術しなかった場合起こり得るリスクもあるのですね。
この子とはもっと一緒にいたいので出来るだけ長生きしてくれる方法をと思うのですが、痛い思いさせてまで長生きさせるのは飼い主のエゴなのかと思ってみたり。
主治医の先生、家族と一緒にこの子にとって一番いい方向を考えていきたいと思います。
本当にありがとうございました。
2018/02/09 05:59
再び 井上 平太 先生 からの回答
今は麻酔薬も鎮痛剤も非常に進んでおります。
手術中もその後もほぼ痛みを耐えなければならない事は無いでしょう。
周術期の痛みに関してはご安心ください。
私は長生きさせることが飼い主のエゴだとは思いません。
生きているという事はそれだけで素晴らしい事です。
この子があなたと出会えてよかったと思えて、今までの不幸を取り戻して余りあるくらいに長く幸福に暮らさせてあげましょう。
2018/02/10 00:06
投稿者 シロくん さん からの返答
井上先生、お忙しい中回答いただきましてありがとうます。
痛みがないと言うのは安心しました。
9年前に去勢手術した時にしばらく痛そうにしていたので、それが一番気がかりでした。
あと、獣医さんには手術前にCT検査を勧められています。調べると検査するのに全身麻酔を使うみたいですが、必要な検査なのでしょうか?
また、手術費用は25万円から30万円で、そのほかCT検査や心臓の検査等で10万円程と言うのは妥当な金額なのでしょうか?今のところ精巣腫瘍が悪性なのか、他に広がってないかなどは開腹してみないとわからないと言われています。状態は老化は感じるものの非常に良いと思っています。(毎日シロの様子をインスタグラム shirochan0920でアップしています)
高齢であること、自由診療ですので仕方ないのですが、来年大学、高校に進学する子を持つ我が家には正直大変なお金です。手術で終わりではなく、その後のケア、終末にはさらに苦痛を抑えたりと病院通いもこれからますます増えてくるでしょうから。お叱りを受けるかもしれませんが、その点も気がかりな事ではあります。申し訳ありません。
ただ、里親になった責任がありますし、病気がわかって尚一層家族みんな可愛く思う気持ちが増しました。何かを我慢してでもなんとかしてあげたい気持ちはあるのですけれど…病院をかえるというのはやめた方がいいのでしょうか?もともといつもお世話になっている近くの獣医さんが高齢で手術はできないからと紹介していただき、3回受診、血液検査、エコー検査をしてもらってます。
お忙しい中申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願い致します。
2018/02/10 08:05
再び 井上 平太 先生 からの回答
二次診療病院は高度な技術の維持・優秀な人材の確保・最先端の設備投資のため、診療報酬は高めになります。
決して自由診療だから高いわけではございません。人間の医療の場合には3割負担でなおかつ6万円を超えた分は健康保険が負担してそこから病院に直接支払われます。
むしろ動物病院は自由診療ですから自由競争という経済原理により適切な(リーズナブルな)価格に落ち着きます。実際に避妊や去勢手術の料金や予防注射やフィラリア予防薬はここ30年間下がり続けております。
小さな病院にも素晴らしい経験豊富な腕の立つ獣医師はたくさんおります。年間一人だけ選ばれる獣医学会賞を取得して片田舎で一人で開業している先生や大学病院で連日手術をし医局に残らず地元に戻って親の小さな病院を継いだ先生もいます。学会発表はせず無名でも近隣の獣医仲間では神の手と言われ、個人病院で引っ張りだこの先生もいます。
時間が許すのであれば近所にも受け入れる動物病院があるはずですので、セカンドオピニオンを受けるか散歩仲間に聞いてみるのも良いでしょう。
申し訳ございませんがこのサイトでは個々の価格に関してのコメントはしない事になっております。この点に関してお力になれない事、堪忍してください。
2018/02/11 01:09
投稿者 シロくん さん からの返答
井上先生、ありがとうございました。
大変失礼な質問をしてしまい申し訳ございません。
いつもはご近所で高齢の先生1人の小さな病院で診ていただいていましたので、金額の違いに驚いてしまっただけで、確かに高額なだけの技術や設備をお持ちの病院です。
手術はやめる方向で考えておりましたが、井上先生にアドバイスをいただき、いつも診ていただいて獣医さんと相談しながら別の病院でセカンドオピニオンを受けようと家族で話し合っています。
今の病院は諸々のこと私自身納得していないところもありますので、安心して任せられる病院で手術を受ける方向で進めて行こうと思います。
数日間、お忙しい中親身にご回答いただきまして感謝申し上げます。
ありがとうございました。
2018/02/11 06:55
高齢犬の精巣腫瘍切除手術の必要性
愛護センターからの保護犬のため、正確な生年月日がわからず、推定12歳の雄のスピッツです。
1年くらい前に突然動けなくなって食欲も全くなくなり、ブルブルと震えていたことがありましたが、病院で痛み止の注射を打ってもらうとすぐに回復しました。それが去年11月と年末にも同じ症状があり、薬を服用していましたが、1月末に同じ症状になった際にいつもの病院が休診の為救急外来に行ってエコー検査したところ、9年前に去勢手術したひとつの精巣がお腹の中で腫瘍化し、7センチ×4センチになっているのがわかりました。良性か悪性かはわかりませんが早めに切除した方がいいと言われました。
そして最近、ほぼ毎日夜中吐き気止めの薬を飲んでも黄色い胃液のようなものを吐きます。
但し、体調が悪くなった原因か精巣腫瘍と断定出来ず、高齢なのに全身麻酔をかけて開腹手術しても原因が断定出来ないのでその症状が改善される保証はないそうです。本来あってはいけないものがお腹にあると悪性の腫瘍化してしまう確率も高いらしいですが、全身麻酔してCT検査、また日を改めて開腹手術するのも負担が大きい気がします。
寿命はだれにもわかりませんが、犬が快適に日常を送るために外科手術をした方がいいのか、このまま自然に任せて対処療法するのか、どちらがいいと思われますか?いくら考えても答えが出なくて困っています。因みに今は普通に元気に過ごせていますし、血液検査の結果も一週間で炎症反応がなくなっていました。
長々と申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願い致します。