杉浦岳 先生からの回答
はじめまして。
最近は歯周病が様々な病気のもとになることが分かってきており、歯周病治療を希望される方も増えました。
以前は「グラグラしたり痛みが出たりしたから仕方なく抜歯をする」というのが治療でしたが、そうなるより前から適切に管理すれば、生涯いい状態で歯を残すことができます。
全身麻酔は、考えられているほど命がけのものではありません。ただしそれはあくまで「健康な」犬や猫の場合です。健康かどうかは、身体検査や必要に応じて血液検査や画像検査によって「麻酔をかけられる程度に健康」かどうかを獣医師が判断することになります。どの検査をどの程度まで行って「これなら全身麻酔をして歯周病治療をするメリットがある」と判断するかは、その子その子で変わってきますから、心配であればかかりつけの先生にしっかり確認するといいでしょう。
全身麻酔は、しなくて済むならその方がいいですが、怖がって必要な処置をできないのであれば本末転倒です。より高齢になり、臓器の異常がで始めて麻酔のキケンが増えてから「どうしても処置をしなければならない」となる方が困ります。
また、最近は麻酔無しで歯石を取るという施設もあるようですが、そもそも「見えているところの歯石を取る」のと「見えないところの歯石まで取る」のは内容が全く異なります。歯周病治療には「見えないところの歯石を取る」事が非常に重要で、それなりの痛みや不快感を伴う処置になるため全身麻酔は必須です。
歯周病を放置するほうが長生きできませんし、愛犬が苦しむことになります。ぜひ適切な処置を受けさせてあげてください。
ちなみに、「歯石除去のために全身麻酔をかけて亡くなる」と言うのは、物事の悪い面だけを切り出した伝言ゲームのようなものです。歯周病を放置した結果高齢になって心臓が悪くなったけど、処置をしなければ痛みで食事が取れないから一か八か処置をする・・・ということもあるでしょうし、そもそも「健康」という判断をきちんとした上でやっているかにもよると思います。このあたりは獣医師とよく話し合い、どこにどの程度費用と時間を掛けるか(あるいはかけないか)納得がいってから処置をされることで、解決すると思います。
2018/03/30 19:07 参考になった! 2
投稿者 さくら さん からの返答
杉浦岳 先生
ご回答いただき、ありがとうございました。
先日、診察を受けに行った際に『口臭と歯石のお薬です』と処方薬をいただいたのですが、とろみがあり白い破片が入っているお薬で、味見をしてみたら甘さと苦味のあるお薬でした。
劇的に口臭がなくなったように感じるのですが、どういったお薬なのか気になり、次回にお聞きしようと思っています。
お薬の効果で口臭はなくなりましたが、お薬の効果であって、一時的なものだと思いますし、歯石がなくなるわけではないですし、全身麻酔は大丈夫かな…という不安は消えませんが、やはり歯石除去は必要だろうと考えています。
2018/04/04 20:21
歯石除去について
6歳(今年7歳)のポメラニアンなのですが、口臭が気になること、歯石が気になること、口腔内の環境の悪化とそれに伴う病気を予防したいという考えから、歯石除去することを決めました。
しかし、不安なのが全身麻酔です。
歯石除去のために全身麻酔をし、亡くなったケースもあるようですし、周りからも気をつけてねと言われ、不安が消えることはありません。
以前一緒に暮らしていた愛犬は15歳の高齢で全身麻酔をして歯石除去をしたことがあるのですが、そのことから少しの期待もあります。
命をかけてまで歯石除去する必要があるのかとも考えるのですが、私のエゴで決めてしまいました。
不安なのであればやめた方が良いでしょうか。
さくらさん からの補足説明
今日は目視での診察だけだったのですが、全身麻酔での手術が可能かどうかの検査は、手術の当日に行うものなのでしょうか。
2018/03/30 15:38