今本 成樹 先生からの回答
今本です。
プードルや、トイプードルではひじょうに多くの遺伝性疾患が発見されています。環軸亜脱臼という生まれながらのものは、確かにこの犬種では多いと言われています。骨格の異常のほとんどが、先天的なものや、遺伝的なものは、生後一年までに起こると言われています。現段階では、遺伝する方法がまだまだ未解明なものが多く、怪しい子を産んだ両親は、繁殖に用いないという方法が一番安全な方法であると考えられています。小型犬では、いくつかの犬種で歯突起形成不全という疾患が見られますが、先天性の異常というふうな認識の犬種もあります(ヨークシャテリアなど)
遺伝の分野はまだまだわかっていないことが多く、厄介です。
ただ、小型犬であることを加味して考えると、小型犬でよくあるこの部分の脱臼(環軸亜脱臼)ではないかとも考えられます。歯突起形成不全や、環軸椎亜脱臼は、遺伝性かどうかは、私にはわかりません。
この疾患では、神経的な異常、時には麻痺してしまったりしてしまいます。また、その部分の関節が不安定であることもあり、管理も大変になります。
どのような感じになっているかにより対処が変わります。レントゲンを見て、安静が一番か、手術による固定が必要かが変わります。
2006/08/24 18:52 参考になった! 0
投稿者 さん からの返答
今本先生、早速、しかも詳細なご回答をありがとうございました。大変参考になりました。
知人がどのような判断をするかはわかりませんが、健康な子であれ、そうでない場合であれ、一生大切な家族としていつくしんでもらうようお願いしたいと思います。お忙しい中、ありがとうございました。
2006/08/31 06:52
中津 賞 先生からの回答
歯突起とは第2頸椎の頭側にある関節を安定させるための骨の飛び出したものです。第1頸椎(環椎)と第2頸椎(軸椎)はこの歯突起以外にもたくさんの靭帯で結合しており、ほとんど不動の関節です。遺伝的に歯突起欠損が起こりますと、第1頸椎(環椎)と第2頸椎(軸椎)の関節が不安定となります、この状態を環軸亜脱臼といいます。中を走行している脊髄を圧迫して激しい痛みと、前足に歩様不安定や麻痺が出ます。遺伝的要素が大きいと考えられます。子犬が入手できる2ヶ月令くらいでは頸椎の発達が十分でなく、単純な管状の骨として写ってしまいますので、レントゲンによる診断は骨が完成する10ヶ月令くらいまで待つ必要が有ります。外科手術で1頸椎(環椎)と第2頸椎(軸椎)を固定します。かなり難度の高い、技術を要する手術になります。
2006/08/24 19:20 参考になった! 1
投稿者 さん からの返答
衛藤先生、ご回答をありがとうございます。確かに、月齢の行かない子犬では診断がつかないという話でした。手術や治療のことなども詳しくありがとうございます。こうしてみると、発症した子のことも心配になってしまいます。
お忙しい中、ありがとうございました。
2006/08/31 07:20
歯突起欠損症・遺伝性の有無について
こんばんは。今回のご質問は我が家の子ではなく、知人宅で迎えようとしているトイプードルの件です。(知人にネット環境がないため、代理のご質問になりますことご容赦くださいませ)
まだ子犬ちゃんはブリーダーさんのところにおりますが、同じ母親から生まれた10ヶ月くらいの兄姉犬(性別は不明)が、歯突起欠損症による環椎・軸椎脱臼と診断されたそうなのです。
歯突起欠損というものが私にとって初めて聞く病気であり、いったいどんな病気なのか、遺伝性なのかそうでないのか、またその確率などもわからないため、予定通り子犬(発症した子にとっては異父妹になります)を迎えても大丈夫かどうか、とても困っています。ネット上でもこの病気についての情報がほとんどないので、遺伝性についてお詳しい先生がおいででしたら、ご教授いただければ幸いです。
お忙しいところ大変申し訳ございませんが、宜しくお願い申し上げます。