飯島 治 先生からの回答
血液検査で白血球が多いのでしたら,細菌性の膀胱炎であった可能性が最も高いと思います.「膀胱炎の薬」も,抗生物質だったのではないでしょうか.5日間では治りきらないこともあるでしょう.「出血性膀胱炎」というのは,何らかの原因で結果として出血を伴った膀胱炎,というような意味で,正式な疾患の名称ではないと思います.
ちなみに,餌や体質の問題で起こる結石(結晶)が原因で出血する膀胱炎も非常に多くあります.また,細菌性のものでも菌の増殖がひどくなると尿のpHが上昇し,物理的に結晶が生じて尿道を傷つけることもあります.この場合も当然出血します.
メスの場合は尿道が短いので,細菌性の膀胱炎にかかりやすいです.健康な状態でも尿道から菌が逆流して入ろうとしてますが,通常は定期的に排尿するので菌もフラッシュされて膀胱に到達することはありません.オシッコを我慢すると膀胱炎になりやすいというのは,これが原因です.
ストレスや緊張が原因でなる(悪化する)膀胱炎もありますが,このケースではあまり心配しなくても良いでしょう.
また,目視してハッキリ分かるような血尿は相当ひどい段階のもので,正常に見えても検査すると血球が観察されることはよくあります.
「炎症」という言葉にそれほど敏感になる必要はありませんよ.なんらかの外的な因子に対する正常な生体の反応の一つを指す言葉です.正確には,一般向けの医学解説書をどうぞ.
質問が整理されていないので,回答もだらだらしてしまいました(笑).
2006/08/30 18:57 参考になった! 0
投稿者 さん からの返答
飯島先生、早速のご回答に感謝いたします。飼い主が慌ててしまってはいけませんね・・。日々のケアと予防について、しっかり勉強しておきます。ありがとうございました!!
2006/09/06 06:57
出血性膀胱炎とストレス等との関係性
はじめまして。生後5ヶ月になるゴールデンレトリバー(雌)の現在の病状についての質問です。
この子は3ヶ月前に大型ペットショップから購入しました。購入後まもなく、予防注射で病院に行った時にお腹にコクシジウムが見つかりました。(体温計についたフンを調べてもらったのです。)これは飲み薬で治り、遅れていた狂犬病予防も済ませ、7月末から散歩デビューしました。室内で飼っています。性格は遊ぶ時は思い切り元気よくはしゃぎますが、神経質で臆病な一面もあります。子犬にしてはかなり痩せ型です。散歩も8月に入ってようやく「自分から歩く」ことが出来るようになりましたが、今でも何か音がしたり、他の犬に吼えられたりするとビクビクと不安そうにしています。
そのような性格だったので、あまり知り合いの犬との交流を避けていたのですが、先週、ラブラドールを飼っているお宅へおじゃまして帰宅したところ、血尿と下痢をしました。緊張からくるストレスかと思い、翌日獣医さんにみてもらったら、出血性膀胱炎と診断されました。慣れないところで遊ばせてしまったせいかと思ったのですが、それはあまり関係ないでしょうと言われました。でも、それまで正常だったフンも尿も急に血が混じったり、下痢になったのでストレスという気がしてならないのですが・・・。
膀胱炎の薬を5日間飲ませて、診断してもらったら尿に血は見られなかったとのことですが、まだ白血球が多いので、炎症を起こしているみたいだと診断されました。 飼い主の目にも尿は正常の色と量に戻り、下痢も治りましたが、「炎症」という言葉に不安を覚えます。膀胱炎が関与する難病ってあるのでしょうか?コクシジウムが発見されたときも便は正常で「なんで!?」という感じでした。食欲もあり、散歩もできて、便も普通。なのに突然の膀胱炎、さらには炎症と聞いて、これからどのように予防したり早期発見したら良いのかわかりません。 炎症っていうのは、内臓に傷ができたのでしょうか?よく木のおもちゃを齧ってそのまま木屑を食べてしまっていますが、そういう尖ったものが傷をつけてしまったのでしょうか?あるいは人間がストレスで胃に穴があくことがあるように、この子もストレスや緊張が爆発して膀胱炎になってしまったのでしょうか? 素人の愚考でお恥ずかしいかぎりですが、ご意見宜しくお願いいたします。