是松 壮一郎 先生からの回答
こんにちは、jaguarさん
乳腺腫瘍と同時に子宮や卵巣の摘除についてはさまざまな考えや説があります。
ただ、統計学的に乳腺腫瘍の発生が一番多いのは「完全な雌(卵巣や子宮を取っていない雌)」と「老齢になってから子宮摘出術を受けた雌」といわれています。
そのため、卵巣は摘出するものの、子宮は残しておく術式を取られる先生もいらっしゃいますし、あえて、避妊手術は行わない先生もいらっしゃいます。
わたしは、卵巣の異常があれば別ですが、出来るだけ現在あるホルモンバランスを崩さないために卵巣や子宮の摘除は行わないようにしています。
この点の考え方に関しては先生によりさまざまだと思いますので、担当の獣医師とよく話してもらい、納得した上で手術を受けてあげてください。
参考になれば幸いです
どうぞお大事になさってください
2011/01/15 11:57 参考になった! 0
投稿者 jaguar さん からの返答
つたない説明に耳を傾けてくださり、大変嬉しく思います。私自身、疑問や心配事があっても、先生方には余りはっきりと伝えられないのが実情です。
そんな中、真摯にお応えくださったことに感謝をいたします。
有難うございました。
2011/01/22 11:57
磯日出夫 先生からの回答
お答えします。文章にある通り最新の報告では「卵巣手術は、子宮までの全摘と比べると、時間が短く(麻酔時間が短い)、切開創が小さい事があり、子宮蓄膿症或いはその他の疾患発症を、結果として抑える事もほぼ同等なので、必ずしも子宮摘出までしなくとも良い」です。しかし、大きな間違いは卵巣を体外に出して糸で結んで、切除して腹中に戻す行為が疼痛を伴い、その時分泌された痛みによるホルモンが1カ月間のこり、免疫抵抗を下げる。肝臓病、腎臓病を誘発すると言う報告もあります。よって、手術の方法でなく、手術による侵襲を小さくすることが重要となります。よって、結論ですが、腹腔鏡手術による卵巣子宮摘出がベストとなります。第2には開腹傷は大きく、卵巣子宮全摘出が良いです。反対に傷を小さくする反面、卵巣子宮に負担(力)をかける手術自体を慎むべきです。
さらに、申し上げると、手術前に十分な検査を行うことが第一条件、第二に手術前に十分な疼痛緩和のための非ステロイド系抗炎症・鎮痛剤投与、第三に生体に最小限の手術侵襲(傷の大きさでなく、臓器にたいする負担、手術時間も考慮)の手術にすべきです。第四に術後の疼痛緩和のための薬剤投与(モルヒネがベスト)を行いたいものです。
結論ですが、ワンちゃんが嫌がらないように検査し、手術し、痛がらない方法がベストとなります。
御参考ください。
2011/01/15 15:47 参考になった! 0
投稿者 jaguar さん からの返答
エビデンスというか、症例や手技手法も、先生方お一人お一人が様々な考えをお持ちなんですね。先生みたいな方が掛かりつけの主治医でしたら非常に安心できるのですが。
お言葉、有難うございました。
2011/01/22 03:47
杉浦岳 先生からの回答
こんにちは。
避妊手術の方法について、卵巣摘出術あるいは卵巣子宮全摘出術は、病院により、あるいは獣医師により考え方がまだいろいろあり、それぞれの先生がこだわりを持ってやっている部分です。
実際に卵巣摘出を100%きちんと行えば、子宮蓄膿症は起こらないというのが最近の主流になりつつあります。その一方で、卵巣から出るホルモンと同様のものが卵巣以外から出ることもあったり(病気により)、子宮が残ることにより子宮関連の(子宮蓄膿症以外の)病気になることがあったりするのも事実です。
個人的には卵巣子宮全摘出術をおすすめしていますが、これは以下のような理由によります。
1.たしかに卵巣のみ摘出のほうが傷が小さくなりますが、人間と違い犬では傷跡の大きさが問題になることが稀であり、またこの程度の違いであれば傷が治るまでの時間には殆ど差がないこと
2.慣れた術者が行えば、卵巣子宮全摘出術を行っても時間的な差はそれほど大きくないこと
3.傷が大きくなる代わりにお腹の中の状態を肉眼で観察でき、卵巣や子宮以外の臓器や組織に問題がないかどうかを広く確認することができる
4.上にも書きましたが、子宮を残すことによる問題が起きない保証がない
といったところです。
納得が行くまでよく先生と話し合い、後悔のない方法で手術をしてあげてくださいね。
2011/01/15 16:47 参考になった! 0
投稿者 jaguar さん からの返答
ご返事のお言葉を噛み締めております。
最近の治療の主流があると言う事は、やはりその時々の手技手法はベストだったと言う事でしょう。
手術のリスクを最低限に抑えていただく事は当然としても、向後の発症や可能性は、症例データでしか捉えられないわけですから。
となればやはり全摘が安心なんですね。
そして医師を信頼することですね。
今度の診察時に、先生と十分な話を交わすようにします。
有難うございました。
2011/01/22 04:47
手術
10歳の♀シーズ犬で、血液検査も健康問題もクリアして、1センチ大ほどの乳腺腫瘍摘出の手術を行います。
その際に、今後の子宮蓄膿症或いはその他の疾患を軽減させるためとして、卵巣の手術もしたほうがと良いと言われております。
お尋ねしたい事は、ある獣医さんの話として「卵巣手術は、子宮までの全摘と比べると、時間が短く(麻酔時間が短い)、切開創が小さい事があり、子宮蓄膿症或いはその他の疾患発症を、結果として抑える事もほぼ同等なので、必ずしも子宮摘出までしなくとも良い」と言う説がありました。
「残った子宮は卵巣からのホルモン刺激がなくなるため退化もするので」とも言っております。
ただ、肉眼的や所見による子宮異常が認められる場合は子宮も切除するのは当然としております。
以上の処置に対して、一言ある獣医さんや、ペット愛好家のお言葉をお聞かせください。
子犬の10歳になる身体へのリスクを考えると、少しでも手術を軽減させたく願っております。
10歳となると、今後そう永くは生きられないわけですし、成犬と違い種々病気等の進行(?)も遅くなると思います。
とにかく、あまり可能性ばかりを考えて手術をしたくないのですが如何でしょうか。
腫瘍は良性とした場合です。