杉浦岳 先生からの回答
はじめまして。
クッシング症候群は大きく分けて原因が2つあります。一つは脳下垂体の腫瘍、もう一つは副腎の腫瘍です。いずれの場合もホルモンが過剰に出すぎることでいろいろな症状が出てきます。
クッシング症候群は確かに目に見える症状があまりでない子もいますが、例えば尿検査をしてみると尿が薄いとか、肝臓に負担がかかって肝酵素が上昇するとか、胆泥がたまるとか、目に見えない以上が出る場合もありますし、実際にジェンシーくんには肝臓の問題が出ているようでもあります。
クッシング症候群の症状の中には血栓症で急に呼吸が悪化して死に至るようなものもありますが、これに関しては治療を行なっていても起こると言われており、すべての症状を完全にコントロールすることは難しいと考えられます。
とはいえ、クッシング症候群の犬では全身に様々な負荷がかかっていると考えられ、いずれ症状が出る可能性もありますし目に見えない症状が徐々に進行している可能性も考えられます。検査の数値が「60」であれば、私が普段行なっている検査と同じものであればかなり高い数値であると考えられます。今ははっきりした症状がなくても、将来にわたってできる限り症状が出ないようにコントロールすることは、快適に一生を過ごすために重要だと思います(しかし、いくら治療をしても完全に治すことは難しく、すべての症状を防ぐことはできないことは知っておいて頂く必要があります)。
2012/01/10 21:26 参考になった! 0
投稿者 gency1 さん からの返答
お忙しい中、わたしの拙い内容にご丁寧なお返事を頂きまして有難うございます。
正直突然の高い数値に戸惑っている次第です。
定期的に検査をしてきたのだからもっと早くから治療をしていればと思うこともあります。
ですが今は杉浦先生もおっしゃる通り、快適な毎日を過ごさせてあげれるよう最善の方針を決めたいと思っております。
背中を押されたように更に前向きになれました。有難う御座います。
治療にあたり少しお聞きしたいことがあるのですがこちらの欄では出来ないということなので改めて質問をさせて頂きます。
2012/01/17 09:26
クッシングの治療について
はじめまして。宜しくお願い致します。
13歳になるシーズーの男の子なのですが、血液検査で肝数値が高いと分かり2009年から3ヶ月おきに検査をしてきました。
ALP・・・約700~1600
ALT・・・約100~130
AST・・・正常値
時々検査をしておりましたT-choは正常値。TGはやや高め。
エコーでは胆泥が見られることからウルソ100を。
そして副腎のサイズがギリギリということもありクッシングの話は常にでておりました。
ですが本犬に多飲・多尿・腹部の腫れ、皮膚の異常等の症状は何も見受けられず元気に穏やかに過ごしていることから仮にクッシングだとしても治療はしないと言われてきました。
しかし昨年2011年11月
ALP・・・3500(計測不可能)
ALT・・・443
T-cho・・・366
TG・・・142
上記の高数値がでてしまいました。
ホルモン検査をしたところ一時間後の数値が60でクッシング症候群と断定されました。
現在も本犬には表立った症状は何もありませんが異常値からも肝臓への影響がでていると説明を受けました。しかしクッシングの治療を積極的にするのは難しいところだとも言われました。
長年食べてきたフードから高脂血症のフードに切り替えて一ヶ月後には
ALTが188、T-choが正常値近くまで下がりましたが、
ALTは変わらず計測不可能、TGに至っては300を越えてしまいました。
今後の治療方針に頭を悩ませております。
愛犬が元気に幸せであることを第一にしっかりと答えを出したいのでアドバイスを頂けますでしょうか。宜しくお願い致します。
もし治療をしなければ今後表立った症状が出はじめるのでしょうか?
逆に治療を開始すれば防げるのでしょうか?
拙い長文で申し訳ありません。