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リンパ腫・腎不全 併発時の便秘対策について

質問カテゴリ:
便・肛門の異常

対象ペット:
/ 和猫(黒) / 男の子 / 12歳 3ヵ月

質問者:
鹿児島県 / くろぱぱさん

 
2021/05/21 18:55

初めて質問投稿させていただきます。よろしくお願いします。

リンパ腫を発症し、抗がん剤治療中のオス猫(およそ12歳)ですが、その前から腎不全にもなっており、二つの症状に対処しながらの、有効な便秘対策について教えていただきたいのです。

お腹マッサージはさせてくれますが、効果がはっきりわかりません。また食事については好みが厳しく、好物の魚以外、療養食もヒルズのk/d(缶)か、ペットラインのキドニーキープくらいしか食べてくれませんし、何かを混ぜたり、掛けたりしたものは、おそらく見向きもしません。

下にも書きましたが、可溶性繊維粉末のフィトケアを、飲水に混ぜるようにしたところ、問題なく飲み、まずは硬い便のまわりに柔らかい便がまとわれたような形で出てきて、その後はときどきそれほど硬くない便が出るようになっています。ですがやはり排便の頻度は高くなく、1週間に一度程度のことがつづき、それを超える場合には動物病院で浣腸をしていただいています。

他の方の質問も読ませていただきましたが、リンパ腫と腎不全併発下でのお話がなかったようなので、このような状態で自発的な排便を促す方法が何かあれば、アイディアでも結構ですのでお伝えいただければありがたく思います。

これまでの経緯と概況については、以下に書かせていただきますので、ご確認いただければと思います。よろしくお願いします。

=========

□去勢済み♂。体重は5キロ。

□飼い猫→野良化らしく、年齢は不明(8歳以上は確実。12歳程度の印象)

□8年前から6年間外飼い(放し飼い)。

□3年前に巨大結腸症に。

□その後、ロイヤルカナンの可溶性食物繊維を与える。まだ外飼い。

□20ヶ月前、喧嘩で酷い傷を負い診察 → 猫エイズと猫白血病 ともに陽性

□以降、家飼いを開始。

□その後17ヶ月間、ロイヤルカナン可溶性食物繊維を与えながら家飼い。

□2ヶ月前、便秘と食欲不振となり診察→腎不全の診断。

□その後2週間ほど点滴と投薬を続けるも、改善せず

□別の医院で細胞診 → リンパ腫の可能性大。ただし組織検査はせず。

□食欲不振のため体重が急減、鼻カテでロイヤルカナンRenal Liquidを中心に給餌。

□数週間ステロイド剤投与

□5週間前から抗がん剤治療(ブレオとロイナーゼの交互投与)

□Ca値が下がり、自発食ができるようになってきたので、鼻カテを外す。

□便秘はつづき、1回/1週程度。1週間経っても出ない場合は浣腸。

□便秘対策として、フィトケアを飲水に混ぜて飲ませる。1日にほぼ6g摂取。

□摂取カロリーと水分量は毎日計測。(ドライ以外の食べものの含有水分量も加算)、概ね250kcal、250ccとなるように、勧めたり、そそのかしたり。

□食事は腎臓用療養食を中心。ヒルズk/d、ペットラインキドニーキープが主。

□あまり食べない時には、良くないとは知りながら、マグロを軽く炙って(<好物)やるとパクパクたべます。(1日30g程度)

□現在、薬は、リンパクト、プレドニゾロン、プロナミド(便がでないとき頓服)、リフレックス(食欲がないとき頓服)、アゾディル。

□上述のように、便秘対策としてフィトケアと、プロナミド(頓服)を使ってますが、プロナミドは感覚的にはあまり効かない様子。

□フィトケアを飲水に溶かすのは、途中で試してみてうまく行ったので続けており、便はそれほど硬くないです。ただ頻度はまだ低いままなのが悩み。

=========

以上です。長文失礼いたしました。
どうぞよろしくお願いいたします。

獣医師の栗尾と申します。

高齢で腎臓病がある猫の場合は、便秘になりやすいというのはどうしてもあります。ただ、何点か疑問があったので、そこを検討しながら話を進めます。

①巨大結腸症は便秘になりやすい最たる疾患ですが、手術などはされましたでしょうか?もし、可溶性繊維食事だけでの管理の場合は、便秘になっても仕方のないこととしか言いようがありません。

②エイズ、白血病ウイルスの陽性反応がある場合、抗癌剤の使用にはかなり注意しないといけないように思えます。リンパ腫とあるのですが、サイズが計測できる腫瘍病変が存在するのでしょうか?抗癌剤の使用によってサイズが小さくなっているのでしょうか?もし、腫瘍のサイズが不明の場合は、抗癌剤の使用は注意が必要に思えます。

③腫瘍ができているのは胃腸に関係する部位でしょうか?胃腸に関係する場合は、便秘になっても仕方ありませんが、多くの場合は、腫瘍がある場合は下痢になることが一般的です。便秘は腎臓病や巨大結腸症の関与が大きい気がします。

④1週間に1回程度出ていれば、大きな問題はないように思えますが、便秘になることで、食欲が落ちたり、吐き気を伴ったりしているのでしょうか?もちろん、定期的な浣腸処置も問題はありませんが。

以上になります。

どうぞよろしくお願いいたします。

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konomi動物病院 獣医師 栗尾雄三

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どうぞよろしくお願いいたします。

投稿者 くろぱぱ さん からの返答

konomi動物病院 栗尾雄三先生

ご多用中のところ早速のご回答いただき、本当にありがとうございます。
ご質問ぶくみのご返答でしたので、こちらからそれぞれ回答させていただきます。

①について:
巨大結腸症に関して、あるいは腎臓、リンパ腫に関して、いずれも手術は行っていません。

②について:
サイズが計測できるような腫瘍病変は、確認されていません。
血液検査と、細胞診検査からの結論とのことです。
もちろん、かかりつけの先生としても、「断定はできませんが」とのカッコつきでお話を受けて、了承しています。
「細胞診検査報告書」の写しをいただいていますので、引用させていただきます。

以下引用>==============

採取部位:腹部皮下腫癌
細胞診検査結果:リンパ腫(lymphoma)

細胞所見など
【所見)
左側腹部の腫癌からの塗抹標本において、 中型の核と好塩基性の細胞質を持つ円形細胞が多数観察されます。これら円形細胞は核クロマチンの疑集像、核小体の大型化および明瞭化などの軽度な異型が認められ、リンパ球に類似した核形態を呈しています。また、 核分裂像も散見されますが、 炎症細胞は僅かです。

【コメント)
腫癌部からの塗抹標本において、 多数の円形細胞が観察されること、 細胞形態からリンパ腫の可能性が高いと診断されます。
猫のリンパ腫は、縦隔型、 消化器型、多中心型および腎型などに分類されます。 これらのうち、 猫では多中心型のリンパ腫の発生は比較的稀で、1カ所、 あるいは数カ所のリンパ節組織に発生します。特にリンパ腫が発生した猫のFeLVの感染率は60~80%であり、また、 FELV感染の猫では発症年齢の平均は4~5歳と比較的若いことが報告されています。 一方、 高齢の猫ではFELVが陰性であってもリンパ腫が発生します。
なお、未分化な腺癌や基底細胞癌なども円形細胞腫療として観察されることがあります。そのため他の円形細胞腫島との鑑別には組織検査が必要です。
予後については、細胞診ではリンパ腫の可能性が高いと診断されることから経過には注意が必要です。ただし、細胞診は確定診断ではないため組織検査と異なるケースもあることから、確定診断および正確な予後判定のためには病巣部の組織学的な検査が必要です。

==============<引用終わり

腫瘍の有無・場所が確認されていないので、サイズが小さくなったか、についても分かりません。
かかりつけの先生の名誉のために申し上げると、より詳しい組織学的検査を受けないままにしているのは、飼い主である私の経済的理由によるものです。
ですから、かかりつけの先生が「推定」を元に治療方針を決めておられることも、了承しています。

その上で、状況証拠的なことになると思うのですが、
抗がん剤治療を始めたことによって、肥大していた腎臓が縮小してきたことがエコーで確認されており、これは「おそらく」抗がん剤がリンパ腫に効いた影響だろう、との説明を受けています。


③について:
上述しましたように、腫瘍の有無・部位は不確定です。


④について:
原因が便秘によるものかどうかは分かりませんが、食欲は発症前よりも落ちているのは確かです。ただ、療養食が「口に合わない」というのも食欲不振の一因であることはどうやら確かで、好みの魚などは相変わらずガツガツ食べます(腎臓によくないと聞いているので、カロリー摂取が不十分なときだけの特例措置にしていますが)。吐き気については、今のところあまりないようです。食欲がなくダルそうにしているときに、定時の投薬をした後、吐いたりしたことは2、3度あります。


ご質問についての回答は以上です。

高齢×巨大結腸症×腎臓×リンパ腫 であれば、便秘は仕方ない、、のかな?とも思いますが、やはり長らく便通がないときには、本人もかなり辛そうです。
何か有効な手立てがああるようであれば、多少難しいことであっても(例えば高額治療、外科手術)、知識・理屈として知っておくことができれば有り難く思います。

お手数おかけいたしますが、引き続きご回答いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。

再び 栗尾雄三 先生 からの回答

獣医師の栗尾と申します。

お返事ありがとうございます。

やはりよくわからないのですが、通常、腫瘍の有無・場所が確認できていなければ、細胞診は不可能かと思います。
細胞診ができている以上、腫瘍病変は特定できているはずです。
少なくとも、細胞所見(報告書)には「左側腹部の腫癌からの塗抹標本」とあります。
左側の腹部に何かあったのではないでしょうか?
何かあったから、針をさして細胞診を行えたのではないでしょうか?
何かあればサイズの計測は可能で、抗癌剤の効果についての判定が可能となるはずです。

現状において、食欲の低下については、リンパ腫の影響なのか、便秘の影響なのか、腎臓病のせいなのかがよくわかりません。

肥大していた腎臓が縮小というのもよくわかりません。通常、腎臓病の場合は腎臓が肥大化することはありません。むしろ、小さくなっていることが一般的です。それか、腎臓がリンパ腫になっていたということなのでしょうか?腎臓型リンパ腫という判断なのであれば、それで構わないのですが。

どうぞよろしくお願いいたします。

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konomi動物病院 獣医師 栗尾雄三

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どうぞよろしくお願いいたします。

投稿者 くろぱぱ さん からの返答

konomi動物病院 栗尾雄三先生

早々にご丁寧なご回答をいただき有り難うございます。
逆にこちらからの返答に時間がかかってしまい申し訳ありません。

ご質問にお答えさせていただきます。

まず、こちらからの前の説明に不備がありましたことをお詫びいたします。

細胞診の際の「左側腹部の腫癌」は、「腫瘍」とは思っていなかったのですが(リンパ腫そのものについての理解が低かったため)、触診で小さな「しこり」を見つけ、そこから採取したものでした。その後の抗がん剤治療で、その左側腹部の「しこり」は小さくなり、触ってわからなくなっています。細胞診時の「しこり」のサイズは正確には分かっていませんが1cmに満たないものだったと思います。

腎臓の肥大についても、栗尾先生が書かれているとおり、「腎臓がリンパ腫になっていた」ということであったようです。(かかりつけの先生の説明への理解が「腎臓がリンパ腫の影響を受けて悪化していた」or「腎臓自体がリンパ腫になっていた」で、混乱があったようなので、改めて確認しました。)

ご質問への返答ではありませんが、補足説明として。
抗がん剤の投与については、血液検査の動向を見ながら続行をすすめています。
食事に関しては、一時期、自発的な食事がとれなくなり、鼻カテに頼っていたのですが、Ca値が11にまで下がったことで、ある程度自発的な食事が出来るようになり、現在鼻カテはなしで済んでいます。
腎臓関係では、クレアチニンの数値が2ヶ月前(通院開始時)の2.4から、じわじわと上がり続けて、4.3になり、かかりつけの先生はこれが下げ止まりでないかと仰っています。

以上です。

ご面倒をおかけいたします。

どうぞ宜しくお願いいたします。

再び 栗尾雄三 先生 からの回答

獣医師の栗尾と申します。

連絡ありがとうございます。

リンパ腫と腎臓病の併発ではなく、腎臓型リンパ腫ということであれば、引き続き、抗癌剤などの継続治療でよいかと思います。
腎臓型リンパ腫は生存期間が長くはないということを念頭に入れておく必要がありそうです。

便秘に関しては、必要に応じて投薬処置、浣腸で管理していくしかないかもしれません。

どうぞよろしくお願いいたします。

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投稿者 くろぱぱ さん からの返答

konomi動物病院 獣医師 栗尾雄三先生

この度はご丁寧なコメントとご指導、誠にありがとうございました。
大変勉強になっただけでなく、今後の猫との療養生活の助けになったと思います。

今後もご活躍され、多くの動物たちと飼い主さんたちの力になっていただけるようお祈りいたします。

ありがとうございました。

再び 栗尾雄三 先生 からの回答

ご連絡ありがとうございました。
少しでも参考になりましたでしょうか。
お手数ですが、以下より評価をいただけますとうれしく思います。

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