佐羽 建 先生の過去の回答履歴一覧
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なつこさんこんにちは。随分とご心労のようですね。
かかりつけの先生の診断通りリンパ液の漏出であることが前提でコメントさせていただきます。
さくらちゃんのように胸腔内にリンパ液が貯留する病気のことを乳び胸といいます。リンパ液は脂質を多く含むと乳白色になることからその名前がついています。確かに手術によってリンパ液が漏出しないように主幹である胸管血紮や腹腔内流出するようにチューブを設置したりという処置を行うことがあります。但し、リンパ液の胸腔内漏出は通常、二次的疾患であって、他に原因となる疾患(外傷、心筋症や縦隔洞腫瘍等)に随伴して起こることがあります。胸腔内にチューブが設置してある状態で管理が可能であるならば、もう一度検査(特に胸部レントゲン、胸部または心臓エコー検査)などを十分行って、その結果元疾患が存在し、治療可能な疾患であれば、その元疾患を治療することで胸腔内のリンパ液の漏出を改善...2006/04/26 11:59 -
- 質問カテゴリ:
- 鼻の異常 / ケイレンをおこす
- 対象ペット:
- 犬 / ゴールデンレトリバー / 性別不明 / 年齢不明
アンジェリカさんこんにちは。リカちゃんはメスにしても23kgではかなり小ぶりな体格ですね。診られた先生のコメント通り画像診断で肝臓が本当に小さいとなると小肝症による肝性脳症の疑いがあります。メール中の症状と併せて考えると特に門脈体循環シャント(以下PSS)の可能性が示唆されます。食前の低血糖及び食後の高血糖及び高アンモニア血漿、それに付随して起こる神経症状(発作や沈うつ、徘徊行動)などがPSSで最もよく認められる症状です。検査は、食前食後の2回にアンモニア、血糖値、胆汁酸の測定を行います。その他コレステロール値や肝パネル(肝酵素系数値)も補助的に行います。腹部のエコー検査等も補助的検査としては有用です。PSSの病態は門脈から後大静脈や奇静脈などへの短絡血管存在するため、肝臓内に流れる栄養血液が減少することにより、アンモニアの代謝や肝臓そのもの、しいては体全体の成長が悪くなることが分かっ...
2006/04/25 20:31 -
- 質問カテゴリ:
- ケイレンをおこす
- 対象ペット:
- 犬 / ウェルシュ・コーギー・ペンブローク / 性別不明 / 年齢不明
石川さんこんにちは。確かに難しい病状ですね。このメールの内容だけではいろいろな疾患が考えられますので、コメントが難しいですが、私がもしこの子を見させてもらえるならば以下の疾患を疑いながら診察すると思います。
1.震えのタイプが企図震戦というものなら、小脳の異常を考えます。この病態は神経疾患ですが、何か目的をもって行動しようとすると(例えばドックフードを食べようとする行動)四肢の震えや硬直が起きる疾患です。小脳は行動の細かな自律運動をコントロールする中枢です。ここに障害が起きると上記のような症状が現れます。但し全身状態(例えば元気や食欲等)には異常が無いことが殆どです。重症例では立つことや歩行、採食もままならない状態になります。
2.全身状態に異常があるとすれば、ホルモン性の疾患や消化器や循環器の状態を調べます。これは診察してみないと方向性がつかめませんので、コメントできません。可能性の高...2006/04/25 12:21 -
みっちママさんこんにちは。メールのないようだけでは詳しい病態が分かりかねますが、恐らく表在性嚢包ではないかと考えます。良性に分類される腫瘤です。皮脂や皮膚の角化物が堆積し、腫れる腫瘤です。一時的に腫れたのは、堆積物を出した後に感染炎症を起こしたものと推測します。組織学的には良性の物でも、このようにしばしば出血したり、感染して腫れあがったりするならば、今後生活を送っていく上で障害または生活の質を損なうものとして、手術適応とします。これを機能的悪性と呼んでいます。ただこのできものはしばしば多発しますので、できるたびに手術で切除する必要はありません。程度問題ですが、出血や感染炎症を繰り返すものでない場合は、そのまま経過観察することもあります。お答えになりましたでしょうか?少しでもみっちママ
さんとケンタちゃんのためになれれば幸いです。2006/04/25 11:59 -
- 質問カテゴリ:
- その他
- 対象ペット:
- 犬 / スタンダードダックスフンド(ロング) / 性別不明 / 年齢不明
くろんこさんこんにちは。随分とご心労のようですね。もし診断が質問内容通り悪性リンパ腫(以下LSA)ならば、治療方法があります。このご質問内容からでは、詳しい病態が分かりかねますが、全身状態が落ち着いているのならば、抗がん剤等の化学療法がこのLSAは第一選択になります。「右の股間のあたり・・・」ならば、鼠径リンパ節でしょう。LSAにはいろいろなタイプがあります。もしこのLSAが他のリンパ節も同様腫大していて、組織学上LSAを強く疑うのであれば、絶対化学療法をまず最初に行うべきです。LSAならば細胞診(腫瘍から少し細胞を採取して、顕微鏡で細胞を診る検査法。おとなしい犬でしたら麻酔なしで診察室でもできる)でも十分診断がつくので、診れる先生が診れば、注射針1本で診断がつきます。多中心型といって全身の体表リンパ節に発現しているような物は、1ヵ所のリンパ節のみ切除しても病態は良くなりません。稀です...
2006/04/25 11:40 -
maboさんこんにちは。
犬股関節形成不全症(以下CHD)になる素因は幾つかあります。もちろんご指摘のように肥満や環境、成長期の過度な運動な運動も助長する原因の一つです。確かに遺伝的要因もこの疾患では重要な要因の1つですが、あくまでもその一つにしか過ぎません。好発犬種は殆どが中大型犬種です。これらは全く症状がなく、レントゲン検査(もっともOFAというスタイルでの検査ですが)で異常なしと判断された雄雌同士を交配させても3割は、この疾患の遺伝的素因を持って生まれると言います。つまりpeleちゃんの祖先や家系にCHDが頻発しているようでしたら(非常に珍しいですが)遺伝的要素が強いことが考えられます。ガンについても同じことが言えますが、ガンの家系に生まれたら必ずガンになるわけではありません。その後の後天的な要因でその発現率は大きく変わります。生後8ヶ月のチワワと言えば、成長曲線は頭打ちになる頃です。生...2005/12/20 15:40 -
- 質問カテゴリ:
- 手・足の異常
- 対象ペット:
- 犬 / ゴールデンレトリーバー / 性別不明 / 年齢不明
いくえちゃんさんこんにちは。
少し気になる症状ですね。水が溜まっていたのは、関節内なのか、または関節外の皮下なのでしょうか?それによっても病気や診断アプローチは変わってきます。採取した液の成分検査によっても、それが何に由来するものなのかを調べることができます。食欲もあり、散歩も十分できる点では全身状態には問題ないもののようですが、11月末の症状のコメント中に「右足を上げていたので触ってみたら・・・」とありますね。このときは患肢に少し違和感があったと思われます。あまりひどくない痛みの場合、散歩などでは、殆ど異常がないかのような歩行をします。立って静止している状態で、反対足と同様に負重をしているか確認されてください。もし違和感があり、負重が弱いようであれば、関節周囲を含めた関節疾患の可能性もあります。関節炎の場合もあれば、関節近傍の骨の腫瘍の事もあります。骨の腫瘍の場合、関節液中には、腫...2005/12/19 10:20 -
マリママさんこんにちは。
随分とご心労のようですね。症状は、重度ではないですが多飲症の可能性があります。犬ですと一日あたり100cc/kg以上の飲水量があるときは、多飲になります。最もこの犬種のオスで4.5kgでしたら、少しお痩せになっているかもしれませんから、本当は5kg後半から6kgはあってもいいワンちゃんではないかと思います。そうなるとギリギリ多飲症ではないか、又は軽度の多飲症と言うことになります。排尿量がわからないので、多尿症かまでは分かりかねますが、多飲・多尿で痩せていたり、脱毛があるならば、何らかしらの異常がありそうですね。多飲・多尿の症状は、その原因が多様です。ホルモン性の疾患もたくさんの種類があります。その他糖尿病や心臓、肝臓、腎臓、中枢性(脳支配によるもの)のものもあり、それぞれに検査やアプローチの方法は異なります。まだお若いですし、今後のことも考えると、しっかりと濃厚な...2005/12/17 20:35 -
ちゃちゃママさんこんにちは。
かなりご心労のようですね。まず哺乳についてですが、栄養カテーテルによる哺乳が良いのではないでしょうか?ところで獣医さんには口の中はよくみてもらいましたか?症状からして硬口蓋裂離の可能性があります。口の中の上顎の裏が、癒合不全から裂開して、鼻腔内にミルクが入って鼻から呼吸ができなくなったり、鼻咽頭孔からミルクが戻ってきたりと呼吸が苦しくなる症状が出ます。治療にはまず裂離した硬口蓋を外科的に修復する手術が必要です。ただ、まだ小さいので手術ができるぐらいまでは、前述した方法でミルクを与えるほかありません。離乳ができるぐらいになったら、もう少し太いカテーテルで流動食を与えてもいいでしょう。もしこの病気だとしたら、乳首からミルクを飲むのは困難でしょう。かかりつけの先生にもう一度よく診てもらってはいかがでしょう。5~8Frサイズのカテーテルと5ないし10ccのシリンジ...2005/12/12 11:29 -
- 質問カテゴリ:
- 対象ペット:
- 犬 / ゴールデンレトリーバー / 性別不明 / 年齢不明
杉村さんこんにちは。
2年前からですと経過は長いほうですね。咽頭部分の触診や胸部の聴診をしっかりしてもらって、胸部のX線撮影や心臓のエコー検査等をしてもらうと何かわかるかもしれません。散歩などではなにか異常は出ませんか?例えばすぐに座り込んでしまったり、家に帰りたがったりしませんか?このような症状は運動不耐性とと言って、呼吸器や循環器の異常や貧血などによくみられます。経過が長い点からすると心不全の可能性が高いですね。この犬種ですと拡張型心筋症や心臓の血管肉腫からくる心タンポナーデ(心臓の周りに血液などの液体が溜まり、心臓の動きが制限されて、循環不全を起こす)などが割りとよくみられます。日頃の管理や予防はしっかりとやられていらっしゃるようですので、フィラリアや食餌・生活習慣などによるものではないでしょう。いづれにしても早期にくまなく診てもらって、精密検査を受けられることをお勧めします。2005/12/12 10:12