今道 昭一 先生からの回答
アレルギー検査で陽性反応が出たということからアトピー性皮膚炎と診断されていると思います。アトピー性皮膚炎の治療は個々のワンちゃんやオーナー様の都合に応じて様々な治療を組み合わせていきます。
ただ、アトピー性皮膚炎では頻繁に合併症を起こします。合併症には様々なものがありますが、中でもノミ寄生、細菌感染およびマラセチア感染はよく遭遇します。これらの感染症は必ずノミの駆虫、抗生剤や抗真菌剤などで完治させてください。ここは、どのような都合や事情があっても欠かせない重要ポイントです。
次に合併症がないと判断されたのにかゆみが残っているときの対処です。
ここからの対処法は先にお話したように様々な方法があります。そして、常に考慮したい点はアトピーは何年間も治療を続ける必要があるということで、そのためにかゆみや皮膚炎を効果的に抑えつつも、副作用がない治療を選択しなければいけないということです。さらに大型犬2頭となると、治療費や手間なども必ずよくよく考えておきましょう。
最後に実際の治療法を簡単ですが説明しておきます。
まず、副作用がないということを考えると、食事療法を取り入れることはお勧めしたいところです。もちろん、食事とアトピーは無関係なこともありますので、治療費を考えると誰でも食事療法を取り入れることはできません。ここは除去食試験でしっかりと食物とかゆみの関連を調べておきましょう。
そして、外耳炎や指間の皮膚炎は軽く見てはいけません。耳や指のかゆみはワンちゃんにとって非常にイライラするものです。耳や指のかゆみは全身のかゆみを増強しますので、きっちりと治療してあげましょう。
次にシャンプーです。シャンプーは様々な種類があります。今の皮膚の状態をよく判断してシャンプーを選択してあげましょう。感染症対策、脂漏対策、フケ対策、保湿効果など今必要とされるシャンプーを選択してください。詳しくは当院のホームページに書いていますので参考までに。
また、シャンプーは非常に効果的な治療ですが、そのやり方が間違っていることが多々あります。
回数や時間についての質問はよくされますが、次のような点によく気をつけてください。
自然乾燥はいけません、ドライヤーは10分以内、よくあわ立てる、かさぶたや雑菌をしっかり落とす、スリッカーは使わない。
場合によっては、余分な皮脂も落とすほうが治療効果は高いというのが私の印象です。
実際に小型犬はこの治療を徹底することだけでかなりの効果が得られ、継続される方も多いように思います。そこには、効果ももちろんですが、食事代やシャンプーの手間などが許容範囲に収まることも関係しています。ただ、お薬は併用しています。シャンプーや食事療法を治療の中心にするのは軽症のワンちゃんに限られるようです。
では大型犬はというと...食事代はかかる、シャンプーを効果的にしようとすると、これも大変。
など、様々な事情からステロイドや抗ヒスタミン剤などを併用する方が多いようです。もちろん、定期的に検診して副作用が出ていないかどうかをしっかり見なければいけません。
その他にも治療法がありますが、非常に高価なものばかりです。
私は継続性、手間、費用対効果を考えて、大型犬に対して主に減感作療法を実施します。もちろん、費用は安いものではありませんが様々な点から有用性は高いと思っています。ただ、この治療をしている病院は少ないのが現状です。
お住まいが東京でしたら、近郊には皮膚疾患をしっかりと見てくれる病院がいくつもあります。
私の意見よりも参考になるお話が聞けるはずです。一度相談を受けてみるとよいでしょう。
2008/01/08 15:40 参考になった! 0
投稿者 ラッキーケリー さん からの返答
はじめまして、今道先生、今後、皮膚疾患を見てくれる病院を探して見ます。とても、参考になりました。ありがとうございました。
2008/01/15 03:40
アレルギーだといわれました。
はじめまして、アドバイスをいただきたいと思いまして質問させていただきました。ラブラドール10歳と7歳メスです。かゆみとフケ、痒くて掻いてしまって体が赤くなっています。体臭もあります。特にひどくなったのは、3,4年ぐらい前からだったと思います。病院にいきクスリを貰い、注射をしてもらうと2,3日 は、おちつきます。しかし、これの繰り返しなので、2件の病院にいきましたが、同じようなクスリ、注射で改善が見られませんでした。1年ぐらい前に3軒目の病院で、ステロイドの投与をはじめ、3月には、アレルギーの検査をしました。今、えさをアレルギー用のをあげています。8月ぐらいからステロイドの投与をやめてしまいました。出来ればステロイド以外のクスリでと思っています。今現在、市販のシャンプーを使い4,5日に1回洗ってます。