井上 平太 先生からの回答
パナログは、抗生物質・抗真菌剤・抗アレルギー剤(副腎皮質ホルモン)など、多種類の薬が配合された総合皮膚病薬と言えるものです。それぞれの薬品は内服するとアレルギーやおう吐や下痢などの副作用を起こすこともあり得る薬剤です。しかし、外用薬の中での濃度は極めて少なく、一度に軟膏チュウブ1本食べない限り副作用は考えにくいです。しかし、アレルギーはごく微量でも理論上は起こりえますので、実際アレルギーが起きた可能性はあり得ます。
なお、フロントラインの薬効成分はパナログには入っておりません。しかし、基材と言われる薬を溶け込ませる物質に共通の物があるかもしれません。基材は通常公表されておりませんので不明です。
正直、獣医師になって29年たちますが、パナログで塗布局所以外の全身的アレルギーは、経験した事がございません。貴重な症例ですので、是非主治医の先生に農林水産省に報告して頂きたいものです。
お大事にしてください。
2013/11/16 15:39 参考になった! 0
投稿者 スピカママ さん からの返答
井上先生、いつもお忙しい中、早速にご回答を頂きありがとうございます。
薬の使用を止めてからは症状も治まっておりますので、飼い主の目から見ると原因は外用薬にあったのではないかと考えてしまいますが、先生のおっしゃる様に、大変稀なケースなだけに主治医がパナログによるアレルギーだと、あえて特定しないのも無理はないと思います。
井上先生のように、説明して頂けると納得できます。ありがとうございました。
私共は、人間の医療に携わっております。人も動物も基本的には同じかと考えており、特にアレルギーについては、先生のおっしゃる通りごく微量でも大きく反応が出るケースを見ておりますので、犬でも同様の事があるかもと考えておりました。
目に見えないアレルゲンや、その時の体調や…様々な事が重なって起こったとも考えられるのでしょうね。飼い主としては、気を配ってあげねばと心を新たにいたしました。
取り敢えず、疑わしいものは今後使用しないという姿勢で管理していきます。
井上先生、これからもお世話になりますが、宜しくお願い致します。
2013/11/23 03:39
外用薬のアレルギーについて
いつもお世話になり、ありがとうございます。日本スピッツ2歳のメスの症状について相談させて頂きます。
3週間程前に肛門に発赤が軽度みられ受診し、軽い炎症ありとのことでモメタオティックを塗布して、1週間程で改善。その後、薬を止めて約2週間たったころに再度肛門に同様の症状が見られたため再診。
今回は、外用薬が変わりパナログ軟膏を処方され塗布。すると、塗布して6時間後から嘔吐が始まり、顔がパンパンに腫れてしまいました。
主治医は、「アレルギーに間違いないが、パナログ軟膏のみで顔が腫れるほどになるとは考えにくい。他のアレルゲンが作用しているかも。」と言われましたが、今までの生活と何ら変化はなく、今回の反応は外用薬にあるとしか思えません。その子によっては、強いアレルギー反応を起こすこともあるのでは?とも思うのですが、先生方のご経験の中に、我が家の様なパナログによるアレルギー例はございませんでしょうか。
また、以前フロントラインの滴下でも嘔吐し、アレルギーかもとのことで現在はコンフォティスを服用していますが、フロントラインとパナログ軟膏の中に、何か共通する成分が入っていればそれがアレルゲンと判断できるかとも考えておりますが、いかがでしょうか。
わかる範囲で結構ですので、何卒ご教示下さい。宜しくお願い致します。
追伸)
外用薬の使用を中止し、アレルギー症状を抑える注射を一回打って頂き、現在は症状は改善されております。